まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

交通科学博物館へ

2011年10月10日 | まち歩き

このところ、フェイスブックでの交流の中で、昔懐かしい鉄道の車両やら風景の写真を見ることがあり、いろいろな人からこういう情報が得られるのもこのツールの面白さだなと感じているところである。

それに加えて、もうすぐ10月14日、鉄道の日である。本来ならばこの連休はどこかに遠出しようかとも思ったのだが仕事やら何やらがありそれは断念。結局、8日の土曜日に関西で気軽に訪れることのできる鉄道スポットに行ってみた。

Dscn1148それは、弁天町の交通科学博物館。近い将来に梅小路の蒸気機関車館との統合も取りざたされているところであるが、大阪環状線の高架下のスペースも生かしたコンパクトな博物館もなかなか風情のあるものだ。

Dscn1204実物展示での目玉といえばこちら0系ということになる。運転台にも入ることができるのはいいが、先日名古屋のリニア・鉄道館での開放的なスペースで堂々とした姿を披露しているのに比べると、ちょっと窮屈な感じがする。どこか広いところに出してやりたいなと思う。となれば、梅小路ということになるのか。

Dscn1166さて土日祝日は展示車両の中を一部開放したガイドツアーが行われるとか。たまたま午後の部のその時間に行き当たったので参加してみる。家族連れの姿が目立つ。何度も訪れている博物館であるが、こういう形のイベント参加は初めて。

Dscn1159屋外のプラットホームをモチーフにした展示スペースでまずはD51、C62を見る。ここでCとDの違いの解説を受ける。結局は動輪の数なのだが、スピードと力強さ、それぞれの利点があるということだ。

Dscn1172続いては旧型客車、昭和37年に食堂車に改造されたというスシ28形。スシ・・・寿司という言葉が連想される。食堂車だけに。まだ冷房はなく、窓を開けての食事ということになるが、蒸気機関車の煤煙が入らないように網戸がしつらえられているのが特徴。こういう、食堂車が当たり前についていた時代の鉄道旅行、なかなか苦労もあっただろうが忘れられないものだっただろう。

Dscn1176そして、こちらに連結されているのがマロネフ59形。マロネフといっても別にロシア人の名前ではなく、車両の能力、用途をカナ記号で表すとこうなるのだが、寝台車である。もともと貴賓寝台車として製造され、戦後は一時米軍に接収されたのだが、返還後は現在の天皇陛下が皇太子時代に乗車されたとある。

上記の写真はかつての2等寝台であるが、この奥が貴賓スペースとなっている(人が多かったので写真は撮れなかった)。それにしては質素な造りだなと思うが、公式のお出かけではなくプライベート、お忍びで出かける際に使用されたとか。プライベートといっても専用の寝台車がつくところが皇室である。今こうやって子どもが同じベッドやソファーに座っているのが妙な感じがする。

Dscn1196今度は少し時代が下り、80系電車。いわゆる「湘南電車」の元祖である。この中も木製のボックス席がずらりと並ぶ。

Dscn1187さすがに現在の一般車両に木製のシートを導入するわけにはいかないだろうが、インテリアに木の温もりを感じさせるものがもっとあってもいいだろう。

Dscn1160そして最後はキハ81形。確かブルドッグとか言わなかったか。この辺りまで来ると現在の特急につながるものがある。ただ、いわゆるクリーム色と赤色の国鉄カラーも今や絶滅寸前で、この色も早晩「昔のもの」になってしまう。

Dscn117830分ほどのガイドツアーであるが、普段は入れない車両の中を見学できたのはよかった。普段からいつでも中を見学できるようにしてもらえればという気持ちもあるが、史料としての保全を考えれば致し方ないところもあるだろう。

Dscn1211現在の企画展示は、今年青森から鹿児島までつながった新幹線がテーマ。それぞれの路線ごとの紹介などが行われているが、先ほど昭和の重厚な車両たちを見てきた目からすれば、何だか軽いものに感じられた。もう少し実物資料があればなというところであるが、これはこれでいいのだろう。

Dscn1157なかなかに密度の濃い時間を過ごすことができた午後の一時であった。

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