陸羽西線から酒田に出る。酒田の街の中心は駅から離れていて、かつて来た際も駅前が寂しかったのを覚えている。
そして今回降り立つと、駅前には大きな空間ができていた。再開発事業として「酒田コミュニケーションポート」事業というのがあり、2021年度を目処に「光の湊」というホテル、ライブラリーセンター、観光情報センター、マンションなどの複合施設を建設するとのことだ。「酒田人×来酒人」というのがコンセプトだそうだが、「来酒人」というのが「酒田に来る人」とわかっていても、「酒を飲みに来る人」と訳してしまう。最上川の酒がまだ腹に残っているのかな。
次に乗るのは16時10分発の快速「きらきらうえつ」新潟行きである。これで一気に新潟まで下る。「きらきらうえつ」はこれまでも乗ったことがあり、日本海の景色、そして車内のラウンジでは新潟の地酒を味わうことができる列車として思い出ある列車の一つである。途中の日本海を目の前にした桑川駅で降りて民宿に泊まり、海の幸を堪能したこともある。
ただ冬に乗るのは初めて。そしておそらく今回で乗り納めとなるだろう。というのも、2019年の10月に新潟~酒田間に新型観光列車「海里」というのが走るそうで、いわば「きらきらうえつ」の後継列車である。
まあ、観光列車のリニューアルといえばそれだけの話なのだが、この列車の引退となると世の「その筋の人たち」は心中穏やかではないようである。それは「きらきらうえつ」の車両が国鉄特急型車両として本州、九州各地で活躍した485系というもので、この数年で次々に引退していったものだからだ(関西では大阪と北陸を結ぶ「雷鳥」で使われていた)。485系は特急としての役割を終えても「きらきらうえつ」のような観光列車に改造されていくつか残っていたが、とうとうその役割も終えようとしている。
仮に9月末に引退するとしても5月の連休や夏休みの期間に乗ることは可能なのだが、私がその時季にこの地方に来る可能性も低いと思うので(決して新潟や山形がダメということではなく、今度は別の地方を回りたいと思うだろうから)、私としては「乗り納め」になるなと思う。
この日でも多くの鉄道ファンがお目当てにしているようで、入線すると一斉にカメラが向けられる。
「きらきらうえつ」は全席指定。指定券はJR西日本のみどりの券売機で押さえていた。乗車区間と時間帯を入力すれば購入でき、おまけに座席指定も可能。慣れない区間の列車の座席を窓口の係員に注文するよりスムーズだ。早い時期に購入したが、それでも海側窓側のA席はほぼ満席だった。乗ってみると、車両の端で反対側は隣の車両との通路になっている席だった。列車を待つ間に酒田駅の券売機を操作して空席状況を見ると、列車全体では空席も目立つが、海側窓側のA席だけは完売だった。
定刻に発車。それでも車内のいろいろを撮影する人もいるし、何だか落ち着かない。かくいう私も2号車のラウンジカーに行き、新潟限定のサッポロ「風味爽快ニシテ」など買い求める。「きらきらうえつ」のグッズをあれこれ買う人もいる。
先ほど通り過ぎた余目を過ぎ、鶴岡からは結構乗客があった。
まだ車窓に日本海が見えないが、わかっていても気を揉む。時刻はまだ17時前だが、この季節である。もう辺りは暗くなりつつあり、果たしてこの旅初めての海を見ることができるだろうか。「きらきらうえつ」は夏などは新潟県に入った桑川駅に長時間停車して、駅から間近に見える日本海に沈む夕日を見せてくれるのだが、とてもそこまで持ちそうにない。それでも海は見たい。
三瀬を過ぎたところ、漁村の向こうに暗い色の海がちらりと見えた。ようやく日本海にたどり着いた。その後はトンネルと海岸がしばらく交互に現れる。写真となると手持ちのカメラでははっきり映らないが、冬の景色を目に焼き付けることはできる。白い波が岩場に打ちつけるが、冬ということを考えればまだ穏やかなほうなのかなと思う。
あつみ温泉、鼠ヶ関と山形県の端の駅に停まる中で、そともすっかり暗くなった。それでも波の先の白いところだけは辛うじて見えるかなという感じである。新潟県に入り、昼間なら良い景色が広がる笹川流れもそんな感じで過ぎて行った。
後は「きらきらうえつ」、いや485系の走りを体感するだけだ。485系そのものは特急型車両ということでそれほどたくさん乗ったわけではないが、国鉄~JRにかけて一時代を築いた形式である。新年早々に「平成最後」と言うのも妙なものだが、これも時代の移り変わりなのだなと月並みながら思うところである。
新潟県に入ると雪はすっかりなくなり、外は雨粒である。大規模な改装中の新潟駅に到着、同じレベルに新幹線のホームがある。ともかくここで「きらきらうえつ」、ひいては485系ともお別れである。これまで長年お疲れさまでした・・・。
さて旅は新潟駅前から大阪までの夜行バスで終わる。バスの時間まで3時間余り、その 間の「元日の夜」をどう過ごすか・・・。
