幸運のカケラをポケット一杯に詰め込んだ僕等はどうやら、
その重みのせいか・・・・・・
豊饒の海の真ん中で立ち往生してしまったらしい。
乾ききった月は僕の真上あたりに浮かんでいたし、
ブリキで作ったみたいな星達は
ペナペナに揺れながらそれでも一応、光り輝いている。
それにしても
一体、誰が今日のことを予言し得ただろうね?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、君は確かに言ってたよな。
実際、あの頃の君は大した預言者だった。
僕以外、そんなこと誰も覚えてなんかいない、としても。
そして、
予想できなかったとは言え「今日」は、
まっすぐに、ほとんど脇目も振らず、僕のところにやって来た。
昨日も、一昨日も、
去年も、30年前も、みんなすっ飛ばして。
でも
何故 僕だったのだろう?
僕でなきゃならなかったのだろう?
それはけっこう大事なことで、
そんな風なことを、今でも時々、考えます。
でも、だからと言って思考は、何処へも辿り着かない。
そんなのはいつものことで、
わかってはいる・・・つもりなのではあるけれど。
「然るべきもの」は然るべきもので、
「そうでないもの」は、そうでない。
結局はただ、それだけのことだったから。