まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

比婆山麓の「熊野神社」に参詣、幻の魚「ゴギ」をいただく

2023年09月11日 | 旅行記F・中国

8月20日、芸備線「庄原ライナー」の応援企画として行われた日帰りツアー。庄原の名物ガイド「熊本隊長」が添乗する「比婆山おさんぽ登山」に参加している。比婆山といえば広島県から島根県、鳥取県境に綱らる山々で、それを「おさんぽ登山」と称するのだからそうしたスポットがあるのだろう。

備後庄原駅をマイクロバスで出発し、近くのホームセンターで虫よけスプレーを購入した後、熊本隊長のガイドで庄原市の西城町へ向かう。沿線の見どころや、庄原市内に点在する鉱山、かつて世間を賑わせた「ヒバゴン」など、話のネタは続く。並走する芸備線にも触れる。9月にクラウドファンディングにより芸備線活性化のイベントとして、俳優の六角精児さんや鉄道ジャーナリストの杉山淳一氏らを招いてのシンポジウム、そして「呑み鉄列車」の運転が行われるのだが、地元・庄原市を走る路線のこと、この熊本隊長にも一役買ってほしいと個人的には思う。

最初の目的地である熊野神社へ続く道に入る。比婆山は「古事記」のイザナギ・イザナミの神にまつわる物語の舞台とされており、山にはイザナミの神が葬られているとされる。その遥拝所として開かれたのが熊野神社の始まりという。

熊野神社の大鳥居の横が駐車場になっており、そこにある「イザナミ茶屋」にて昼食。

古代米に山菜やトロロがのった「いざなみ丼」や、「ゴギ」の塩焼きなどをいただく。「ゴギ」とはイワナの一種で、西中国山地の限られた川でのみ生息する魚である。名前は朝鮮語で魚を意味する「コギ」から来ていて、はるか昔、たたら製鉄の技術を伝えるべく日本に渡っていた朝鮮の人たちがそう呼んだことから定着したという。

かつては「幻の魚」とされていたが現在は養殖にも成功し、こうして日帰りツアーの昼食にも出てくる。以前参加した庄原ツアーで「イザナミ茶屋」にも来たのだが、昼食は別のスポットで(確か比婆牛だったかな?)、「ゴギ」は水槽で泳いでいるものの紹介だけだった。実際に食べるのは私は初めて。焼いた川魚は塩気のためにどれも同じように感じるところあるが、身が軟らかくて美味い。このツアーの参加者はは私より一回り、二回りお年を召した方々ばかりなのだが、皆さん食欲旺盛で、塩焼きもぺろりと召し上がっていた。

他に名物「かき餅揚げ」を買い求めたり、ミニトマトと茗荷はサービスで自由に持ち帰りなど、昼の一時を楽しむ。

この後は出発時間まで熊野神社の自由参拝。多くは熊本隊長とともにゆっくり石段を歩く様子だが、私と、旅慣れた様子のもう一組の方々はそれらを待たずに先に石段を上がる。

境内には天然記念物にも指定されている大きな杉が何本もあり、パワースポットとしても知られている。こういう大木を見るとそれに手を当ててパワーをいただきたくなるのはどういうメカニズムなのか言葉で表現するのは難しいが、やはり触れてみたくなる。

拝殿に着き、手を合わせる。

熊野神社じたいは、20年以上前の広島勤務時にも来たことがある。当時まだ20歳代。当時書き記したものによると、広島県の山奥に熊野神社があり、奥に那智の滝があるのは妙なものだという感想だった。私自身の当時の知識では、熊野神社(大社)や那智の滝は和歌山県のそこだけだというものだった。熊野信仰やイザナギ・イザナミの神の言い伝えが残る場所はあちらこちらにあると知るのは後のことである。

この先、いくつかの祠を経て比婆山の登山道に入り、その途中に那智の滝もあるのだが、今回は本格登山ではなく「おさんぽ登山」。また団体行動のため時間内にバスに戻る必要がある。私たちが折り返して石段を下りていると、ようやく主力部隊がこれから参詣というところですれ違う。一足先にバスに戻り、車内で涼む。

車内から観察していると駐車場のクルマがポツポツ出入りしており、登山スタイルの人も見かける。パワースポットとして知る人ぞ知るところというのがわかる。

乗客が来ると運転手はそのたびにドアを開閉する。冷房中ということもあるが、この時季、外にはアブやブトなどの虫が多く飛び交っていて、車内に入らないようにとのことだ。今回のコース、この先ではさらに虫が増えるとされており、備後庄原駅出発後に虫よけスプレーを購入したのもその対策だという。

予定時間までに無事全員が戻り、これから向かうのは比婆山連峰の一つ、竜王山。ここが今回「おさんぽ登山」のメインスポットだそうで・・・。

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