10月1日、デーゲームでソフトバンクが西武を破って自力優勝が決定。リーグ連覇の力は主軸の補強と若手の台頭がバランスよくできたことが大きく、2位とは10ゲーム以上の差をつけての優勝。まずはホークスの選手たちおよびファンの皆さん、おめでとうございます。
さて、そうなると2位争いである。前の記事でも書いたが2位日本ハムとの差が縮まっており、残り試合でオリックス・バファローズがひっくり返す可能性は十分ある。そんな中、おそらく今季の公式戦の観戦は最後になるであろう楽天戦に行ってきた。
実は1日、早朝から会社の行事にて成田山不動尊での安全祈願、そして伏見稲荷に移動して商売繁盛の祈願、さらには稲荷山の一ノ峯までの登山(こちらの大神にも祭っているので)ということをやっていた。その後は伏見の黄桜にて直会(という名の黄桜三昧の飲み会)。ということもあって1日の観戦は予定していなかったのだが、ただ直前に日程表をよく見ると1日はナイトゲーム。これなら大阪に戻ってその足で間に合うことがわかり、ネットで指定席を押さえた。それも、グラウンドすぐ脇のライブ指定席。値段は張るが今季最後の公式戦ということで奮発した。
17時頃にドームに到着。スーツから応援用Tシャツに着替えてスタンド入り。やはりこのライブ席まで来ると選手たちの動きが非常に近く見える。写真撮影にはネットが邪魔に感じるが・・・。
この日の先発はオリックスが今季わずか1勝の木佐貫、楽天が最多勝を狙う田中。この顔ぶれから見て、オリックス打線が田中から何点取れるかというのが注目である。
まずは木佐貫の立ち上がり、先頭の松井稼にいきなりの二塁打、続く内村はバントの構えだったが結局四球となり、三番・高須にバントを決められ一死二・三塁のピンチ。後続は何とか打ち取ったものの何だか嫌なムード。今季先発にことごとく失敗した投手ということもあるが・・・。
結局木佐貫もピリッとせず、2回、4回もチャンスを作られる。4回にヒットと四球で一死一・二塁としたところで降板。よくもまあ点を与えなかったものだ。それとも楽天打線の最後の攻めが甘かったのか。
一方、田中である。最多勝とわずかながら可能性を残すクライマックスシリーズ出場を目指しての気合いの投球。3回まで5三振(振り逃げ1)と、150キロ超の直球と変化球で押していく。こういう投手の投球が近くで見られるのはいいのだが、オリックス打線も何とかならんのかと、押され気味の展開にもどかしさを感じる。
ただチャンスは4回、二死からT-岡田がレフトへ上手く流し打ちを決めて二塁打。これがチーム初安打。
続くバルディリスが三遊間へ転がしてレフト前タイムリー。田中からワンチャンスをものにして1点先制。スタンドは大いに沸く。ただバルディリスが二塁を狙って封殺。うーん、ここでつなげてほしかったのだが・・・。
オリックスは5回から西が登板。何も中継ぎで出すことはないと思ったが、ひょっとしたら10勝目をプレゼントしようという目論見があったのだろうか。この間は「この時期にそんな投球ならチームにいらん!」と岡田監督も怒っていたはずだが、これも監督の親心でしょうか。
ただこの西、何をしに出てきたのだろうか。先頭の聖澤にヒットを許すと、続く松井稼にあっさりと二塁打を打たれて同点。内村がバント、高須はバルディリスのファインプレーで打ち取ったが、ガルシア四球、中村にタイムリー。何が何だかわからないうちに逆転を許した。
打たれたのは相手のあることだから仕方がない。ただどうも「おいしいところを持っていこう」という甘い投球をしていたように私には見えたし、ヘラヘラしているようにも見えた。何のためにこの場面で出してもらったのか。そりゃ、ヤジの二つくらい飛ばしたくなる。
続く6回も先頭の銀次にヒット、嶋にバントを決められたところで西は降板・・・。果たして、この投手は今後ドームのマウンドに立つことはあるのだろうか。この回、聖澤に二塁打が出て1対3となる。
7回に中村の犠牲フライで1対4となって迎えた終盤。そろそろ田中を捕えようかと打線も奮起する。
見せ場は8回、イニング交代の間に「Bs HEROS」ということでビジョンで紹介された坂口が切り込み隊長らしくレフト前に運ぶ。続く大引も甘く入ったボールを弾き返して連打でチャンスメーク。
後藤の遊ゴロの間で一死一・三塁となってT-岡田。一発出れば同点の場面。何とかせえ!というファンの声援がこの日一番の大きさとなる。
浪速の轟砲の打球はスタンドには行かなかったが、センター前にきれいなヒット。これで1点返して2対4。続くバルディリスにもヒットが出て満塁のチャンス。
ここでイ・スンヨプだったがワンバウンドするボールに手を出して空振り三振。この日田中からヒットも放っている赤田も150キロの速球にバットが空を切る。歓声が悲鳴に変わる瞬間。ただここで真っ向勝負を挑んで三振に打ち取り、「ヨッシャー!!」と大声で叫ぶ田中。やはりリーグを代表する投手である。残念だがここでこの日の敗戦が決まったようなものだった。
田中はこの回で降板し、9回はラズナー。もうオリックス打線に反撃の力は残っておらずこのまま2対4で試合終了。
・・・まあ、田中相手ということで仕方なしとあきらめるか。そう思って席を立つ。ただこのまま帰宅するのではない。実はこの日、試合終了後のグラウンドに降りられる企画をやっており、昨年も参加して面白かったこともありまた行ってみることにしたのだ。試合時間が長かったこともあるが、まだまだ一日は続く。スタンドでは酔っ払いか、不甲斐ない敗戦に腹が立ってか、ファン同士と警備員がもみ合っている。かなり長い間大声を出して警備員に食って掛かっていたが、最後は警備員に別々に引っ張られるようにしてスタンドを後にしていた。
で、グラウンドに降りてみる。敗戦の後ということで残念であるが、こういう日常なかなか体験できないイベントに参加することで気分はほぐれる。
マウンドに登ってみたり、ベンチに座ってみたり、外野の芝生で寝転がってみたりと、22時を回ってからのグラウンドを楽しむ。
中には阪神のユニフォームを着たファンの人たちも。何で場違いな連中がおるねん?と一瞬ムッとするが、この日はデーゲームが甲子園であったようで、「ダブルヘッダー」でこちらに来たようである。仮にオリックスを応援していたとしたら、阪神は負けるしオリックスも負けるしで、大変な一日だったことだろう。
しばしのグラウンド歩きを楽しみ、ドームを後にする。時刻はもう23時近くで、人の姿はほとんどない。さすがに夜は冷え込んでおり、またスーツに身を包む。もう少し早ければ大正駅近くで熱燗でもひっかけてから帰るところだった。
結局日本ハムが引き分け、西武が敗れたため2~4位の微妙なゲーム差はそのまま。そろそろ秋の気配が漂う公式戦、残り試合に全力を尽くしてほしいものである・・・。