奇妙な程豊かな夜の音色、
想像もつかない程遠くから誰かが僕に、
微かな光を投げかけている。
全ての悪徳が、蜘蛛の糸の上で踊っている今夜、
まるで理解不能な情熱を抱え込んだまま僕等は
何処へとも知れぬ旅を、とにかく続行させたのだ。
誰もが「我」という屈折した個性の集合体で、
それがあらゆるものに対するアンチであるということは
必然的に世界との軋轢を生じるものである。
思うに全ての愛と全ての憎悪の熱源は所詮同じであり、
我々に必要なのは単に、
「存在の祝福」ということだけなのかも知れず、
いつか我々は
”不可思議の見果てぬ王国”に・・・・・
辿り着かないとも限らないのだ。
駄目だったら駄目で、
しょうがないけどさ。