まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

兵庫15番「中山寺」~神仏霊場巡拝の道・73(日本シリーズ観戦を前に必勝祈願のつもりが・・)

2023年11月09日 | 神仏霊場巡拝の道

神仏霊場巡拝の道めぐり。今回、10月28日の日本シリーズ第1戦観戦、そして29日の西国三十三所先達研修会との組み合わせでの関西行きである。

今回の神仏霊場めぐりの目的地は兵庫2番・西宮神社。ただ日本シリーズの観戦記でも触れたが、西宮神社、そして近くにある兵庫3番・廣田神社といえばタイガースの一同が毎年必勝祈願に訪れるところだ。よりによって日本シリーズ第1戦当日に、そうした神社に参詣するのはいかがなものかと思う。

そこで、同じ阪神間にある中で、阪急・JR沿線である兵庫15番・中山寺、兵庫14番・清荒神清澄寺に参詣した後、京セラドーム大阪に向かうことにした。この記事は日本シリーズ終了後に書いているが、今思えば、西宮神社とは別のところに行くのなら、バファローズが必勝祈願に訪れる兵庫1番・生田神社に参拝すればよかったかなと思う。

中山寺じたいは西国三十三所のほかに、近畿三十六不動尊の札所として訪ねたことがあり、今回は神仏霊場である。

10月28日、朝の新幹線で新大阪に移動。宿泊は新大阪駅近くの東横インを予約しており、荷物をコインロッカーに預ける。第1戦の先発はバファローズ・山本由伸、タイガース・村上で、両エースの投げ合いが予想される。何とか初戦の勝利を見届けて、気持ちよく新大阪に戻ってきたいものだ。

新大阪から新三田行きの列車に乗る。中山寺は阪急宝塚線の中山観音が最寄り駅で、駅から数十メートルで山門に着くが、JRも中山寺駅がある。今回、新大阪から乗り換えなしということもあったが、JR西日本の西国三十三所キャンペーンのデジタルスタンプがまだだったので、JR中山寺に向かい、そこから歩くことにする。

川西池田で後続の宝塚行き快速が先発するので乗り換え、次の中山寺に到着。改札口のQRコードをスマホに取り込んで、デジタルスタンプを獲得。ただ、まだ多くの駅が残っており、札所に行かず駅だけ訪問するという荒技を使っても2024年3月末の期限までに全部揃う可能性は低い・・。

ロータリーには、馬に乗った聖徳太子の像が経つ。中山寺は聖徳太子が創建したとされる寺で、「紫雲たなびく山」を探し求める中で出会ったこの地に創建した日本最古の観音霊場とされている。ここから阪急中山観音までは徒歩で10分くらい。阪急の線路下をくぐり、中山寺の山門前に出る。

中山寺といえば安産祈願、そして初参り、七五三参りの寺として多くの参詣者が訪れる。関西だとこの中山寺、そして奈良の帯解寺が安産のご利益の寺として名高いところだ。豊臣秀吉がここで祈願して秀頼を授かったことや、孝明天皇の典侍の中山一位局が明治天皇を産む時に安産祈願をして無事出産したために明治天皇の勅願所となったこともあり、多くの信仰を集めている。

山門をくぐると、七福神や十二支の守り仏を祀る塔頭寺院があり、それぞれ願い事の受け持ちがあるかのようである。

妊娠中や、赤ちゃんを連れた参詣者が多いことに配慮して、本堂までエスカレーターを乗り継いで行くことができる。

中山寺は西国三十三所の開創にも関連する寺で、長谷寺の徳道上人が冥土をさまよう中、閻魔大王から「観音信仰を広めるように」と御宝印を託された。徳道上人はその使命をはたせないまま亡くなるのだが、御宝印をここ中山寺の奥の院に預けた。時代が下り、花山法皇がその御宝印を見つけ出し、自ら巡礼することで西国三十三所を再興した。このことから、西国三十三所の第1番は中山寺とされていた時期もあったそうだが、現在は東国からの道順のためか、那智の青岸渡寺が第1番となっている。

・・・という話は、翌29日の西国三十三所先達研修会において中山寺の長老であり、種智院大学の教授でもある今井浄圓猊下による講話で改めて聴くことになった。今井猊下はその講話のまくらで、「昨日(28日)は阪神タイガースが勝ってよかったですし・・」ということも言って会場の笑いを誘っていたが、私はその時顔面が引きつっていたと思う。

本堂に上がる。この時のお勤めでの祈願の一つに、「バファローズの日本シリーズ勝利」というのがあった。ただ今思えば、結果的に、西宮神社、廣田神社を連続敬遠して中山寺に願掛けしたわけだが、見事にタイムリーを打たれたという、その後甲子園での試合で見られたような展開にしてしまったようだ・・。もちろん、いちファンが寺社参りしたところで日本シリーズの勝敗に影響するものではないのだが、こういう思いを持ちながらの札所めぐりというのも楽しいものだ。

五重塔に向かう。青龍塔の名があり、戦国の兵火から400年以上の歳月を経て創建当時の姿に木造で再建された建物である。壁面が青というのが珍しい。

手前のお堂には弘法大師、そして西国三十三所のお砂踏みがあり、お堂に上がって一つ一つに手を合わせる。

本堂の背後から回り込む形で、青竜とは対照的な朱色の多宝塔をめぐる。境内のあちらこちらでは初参りや七五三参りでの記念撮影が行われている。

納経所にて、西国三十三所先達納経軸、そして神仏霊場の朱印帳に朱印をいただく。中山寺に来たことで、西国三十三所先達研修会にもつながるお出かけとすることができた。

以前中山寺を訪ねた時、奥の院まで歩いて上り、そこから下る形で清荒神清澄寺に行ったことがある。ただ今回はそのまま中山観音から阪急で清荒神に移動する。

その車内に、日本シリーズ「関西ダービー」を告知する中吊り広告があった。いや~、これは自宅で飾ってみたいものだ。日本シリーズが終わった後は車内からはがされるとして、その後はそのまま廃棄されてしまうのかな。それはもったいない・・・。

コメント