まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第18回中国観音霊場めぐり~大山口へ

2021年03月19日 | 中国観音霊場

大山寺を目指す今回の中国観音霊場めぐり。それと中国地方のローカル線大回りを兼ねる旅の途中で、山陽線で岡山に来てから津山線~因美線と乗り継いで智頭に到着。この日は日本海側では雨の予報で、智頭でもホームに退避して列車を待つ人が目立つ。

折り返しとなる12時56分発の鳥取行きは、智頭急行の車両の2両編成。先ほど1両の中に収まっていた乗客も2両に分かれてゆとりを持って乗車する。同じく津山から鳥取を目指しながらもいったん離れていた国道53号線と、千代川に沿って走る。昼食の後ということもあり、ボックス席でウトウトするうちに鳥取に到着。

鳥取には1月に西国四十九薬師めぐりの但馬シリーズの帰途に立ち寄った。その時は列車からバスに乗り継ぐために1時間近くいたが、今回は列車の乗り換えだけである。17分の接続で14時01分発の快速「とっとりライナー」米子行きに乗り換える。まあ、鳥取については中国観音霊場めぐりの満願の地であるし、また来ることになる。今の見通しでは間に倉吉シリーズを挟んで夏までには来ることができるだろう。

「とっとりライナー」は、アニメ「名探偵コナン」のキャラクターが描かれた車両。鳥取県は境線を走る「鬼太郎列車」が知られていて「まんが王国」をアピールしている。こちらの「コナン列車」も、ドアの横に「パシャッ」と書かれ、ちょうど列車に乗る前に記念撮影でもできそうなスペースがある。

快速といっても、鳥取近郊の青谷までは各駅に停まる。この辺りも海岸に近いが列車はやや内陸を走る。松崎を過ぎると、東郷湖に面した燕趙園の建物が見える。次の倉吉シリーズを回るにあたり、この辺りで泊まるのもいいかなと考えているが、なかなか手頃な宿がない。結局は倉吉の市街地に泊まることになりそうだ。

下北条に到着。「ようこそ 名探偵コナンに会えるまち 北栄町へ」ということで、コナン君のパネルがお出迎え。

その中心となるのは隣の由良。「コナン駅」の愛称もある。ここで下車する人、あるいはクルマで駅までやって来て「コナン列車」を撮影する人も何人かいる。少し前に山陰線のこの区間に乗った時には、大陸の人たちがこの駅で結構降りていたのを覚えている。ちなみに、中国語で「コナン」は「湖南(省)」ではなく「柯南」と書くそうだ。どうでもいいことだが。

雨は鳥取を出る頃には止んでいた。ただ曇天は続き、左手には大山が広がるはずだが見えず、右手に日本海からの風を受ける風車群を見る。

15時47分、米子に到着。大山寺へのバスは16時50分発ということで時間がある。かといって、鳥取から後の鈍行では間に合わない。また、先ほど通過した大山口からも16時50分発のバスが出ている。大山寺へは大山口からのほうが近いので、大山口発のバスに乗れば米子発より20分ほど早く着く。ただ先ほどの「とっとりライナー」で大山口に下車すると時間を持て余すので(地図で見たところ、駅周辺で1時間以上の待ち時間をつぶせそうなスポットは見当たらない)、いったん米子まで出て、次の列車で大山口に行くことにした。青春18だからこそできることだ。

米子駅前のコンビニで、この日の夜食その他を仕入れた後、16時15分発の「とっとりライナー」に乗る。先ほどの「コナン列車」が折り返す。鳥取からの便では通過したが、こちらでは停車する大山口を目指す。

ログハウス風の大山口に到着。下車したのは私ともう一人で、その人は迎えのクルマで駅を後にした。駅前で少し外れたところに大山寺行きのバスが停まっているので乗れるのは間違いないが、このタイミングでは米子方面に向かう列車もなく、バスに乗るのは私だけのようだ。

果たしてそうで、最後部の座席に陣取る。16時50分発だが大山寺への最終便である。途中、昔ながらの格式ある家が並ぶ佐摩の集落を抜ける。この辺りは坊領道と呼ぶそうで、かつての大山寺への参詣道で、またその名前から察するにかつて大山寺が所領としていた一帯なのかなと思う。

集落を抜けるとバスもスピードを上げ、周囲は大山の自然林に入る。外も暗くなってきた。そんな中17時20分、大山寺のバス停に到着。霧というか靄の中で、視界が効かない。最初は眼鏡が曇ったのかと思ったが、眼鏡を取っても同じである。そんな中、案内板を頼りに車道を歩く。ただ通りの店は軒並みシャッターを下ろしていて、外を歩く人もいない。一瞬、この先大丈夫かなと思ってしまう。

5分ほどで着いたのが、この日の宿である「ホテル大山しろがね」。幸い、駐車場には何台もクルマが停まっていて、ちょうど家族連れもチェックインするところ。ようやくホッとする。まずは翌日14日の参詣に向けて、ゆっくりした一夜を過ごすことにする・・・。

