激流、悪夢、想像。

2012-11-19 11:10:20 | Weblog



色んな物事が、まるで激流に弄ばれるかのごとく

過ぎ去っては消えてゆく今日この頃。

お変わりなく生息なさってらっしゃいましょうか。

ゆめゆめ「衰退」などなされないように。

私・・・?私などの事はどうでもよいようなものながらも申し上げると、

治ったはずの風邪の残存勢力に悩まされつつ、

夜は眠り、昼は駆けずり回る、といった有様です。(それ普通じゃんかよ。)

根拠はないのではありますが、12月に入ると何もかもが一変する予感がいたします。

そうなる前に私は精一杯糸を出して、自分の周りにありたっけの壁を構築し、

「さなぎ」のように丸まって眠るしか、手は無い所存で御座います。



ところで。


図書館で借りてきて読んだ「スプートニク」という

ソ連の宇宙開発のドキュメンタリー本の中に、

ソユーズ2号に搭乗していて、宇宙空間で行方不明になった宇宙飛行士、

イワン・イストチニコフが見た悪夢の話が載っていて、興味深かったので

引用する。

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戦士が、激しく息をつきながらあえぎあえぎ、こういった。

「とてもあんたたちには信じてもらえないようなものを見たのだ。

オリオン座よりもむこうで、炎に包まれた船団を攻撃する。

タンホイザー門の近くの暗がりで、D光線が眩く輝くのを、おれは見た。

こうしたすべての瞬間は、雨が流されるように、時の中に失われてゆく。

もう死ぬときがやってきた。」


筑摩書房「スプートニク」著・スプートニク協会+ジョアン・フォンベルグ

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これって、どう見ても

映画「ブレード・ランナー」でレプリカントのロイ・バティが

最後の最後に語る台詞、そのものだ。


その宇宙飛行士が映画見てたんだろうっていう可能性は、ない。

彼が行方不明になった最後の飛行は1968年10月であるからして。

映画の前述の台詞って、ロイ・バティ役のルドガー・ハウアーが

撮影中に思いついて採用された、って話を何かで見たことがある。

ルドガー・ハウアーがこのソ連の宇宙飛行士の日記を何かで見て知ってたのだろうか。

ソ連ってああゆう国だからその可能性は低いような気もする。

特に映画制作時はまだ冷戦下だったはず。


むむむ・・・どういう経緯かは、わからないのだけれど、

本物の宇宙飛行士が見た悪夢のモノローグが挿入されることで

映画に、より深みが与えられたのは間違いないよね。


それにしてもそれにしても。

宇宙空間でミッション中に行方不明になる、ってミステリアスすぎる。

しかも「ソユーズ2号」は発見されているのだ。

唯一の乗組員(と、犬)だけ、いなかったらしい。




どんな状況で、果たしてどんな気分だっただろうか、とつい、

想像してしまうよ。













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