そして今回降り立つと、駅前には大きな空間ができていた。再開発事業として「酒田コミュニケーションポート」事業というのがあり、2021年度を目処に「光の湊」というホテル、ライブラリーセンター、観光情報センター、マンションなどの複合施設を建設するとのことだ。「酒田人×来酒人」というのがコンセプトだそうだが、「来酒人」というのが「酒田に来る人」とわかっていても、「酒を飲みに来る人」と訳してしまう。最上川の酒がまだ腹に残っているのかな。
次に乗るのは16時10分発の快速「きらきらうえつ」新潟行きである。これで一気に新潟まで下る。「きらきらうえつ」はこれまでも乗ったことがあり、日本海の景色、そして車内のラウンジでは新潟の地酒を味わうことができる列車として思い出ある列車の一つである。途中の日本海を目の前にした桑川駅で降りて民宿に泊まり、海の幸を堪能したこともある。
ただ冬に乗るのは初めて。そしておそらく今回で乗り納めとなるだろう。というのも、2019年の10月に新潟~酒田間に新型観光列車「海里」というのが走るそうで、いわば「きらきらうえつ」の後継列車である。
まあ、観光列車のリニューアルといえばそれだけの話なのだが、この列車の引退となると世の「その筋の人たち」は心中穏やかではないようである。それは「きらきらうえつ」の車両が国鉄特急型車両として本州、九州各地で活躍した485系というもので、この数年で次々に引退していったものだからだ(関西では大阪と北陸を結ぶ「雷鳥」で使われていた)。485系は特急としての役割を終えても「きらきらうえつ」のような観光列車に改造されていくつか残っていたが、とうとうその役割も終えようとしている。
仮に9月末に引退するとしても5月の連休や夏休みの期間に乗ることは可能なのだが、私がその時季にこの地方に来る可能性も低いと思うので(決して新潟や山形がダメということではなく、今度は別の地方を回りたいと思うだろうから)、私としては「乗り納め」になるなと思う。
この日でも多くの鉄道ファンがお目当てにしているようで、入線すると一斉にカメラが向けられる。
「きらきらうえつ」は全席指定。指定券はJR西日本のみどりの券売機で押さえていた。乗車区間と時間帯を入力すれば購入でき、おまけに座席指定も可能。慣れない区間の列車の座席を窓口の係員に注文するよりスムーズだ。早い時期に購入したが、それでも海側窓側のA席はほぼ満席だった。乗ってみると、車両の端で反対側は隣の車両との通路になっている席だった。列車を待つ間に酒田駅の券売機を操作して空席状況を見ると、列車全体では空席も目立つが、海側窓側のA席だけは完売だった。
定刻に発車。それでも車内のいろいろを撮影する人もいるし、何だか落ち着かない。かくいう私も2号車のラウンジカーに行き、新潟限定のサッポロ「風味爽快ニシテ」など買い求める。「きらきらうえつ」のグッズをあれこれ買う人もいる。
先ほど通り過ぎた余目を過ぎ、鶴岡からは結構乗客があった。
まだ車窓に日本海が見えないが、わかっていても気を揉む。時刻はまだ17時前だが、この季節である。もう辺りは暗くなりつつあり、果たしてこの旅初めての海を見ることができるだろうか。「きらきらうえつ」は夏などは新潟県に入った桑川駅に長時間停車して、駅から間近に見える日本海に沈む夕日を見せてくれるのだが、とてもそこまで持ちそうにない。それでも海は見たい。
三瀬を過ぎたところ、漁村の向こうに暗い色の海がちらりと見えた。ようやく日本海にたどり着いた。その後はトンネルと海岸がしばらく交互に現れる。写真となると手持ちのカメラでははっきり映らないが、冬の景色を目に焼き付けることはできる。白い波が岩場に打ちつけるが、冬ということを考えればまだ穏やかなほうなのかなと思う。
あつみ温泉、鼠ヶ関と山形県の端の駅に停まる中で、そともすっかり暗くなった。それでも波の先の白いところだけは辛うじて見えるかなという感じである。新潟県に入り、昼間なら良い景色が広がる笹川流れもそんな感じで過ぎて行った。
後は「きらきらうえつ」、いや485系の走りを体感するだけだ。485系そのものは特急型車両ということでそれほどたくさん乗ったわけではないが、国鉄~JRにかけて一時代を築いた形式である。新年早々に「平成最後」と言うのも妙なものだが、これも時代の移り変わりなのだなと月並みながら思うところである。
新潟県に入ると雪はすっかりなくなり、外は雨粒である。大規模な改装中の新潟駅に到着、同じレベルに新幹線のホームがある。ともかくここで「きらきらうえつ」、ひいては485系ともお別れである。これまで長年お疲れさまでした・・・。
さて旅は新潟駅前から大阪までの夜行バスで終わる。バスの時間まで3時間余り、その 間の「元日の夜」をどう過ごすか・・・。