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第18回中国観音霊場めぐり~みまさかスローライフの道へ

2021年03月19日 | 中国観音霊場

広島から米子に向かうのに、降り立ったのは岡山。別にここから特急「やくも」に乗るわけではなく、向かったのは津山線ホーム。実はこの先、津山線~因美線~山陰線という大回りルートを取る。

そこに停まっているのは、津山線9時47分発の快速「ことぶき」。そして運用されるのはキハ47の「ノスタルジー」塗装である。内装を「ノスタルジー」に仕立てた車両は数年前から走っているが、その時から塗装が変わっている。以前は赤色の車体の窓の部分がクリーム色だったのが、今いるのはクリーム色の車体の窓の部分が赤色という、国鉄の急行色である。2020年の2月に塗色が変更されたそうで、かつて津山線~因美線を走っていた急行「砂丘」をイメージさせる。

また、「ノスタルジー」要素としては、かつての青色のシート、栓抜きのあるテーブル、「JNR」の扇風機(もっとも、据付型の冷房装置もついているが)といったところ。以前は「みまさかスローライフ列車」に代表されるように、岡山県内を中心に、昔懐かしい列車、そして田舎の風景を楽しむためのイベント列車としても運行されていたが、現在はコロナ禍の影響で中止となっている。まあもっとも、イベント専用にしてしまうのではなく、こうして定期列車として運転したほうが車両も活きるのではないかと思う。

青春18の客もちらほら見かけるが、地元の人のほうが多い様子で出発。座席も程よく埋まったが、次の法界院で結構下車する。岡山駅からバスも通っているところだが、所要時間でいえば津山線のほうが有利だ。法界院はこの中国観音霊場めぐりで二度参りした札所で、この先には特別霊場の誕生寺もある。岡山から鳥取を経て米子に向かうことで、先に列車等での中国一周ルートは完成する。

旭川沿い、そして田園が広がる中を快走する。快速のためスピードを感じるのはよいが、途中で列車の行き違いによる数分停車というのがないので、途中の駅で国鉄急行色の姿を見ることができない。まあ、これは乗り鉄では仕方のないことだ。

1時間あまりで津山に到着。津山の駅ホームじたいも昔ながらの風情が残っており、この塗色も駅によく似合っている。いったん改札を出るために連絡階段を下りるが、姫新線、津山線、因美線に今も残る古い駅舎の写真パネルもあり、見る人を楽しませる。またホームの端から扇形の機関庫も見える。今回は時間の都合で「津山まなびの鉄道館」は訪ねないが、またいずれ、姫新線あたりの乗車と組み合わせて来たいものだ。

次に乗るのは11時35分発の因美線の智頭行き。この前の列車は6時台、次の列車は14時台と、これも閑散とした区間である。鳥取と岡山、関西を結ぶ鉄道は智頭急行が中心となっており、岡山~鳥取を結ぶ特急「いなば」も、わざわざ兵庫県の上郡まで行った後で、智頭急行を走る。そのため、因美線の東津山から智頭までの区間は県境越えもあって閑散としている。まあ、その辺りが「スローライフ列車」の舞台にもなったところだが、あの手の列車は乗客も多く、また途中停車駅のイベントもごった返して、「スロー」ではなく「ラッシュ」だった印象もある・・。

駅内のコンビニで昼食を仕入れて乗車。早めにホームに入っていたので、単行のキハ120のボックス席に陣取ることができた。他にはロングシートも少し埋まる程度だったが、ちょうど隣のホームに新見からの姫新線の列車がやって来た。こちらからの乗り継ぎ客が意外に多く、ロングシートもほぼ埋まるくらいの乗車で出発。

市街地に近い東津山まで走り、ここから因美線に入る。沿線には菜の花や梅などが見ごろで、穏やかな景色の中を走る。ただその中でもやはり出てくるのは中国山地でおなじみの時速25キロの標識。文字通りのスロー列車となる。

美作滝尾に到着。映画「男はつらいよ」にも登場する木造駅舎で知られる。1928年の開業当時の建物がそのまま使われている。因美線の智頭までの区間はこうした昔ながらの建物が残る駅が多く、それもスローライフ列車の演出にも一役買っている。

この先も時速25キロ区間を挟みながらゆるゆると進み、同じく木造駅舎が残る知和、美作河井といったところを過ぎる。そろそろ鳥取県が近いが、ここに来て窓に雨粒がつくようになった。この日(3月13日)の天気は山陰側は曇り、雨の予報。どうやらその境界に差しかかったようだ。

県境の物見トンネルを通過。3000メートル余りの長さで、因美線の中では最難関のところ。現在のキハ120は勾配そのものはそれほど苦にはしないので、トンネルの中は快調に飛ばしていく。

鳥取県に入ると雨の景色となり、外も少し寒そうだ。広島では暑いだろうなと思いつつ、この先大山まで行くのだからと雨避けも含めて多少厚着をしてきたのだが、鳥取県に入ると服装の選択ははずれではなかったなと思う。

12時43分、智頭に到着。列車の乗り継ぎはまだまだ続くが、それはまた次の記事にて・・・。

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