まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第72番「存光寺」~広島新四国八十八ヶ所めぐり(大鳥居改修後初の宮島へ)

2023年11月18日 | 広島新四国八十八ヶ所

広島新四国八十八ヶ所めぐり、次は第72番・存光寺だが、前回までの広島市中心部から一気に宮島に飛ぶ。宮島には広島新四国の第1番・大願寺があり、安芸の国をいろいろ回った後、最後に宮島に戻り、弥山の山頂で満願を迎えるのだが、その後半に1ヶ所だけ、存光寺がある。

広島新四国については札所順で訪ねることとしており、今回、この存光寺に行くために宮島に渡ることにする。宮島といえば、厳島神社の大鳥居の改修工事が2022年11月に完了し、鮮やかな色合いで多くの観光客、そして今年はG7サミットで各国首脳も招くことができた。かくいう私、前回宮島に渡った時はまだ工事中だったので、この機に大鳥居を見に行くのもいいだろう。

前回の広島新四国めぐりからすぐの11月5日。・・・いつまでも引きずるようで恐縮なのだが、この日の夜は決戦・日本シリーズ第7戦である。大一番を前に気持ちを落ち着かせようと、なぜか宮島に渡ることにする。こう書くと大仰なのだが、主な目的としては、ポツンと離れた第72番を抑えておき、再び広島市内を回るためである。

最寄りの高須電停から広電でトコトコと移動する。広電でアクセスする札所も点在しており、序盤、そしてこの後の終盤に登場することになる。

広電宮島口に到着。宮島への連絡船乗り場はすぐ目の前。多くの観光客で賑わっており、JR、松大汽船が交互に出航する乗り場にはいずれも乗船を待つ列ができている。ただ、宮島口から宮島に渡るなら、JR連絡船がお勧め。厳島神社の大鳥居に近いルートを行く。

宮島といえば、10月から「宮島訪問税」が徴収されている。ICカードだと、乗船時に改札機にタッチすると100円が上乗せして引き落とされる。

出航時には上階の展望デッキを含めて満員となる。やはり外国人(特に西洋系の)観光客も多い。コロナ禍も明け、このところの円安も重なっていると思う。私の周りにも西洋系の観光客がぐるりと集まり、ガイドらしき方がおそらく英語で案内している。どうやら牡蠣の養殖いかだについて解説しているようで、一斉にスマホやカメラを向けている。

もっとも、単語として聴きとれたのは「タイラノキヨモリ」くらいかな。厳島神社に信仰を寄せ、現在につながる社殿を整備した人物として紹介していたようだが、西洋流の「キヨモリ・タイラ」ではなく「タイラノキヨモリ」と言っていたのは、日本の歴史にもかなり詳しそうなガイドと見た。

ただ、それを耳にした私はといえば、平清盛、ターイラノキヨモリ、タイヤードキヨモリ、tiredキヨモリ、疲れた清盛、ベストガイ観て疲れた清盛・・・・昔あったラーメンズの「日本語学校」ネタを連想してしまう。田中角栄!

大改修を終えた大鳥居を初めて見る。

宮島桟橋に到着。

宮島に来ればまずは海岸沿い、または参道の商店街を通って厳島神社に参詣するところが、今回の目的地である存光寺はその手前である。メインの参道からいったん左手にそれ、人通りもそこまで多くない道を歩く。いったんトンネルを抜ける。

そして存光寺に到着。そして山門はと見ると、改修のためか、土台がむき出しになっており、工事中のフェンスが立てられている。これは境内に入れないのかと躊躇したが、フェンスの一部が扉になっており、そこから中に入ることができた。たぶん、大丈夫だろう。

存光寺が開かれたのは戦国時代、和泉の国から存光坊寂如阿闍梨が来て阿弥陀三尊を祀ったのが始まりという。工事中で落ち着かない感じだが、まずは本堂の前でお勤めとする。なぜ、あえて番号が飛ぶ第72番となったのかはわからないが、札所の並び順やこれまでの事例から推察するに、元々広島市街にあった寺が何らかの事情で札所を返上したか、あるいは廃寺になったのを受けて、宮島で歴史あるこの寺が名乗りを挙げたというところだろう。広島新四国の巡拝については、札所順にとらわれず、エリアごとに回ることを推奨していることもある。

さて、この存光寺のすぐ横に石段が伸びている。ちょっと急なのだが上ってみる。

するとそこには今伊勢神社が鎮座している。今でこそ厳島神社の末社の扱いのようだが、名前からして伊勢神宮を勧請して、存光寺ともども神仏習合で信仰を集めていたと思われる。そしてこの一帯は、かつて毛利元就と陶晴賢の厳島の戦いの舞台となった宮尾城があったところである。宮尾城は、陶の大軍をおびき寄せるため元就が築いた「おとりの城」と言われているが、対岸と合わせてもこの場所なら砦を築いても何の不思議もないところである。

厳島神社に行こう。存光寺の前は「町家通り」が伸びている。宮島には何度も訪ねているが、この通りを歩くのは初めてである。表参道商店街とは違い、宮島の人たちの生活道路となっている。その中に昔造りの町家と、それをリノベーションしたおしゃれな店も並ぶ。宮島の穴場スポットといえるかな。

そして、この角度での五重塔。一瞬、京都にでも来たかのように感じられる。

ここで表参道に合流する。こちらは一転して人混みの中である。なぜか中世貴族の衣装を身にまとった人がいる。神社関係者でもなさそうだし、そういうコスプレなのかな。

そして大鳥居へ。厳島神社を訪ねる時は特に満潮、干潮の時刻は意識せず、着いてからのお楽しみとしているが、今回訪ねた時はまだ潮が満ちていて、ちょうど小舟が大鳥居の下をくぐっていたところ。

厳島神社に参拝。社殿のあたりは潮が引いており、鏡の池も姿を現している。

これだけ賑わう厳島神社も久しぶりに見た。舞台の先では記念撮影する人の行列ができている。

潮が引いている海岸に下りてみる。天候に恵まれたよかった。

広島新四国の第1番・大願寺にも参詣する。ここで広島新四国八十八ヶ所めぐりを発願したのは2021年の元日。それからもうすぐ3年となるが、八十八ヶ所めぐりはまだ72番。結構時間を要しているが、次に宮島に来る時は最後の大聖院、そして弥山本堂にて結願としたいところだ。

帰りは表参道商店街を歩く。とにかく人混みが激しいし、昼食どきということでどの店も満席の様子だ。まあ、無理に入らなくてもいいか・・。

ただ何も食べずに宮島を後にするのももったいなく、桟橋前の店で一夜干しカキ串、そして夏生牡蠣をいただく。そろそろ牡蠣のシーズンで、行きつけのスーパーでも牡蠣が並ぶようになった。これからが楽しみである・・・。

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