九州八十八ヶ所百八霊場めぐりは前回7月のお出かけで宮崎市の第38番・長久寺、第37番・香泉寺まで進んでいる。この次は第39番・潮満寺、第40番・西明寺という日南市の札所で、この九州一周の札所めぐりもいよいよ宮崎南部に入る。九州でも奥深いエリアに入っていくわけだが、広島からなら1泊2日ででも何ヶ所かずつ回ることができるそうだ。
今回向かう2つの札所はいずれも日南線の沿線にある。第39番・潮満寺は油津駅、第40番・西明寺は南郷駅からそれぞれ徒歩で行けるようだ。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりではマイカー、レンタカーの世話になることも多いが、今回は日南線の乗り鉄と絡めてみたいところだ。日南線に乗るのもずいぶん久しぶりである。
出かけるのは9月9日~10日の1泊2日として、2つの札所をめぐることに加えて、いくつか条件をつけて行程を考えてみた。日南線に乗る(できれば終点の志布志にも行きたいし、可能ならば日南線のD&S列車「海幸山幸」にも乗りたい)、日南線からは離れるが沿線の鵜戸神宮に参拝する、宿泊は宮崎よりも日南線沿線のどこかのほうがよさそう・・・ということを考えて時刻表や宿泊予約サイトをのぞく。
そもそも、広島~宮崎の往復はどうするか。私の頭の中にあったのは日豊線の特急だが、前回の九州八十八ヶ所百八霊場めぐりで寺の住職から教えていただいたのが、新八代~宮崎間の高速バス「B&Sみやざき」号である。この高速バスと新幹線を接続させることで、JR九州としては博多~宮崎間の最速ルートとしてPRしている。
いろいろ考えた結果、9月9日の往路は広島から小倉に移動して、宮崎まで「にちりんシーガイア5号」に乗り通すことにした。前回の九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの復路では宮崎から「にちりんシーガイア14号」で小倉まで移動したが、今回はその逆で、沿線の景色もしっかり観るつもりである。そして日南線とバスで鵜戸神宮を経由し、宿泊は途中の油津とした。
札所を訪ねるのは翌10日。そして日南線の終点・志布志まで行き、最後に「海幸山幸」に乗って宮崎に戻る。宮崎まで戻ると「にちりんシーガイア14号」は出た後だが、「B&Sみやざき」号で新八代まで行けば、何とか広島行きの最終の新幹線に間に合う。このバスがあってこそ初めて成り立つ行程ができた。後はそれぞれ遅れのないよう、順調に運転されることを望むだけ。
さて9月9日、広島6時05分発の「こだま775号」にて出発。小倉から「にちりんシーガイア5号」に乗るなら後続の6時53分発「こだま781号」でも間に合うのだが、あえて始発に乗った。「にちりんシーガイア5号」の指定席も「九州ネットきっぷ」であらかじめ押さえている。
その理由、「にちりんシーガイア5号」の座席にある。6両編成で、1号車がグリーン車、2号車が指定席、3~6号車が自由席だが、このうち3号車はもともとビュッフェだった車両で、コンパートメントもついている。前回、宮崎からの帰途はグリーン車に乗ったのだが、今回はこのコンパートメントに乗ってみようと思う。ただし自由席扱いなので、小倉からだと先客が並んでいる可能性もある。
そこで、早めに九州に入り、博多からやって来る「にちりんシーガイア5号」を小倉の手前で迎えることにした。これなら、先客がいたとしても小倉で乗客が入れ替わる可能性が高そうだ。
7時15分、小倉に到着。7時33分発の南福岡行きに乗り継ぐ。
時刻表を見て、8時20分発となる黒崎から「にちりんシーガイア5号」に乗ることにする。宮崎まで5時間近くの乗車ということもあり、いったん改札を出て黒崎駅構内のコンビニであれこれ買い求める。そして、黒崎~小倉間の自由席特急券を別に購入してホームに向かう。
3号車の乗車位置にて「にちりんシーガイア5号」を出迎える。博多~小倉間は通勤利用も多いのだが、6室あるコンパートメントの1つに空きがあり、無事に席を確保できた。
小倉に到着。ここで乗客が入れ替わり、海側のコンパートメントに空きがでたのでそちらに移る。これで宮崎までゆったり過ごすことができる。自由席扱いなので相客が来る可能性はあるが、普通のシートにも空きがあるようで、わざわざ個室に入る人もいないだろう。
これからある意味贅沢な空間での宮崎行きである・・・。