まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「WEST EXPRESS銀河」紀南コースに乗る~いざ出発

2021年08月31日 | 西国三十三所

まさか、人気観光列車「WEST EXPRESS銀河」の2回目の乗車記を書くことができるとは思わなかった。

2020年9月に大阪~出雲市間の「山陰コース」に乗車したのに続き、今回2021年8月に新大阪~新宮間の「紀南コース」に乗ることができた。しかも、いずれも他のどなたかがキャンセルしたためか「繰り上げ当選」の恩恵にあずかった。こういうケースもなかなかないのではないか。

昨年同様コロナ禍の最中ではあるが(とはいえ、昨年の9月は「GoToトラベル」というのもやっていたな)、出発日が決まっていて、この機会は逃すものではない。「不要不急」の判断は個人に委ねる・・・ということで、そのまま行くことにする。本当に深刻な状況なら、この列車そのものの運行が中止されるはずである。まず、そこのところをお断りしておく。

さて、コースにつけられた「紀南」という言葉、これまであまり聞いたことがない。私はあの辺は「南紀白浜」のように「南紀」と認識していたのだが、「南紀」、「紀南」それぞれ意味があるそうだ。「南紀」とは「南海道紀伊国」の略で、紀州全体を指す言葉、そして「紀南」は「紀州南部」を指す言葉という。今回、紀勢線を運行するにあたり、日本旅行が宿泊プランや地元のおもてなしを提供しているのは周参見、串本、太地、紀伊勝浦、新宮といったこの「紀南」地域である。

コースは3つある。まず「Aコース」は、1日目往路「銀河」利用(夜行)~2日目現地宿泊~3日目復路「くろしお」で戻るプラン。金曜日夜に「銀河」が出発することもあり、こちらのコースを申し込んでいた。他には「Bコース」として、1日目往路「くろしお」利用・現地宿泊~2日目復路「銀河」利用(昼行)。そして「Cコース」は、「Aコース」の復路3日目も「銀河」利用(昼行)である。私が大阪在住ならどのコースでもよいが、「Bコース」、「Cコース」だと復路「銀河」の大阪着が夜遅く、そこからその日のうちに広島に戻るのが困難である。ということで「Aコース」1本に絞っていた。

そして当選したのは、8月27日夜出発の「Aコース」。「銀河」ではリクライニングシートに乗車、新宮到着後の28日夜は新宮ユーアイホテル(朝食付き)に宿泊。そして29日は新宮8時32分発の「くろしお16号」に乗るが、申し込み時、グリーン車で戻るオプションをつけていた。

新宮に9時37分に到着した後はフリータイムで、乗客それぞれが思い思いのところに行くのだろうが、私はもう「熊野三山詣で」一択である。そもそも今回、5月にエントリーした分の「繰り上げ当選」の通知が来たのが、8月はじめに熊野三山に行った直後のタイミングのことで、これはもうご利益そのものだと思っている。だから今回はお礼参りとしてのお出かけでもある。急遽レンタカーも申し込んだ(そのため、この旅行記のカテゴリは「西国三十三所」とする)。

出発の前週に乗車券、バウチャー、パンフレット、その他注意事項が送られてきた。バウチャーの中身は追々説明するとして・・。当日、発熱・体調不良は絶対にあってはならないことだ。

いよいよ出発の27日になった。「銀河」の新大阪発は22時16分のところ、ホームに21時50分集合である。当日はヒヤヒヤしたが仕事を無事に終えていったん帰宅し、シャワーだけ浴びて出発する。広島を出るのが遅くなったらその時点で「銀河」には乗れない。

広島発20時01分の「のぞみ64号」に乗車。この後の広島発20時27分の「みずほ612号」でもギリギリ間に合うのだが、1本余裕を持って出ることができた。この時間の「のぞみ」に乗るのはいつ以来だろうか。以前の広島勤務時、大阪に帰省する時も金曜の夜に慌てて新幹線に乗り込むこともほとんどなかったと思う。

車内で軽めの夕食とするうち、順調に新大阪に到着。

新大阪の集合場所は、「くろしお」が発着する3・4番のりば。「銀河」もここから発車する。階段下に日本旅行の係員が待機しており、あらかじめ配布されていた健康チェックシートを渡し、検温をクリアする。ツアー参加用のワッペンをもらい、袖に貼る。

入線まで時間があるので、蒸し暑いホームからいったんコンコースに上がり、飲み物など仕入れて待つことにする。この時間にここに座っているのは「銀河」に乗車する人たちだろう。

22時10分に入線ということで、そのタイミングでホームに下りる。京都側から、西日本の海や空を表現した瑠璃紺色をまとった117系がやって来る。この歳になっても夜行列車に乗れるだけでわくわくしてしまう。

まずは割当のリクライニングシートがある3号車へ。翌朝はそれこそ黒潮が車窓に広がるわけで、席の指定が気になっていた。指定されたD席は進行方向右側で、海側となる。これはラッキー。また、座席の一番前で、前方の壁に備え付けの木のテーブルが使えるし、改造車にありがちな窓枠がすぐ横にあるわけでもなく、大当たりの座席と言っていいだろう。個室のプレミアシートやグリーン席扱いのファーストシート、横になれるクシェットと比べれば「座席車」だが、この状況のため1人で2人がけを使えるし、この先ゆったり過ごせそうだ。

ホームで撮り鉄たちに見送られて出発。まずは貨物線経由で大阪環状線に入り、天王寺を目指す・・・。

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