みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

逆勝手

2009-02-05 19:22:54 | 仏教

Dscn0400_sh01 近所のkSさんから戴いた大島紬の反物を岩間のYさんに仕立ててもらった着物。そのYさんお譲りの帯を締めて、昨日、茶道の稽古に行った。

「逆勝手」の稽古だった。手足の動きが平常とは左右逆になる。頭では分かっても、まごつく。自分の心身が平常の拘りの中にあることを思い知らされる。

掛軸は「三冬枯木花」。虚堂録の一節で「九夏寒巌雪」と続くらしい。常識的拘りを打破せよ、ということか? とすれば、逆勝手にピッタリ。

筆は大徳寺高桐院の剛山和尚。高桐院を創建したのは細川忠興。時々の最高権力者=信長・秀吉・家康に仕えて天寿を全うしたのは、善悪はともかく、稀有の才能あってのことだろう。利休七哲の茶人でもある。正室の玉子(カトリック洗礼名:ガラシャ)は38歳で非業の死(自殺ではないが「自死」と言える)を遂げた。殉教ではなく、武士道精神から、という。

死を畏怖する私は、自ら「死」へ赴く人の境地には、呆然とするばかり・・