伊予西条のアサヒビール園でビールとジンギスカンをいただいた後、午後の列車で予讃線からぐるりと広島に戻る。今回も瀬戸内海を挟んだ循環ルートなので、「行き」の区間は限りなく長いのだが。
15時30分発の多度津行き。ホームに停まっている車両に乗り込むとこれは松山行きとのアナウンスがある。同じホームの前と後ろで接するように2つの列車が停まっている。多度津行きは前の1両、松山行きは後の2両。松山行きは伊予西条で40分ほど停車しており、ひょっとしたら3両で来た列車をここで切り離して、1両を多度津行きで折り返すのかもしれない。
そこそこの乗客もあったが、多くは新居浜で下車。新居浜は四国八十八ヶ所めぐりでは列車や高速バスで通過しただけだが、別子銅山関連のスポットもあり、また訪ねてみたいところである。
この後は伊予三島、川之江と紙工業のさかんなところを過ぎる。ここまでが愛媛県だが、川之江から伊予西条、今治、松山、宇和島を経て、予土線の県境にある真土まで鈍行だけで移動しようとすると結構な時間がかかる。まあ、ローカル列車が不便でどこかの駅で待ち時間が長くなるからだが、川之江に宿泊して始発で出発する場合のみトントンと進むようだ。それでも、川之江6時19分発の伊予西条行きに乗り、伊予西条、松山、宇和島と乗り継いで真土には15時08分着。途中で10分や20分停車する駅があるとはいえ、9時間近くの大旅行である。そして、この辺りの鈍行となるとトイレなし車両が続くことも頭に入れておく必要がある。
海が近づき、香川県に入って箕浦に到着。予想通り雲が広がり、雨が降りそうな感じである。
観音寺から先は四国八十八ヶ所めぐりの札所が集中するところである。観音寺近辺を回った時はレンタカーも活用して、また宿泊した観音寺駅前のホテルでは夏場ということで夕食は屋上のビアガーデン。夕陽を見た後、NPBのオールスター戦中継を大画面で楽しんだ。
ただ、その次に訪ねた第71番から第77番までの「讃岐7ヶ所参り」シリーズは、猛暑の中で四国アイランドリーグ観戦も含めて丸亀をベースキャンプにしたが、7ヶ所参りで身体が参ってしまった。熱中症のような症状もあったが、それも四国の思い出である。
こう書くと、また四国八十八ヶ所めぐりに出るのかと思われるかもしれないが、現時点ではその予定はない。その一方で、札所めぐりについては最近自分ではあちこちの札所に着手して「多重債務者」になっているようで、また近々、それについて触れることにする。
17時15分、多度津到着。同じホームの向かい側に、JR四国の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」が停車している。つい先ほど、大歩危から到着したばかりのようだ。実物を見るのは初めてで、せめて外側だけでも眺める。
次の列車まで時間があるので、一度改札の外に出る。四国鉄道発祥の地、少林寺拳法発祥の地である。
この後は17時39分発高松行きで坂出に向かい、ちょうど同じホームにやって来た17時54分発のマリンライナーで四国を後にする。天気が良ければ夕陽を見ることができる時間帯だろうが、あいにくの雲である。
四国から本州に渡った時点で、青春18の移動としては折り返しである。ただ今回本州側は暗い中。岡山で糸崎行きに乗り継ぎ、糸崎では1分接続で岩国行きに乗り継ぐ。このまま淡々と進むので、車内で少しずつ「積ん読」の精算を行う。半年前に広島に来てからというもの、通勤がクルマになり、以前のように往復の時間に読書する習慣がなくなった。書店に通うペースもぐっと減ったように思う。
まあ、いろいろ思うことはあるのだが、青春18はまだ2回残っている。これまで北、東、南と来たので、次は西を目指すことに・・・。