早いもので今年のプロ野球のパ・リーグが開幕した。札幌では日本ハム対ロッテ、福岡ではソフトバンク対楽天、そして「西武ドーム」に名称を戻し、所沢移転30周年を期に球団名を変更した埼玉西武ライオンズとオリックス・バファローズの試合がそれぞれ行われた。
穏やかな日が続いていた関東地方だが、開幕戦のこの日は冷たい雨、おまけに風も強く気温もほとんど上がらない。でもまあ、こうして予定通り試合が行われるのがドーム球場で、雨にも関わらず大勢のファンで賑わった。
レフトスタンドにも関西からの応援団を含め、おそらく関西方面から観戦に来た人も多いだろう、大勢のバファローズファンが詰め掛けた。ただ・・・屋根はついているものの埼玉の自然をモロに堪能できるこのドーム、この日は寒さに震え上がるばかり。ビールよりも熱燗、焼酎の湯割りなどがよく売れていた。またレフトスタンドでも、入場券を提示すれば進呈されるライオンズの「ヒートアップマフラー」をひざ掛け代わりに使う人が結構いたりする。
さて開幕戦ともなるといろんなイベントが行われるのが常で、試合前のブラスバンドの演奏やらダンスやらが行われることが多い。ただこの日はあっさりしたもので、松崎しげるによる国歌独唱や、上田清司・埼玉県知事による「埼玉西武ライオンズサポート宣言」という挨拶&始球式が目立ったところ。あと、ライオンズ側の選手紹介が「ライオンズびいきの文化放送」の元アナウンサー・戸谷真人だった。その中にあって、所沢移転30周年ということで、根本監督に始まる歴代の監督、名選手たちの懐かし映像が流れるのは面白い。また1982年以降の日本シリーズ制覇のチャンピオンフラッグのレプリカがバックネット裏最上部に飾られているのは、「常勝軍団」としての歴史を改めて若い選手たちに認識させようとしているのか。
また変わったといえばグラウンドの人工芝が天然に近いものになったり、バックスクリーンが超大型のものに切り替わったこと。それぞれ、前年との比較をすれば雰囲気ががらりと変わったように感じられる。
さて肝心の試合。西武・涌井、オリックス・金子という、いずれも初の開幕投手。期待としては、リーグ屈指の好投手・涌井を、ラロッカ、ローズ、カブレラ、濱中ら「多国籍打線」がどう打ち崩すかというものだが・・・。
ところが涌井である。そう簡単には点を取らせないし、打順一回りまでは打球が外野にも飛ばないという有様。ところが金子も力のある投球を繰り広げ、4連続を含め西武打線から三振の山を築く。それほど三振の取れる投手というイメージがなかっただけに、こちらもうなるばかりだ。
3回、トップに返って坂口がチーム初安打で出塁、続く迎が倒れたものの、ラロッカが右中間にタイムリー2塁打。涌井から先制点を奪う。ただ涌井が許した大きな当たりはこのくらいで、以降は「多国籍打線」を力で抑え込む。一方の金子も力投を続け、G・G佐藤に一発を浴びたものの、ピンチらしいピンチもなく7回まで10奪三振。
完全な投手戦の明暗を分けたのが終盤。7回裏、先頭ボカチカを四球で出した金子だが、続く細川の投前バントをうまく捌いて併殺打に切って取った。その直後の8回表、今度は涌井が先頭の日高を歩かせ(代走・森山)、続く坂口の投前バントを捌いて2塁に送球したまではよかったが、送球が少しそれ結局オールセーフ。続く迎がきっちり送り2・3塁とした後で、ラロッカの犠牲フライ。2対1と勝ち越し、これが決勝打となった。
8回は菊地原、9回は加藤と磐石の投手リレーでそのまま逃げ切り、2対1でオリックスが開幕戦をものにした。お立ち台は金子だったが、先発投手の台所が苦しい中、今年はローテーションの柱としてやってくれそうな(少し前まではひ弱なイメージだったのだが・・・)感じがした。ただ次に続く投手となると・・・・誰?
一方の「多国籍打線」だが、結局は3安打(坂口、迎、ラロッカ)。ローズは3四球を選んだものの、カブレラ、濱中は涌井に完全に力負け。それらが火を噴くのはまだまだ先のことかな・・・・。
まずは白星発進ということで、これからの熱戦にも期待しよう。
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