まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

現代JR版「白河の関」

2019年01月06日 | 旅行記B・東北
宇都宮から東北線を北上する。まず乗るのは宇都宮12時29分発の黒磯行き。通勤型車両の205系4両編成が使われている。発車前に東京方面から2本の列車が相次いで到着し、そこからの乗り継ぎ客も多く立ち客も出るほどだ。黒磯から先の列車にはこの次の宇都宮発の列車でも乗り継ぐことができるのだが、青春18きっぷの乗り継ぎ客が多く来るだろうから先に並んでおこうというものである。

午前中と同じく快晴が続く。先ほど餃子が腹に収まったし、車内も適度に暖かいし、そろそろ夜行バス明けの反動も来るころだしということでウトウトする。黒磯まで乗り通す客が多いのかと思ったが、手前の西那須野、那須塩原で下車する人も多い。那須高原にレジャーに行くらしい人も見られる。またこの辺りになると空模様が変わり、雪も舞うようになった。

13時19分、黒磯到着。直流電化と交流電化の変わるところで鉄道としては要衝だが、駅舎の上を新幹線の高架が走っていて、そちらはあっけなく通過していく。次の14時19分発の新白河行きまで時間があるので一度外に出るが、結構な雪である。別にここから出てどこかに行くわけでもないのでまた駅に戻り、早いうちに新白河行きのホームに移動する。ホームや待合スペースにそこそこの数の乗客が待機している。

そろそろ時間となり、新白河行きの折り返し列車が入ってきた。てっきり、東北線を走る701系という交流電車が入ってくるのかと思いきや、常磐線で乗ったことのあるブルーのラインのE531系が入ってきた。これはどういうことか。車内にも茨城の常陽銀行や牛久の神社の広告がある。何でだろうと思ううち、一本後の宇都宮行きの列車も到着したようで乗り継ぎ客が多く乗って来る。

今回久しぶりに東北線に乗るわけだが、黒磯からの列車は郡山行き、中には福島まで行くものだったが、旅程を立てるために時刻表を見ていると、列車が全て新白河行きになっている。また列車番号を見ると気動車を示す「D」の文字も見られる。これはどういうことだろうか。ネットで調べてみると、2017年10月のダイヤ改正からのことのようで、直流・交流電化が関係しているという。

かつては黒磯駅の構内に直流・交流の切り替えポイントがあったが、これを新白河寄りに移す工事が行われた。これにより黒磯駅の設備を簡素化するとともに、東京側の信号システムを黒磯まで入れることができるようになったという。では列車はどうなるのか。東北線の列車は701系交流電車が使われていたが、切り替えポイントが駅の外になったために入ることができなくなった。その代わり、常磐線のE531系(直流・交流両方に対応)や気動車が使われるようになった。気動車が走るのは電力に関係がないからで、おそらく利用客の多い時間帯で使い分けているのだろう。今回乗った14時19分発の新白河行きは時刻表では気動車だが、青春18で乗客が多いことを見越してか、E531系の5両編成となっていた。また車掌が「新白河で乗り継ぎのお客様は、前の車両のほうが便利だと思います」と放送している。これもどういうことだろうか。

ともかく新白河に向けて移動する。この先雪景色となる。まだ栃木県、年末寒波の影響はここまで来ているのかな。これから雪深いところまで行くわけだが、日常では見られない車窓風景に目を凝らす。

白坂で福島県に入り、黒磯から25分で新白河に到着した。次の郡山行きは3分の乗り継ぎで、同じホームの前方の列車に乗るようにと案内がある。それで前の車両に誘導していたわけか。

多くの乗客とともに移動するが、何と同じホームながら黒磯側、郡山側が車止めで完全に線路が分断されている。鈍行列車はそれぞれが新白河が「終着駅」の扱いとなっている(もう1本のホームの線路は貨物列車のためにもちろんつながっているが)。うーん、これは単に列車ダイヤだけのことではなく、物理的に関所を設けたのかなと見えた。まさに現代のJRにおける「白河の関」である。

ここから東北に入るという新たな気持ち?で、乗り継ぎの郡山行きに乗る。701系のロングシート4両編成で、立ち客も出るところ。次の白河では駅のすぐ近くに白河城の復元天守が見える。ロングシートのため向かい側の車窓を見るしかないのだが、白河を過ぎると少しずつ雪の量も少なくなった。

15時21分、郡山に到着すると雪の姿は全くなくなっていた。時刻表では次の福島行きは15時42分発とあるが、郡山までの車両がそのまま使われるとの案内がある。一度慌てて下車したがすぐにまた乗ってきた客もいる。もっとも郡山が目的地という乗客も結構いるようで車内も空席が出たが、ここから福島に向かう客も次々と乗ってくる。発車時刻にはまた立ち客が出るほどになった。

岳温泉の玄関駅である二本松を過ぎ、福島が近づく。と、そこまでは雪の気配が全くなかったにも関わらず、福島駅の近くになると急に積雪が目立つようになった。これもまた急な車窓の変化である。地形的に郡山が開けていて福島が奥まった感じだからだろうか。16時28分、福島に到着。今夜はここで宿泊である。

ホテルのある西口は新幹線の乗車口があるが、何やら騒々しい。東北・山形新幹線のダイヤが大幅に乱れているようだ。原因は10時前に発生した車両トラブルで、現在も1時間半程度遅れている模様。夜のニュースでは、この影響でただでさえ帰省ラッシュで混雑する東京駅がさらに混乱していた様子を伝えていた。

ただ私がそれより気になったのは、大雪のために山形線(奥羽線)の庭坂~米沢が終日運転見合わせ(ただし、山形新幹線は運転)というもの。翌31日に山形に向かうのにこのルートを通るのだが、運転見合わせが翌日も続くようならルートを変える必要がある。追加料金で山形新幹線に乗るか、あるいは仙台に出て仙山線に乗るか。まあそこは翌朝の状況次第として、駅前のホテルにチェックインする・・・。
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