まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

平成最後の年越しの夜は「酒場放浪記」とともに・・・

2019年01月13日 | 旅行記B・東北
大晦日の夕方、山形駅に戻る。この日の宿泊は駅から徒歩7分、十日町にあるホテルキャッスル。駅前のホテルも空いているのだが、山形市内では老舗の部類に入るホテルで、部屋が広いのと朝食が立派なのとで決めた。駅からキャリーバッグを転がしたが、歩道も積雪や凍結があるし、横断歩道の角には除雪した雪が積まれていて、それを乗り越えるところもあった。沿道の郷土料理を謳う飲食店も開いていたが、これまでの道中でもういろんな食材も買っているし、それらをいただきながら部屋でゆっくり過ごすことにする。

ホテルキャッスルはブライダルにも力を入れていたり、宴会場も持つ。宴会場のご一行様に山形県内の終着駅を回るイベントの懇親会とあり、どんなものか気になる。

部屋はセミダブルベッドや壁側備え付けのデスクの他に、独立した椅子とミニテーブルがある。ゆっくり食事が取れそうだ。

今回キャッスルホテルに決めた要素の一つに、地酒1本サービスというのがあった。選んだのは男山酒造の爽快冷酒という普通酒。これに、途中の米沢駅、寒河江の羽前高松駅前のマックスバリュで買ったそれぞれの地酒が並ぶ。写真左から男山酒造の「爽快冷酒」(地酒のサービス分)、寒河江の月山酒造の純米吟醸「銀嶺月山 雪中熟成」、置賜の樽平酒造の特別純米酒「住吉」、寒河江の千代寿虎屋の本醸造「千代壽」。これに普通のビールもあるから、酒どころでの年越しに相応しいラインナップである。

これらの相手は順番に。まずは山形を代表する郷土料理である芋煮汁。駅の土産物コーナーではパックに入った一人用サイズが売られていて、電子レンジで温めるものだがそのままでも食べられるようになっている。温かいほうが当然美味しいのだろうが、これだと新幹線の車中のつまみにもいけるのではないか。

続いてはこれも山形ではスタンダードの玉こんにゃく。羽前高松のマックスバリュで120円で売っていた。先ほどの芋煮汁の器に移していただく。これも温めれば美味いがそのままでも食べられるというやつである。山形でこんにゃくが多いのは山寺を開いた慈覚大師円仁が中国から持ち帰り、精進料理として広めたからとも言われていて、丸い形なのは食べやすいようにちぎって調理したことから来ているのだとか。

寒河江のそのままズバリ「サガエ納豆」は結局自宅まで持ち帰り、ご飯のお供にいただいた。粘りが強く、豆も大粒なのは昔ながらの納豆という感じだった。また納豆といえば米沢駅で買った「雪割納豆」もある。これは豆を二つに割って冬の間麹と塩に浸けて発酵させたもので、普通の納豆とは一味違う食品である。この記事を書いている時点ではまだいただいていないが、ご飯の友、酒のアテとして少しずつ味わうもののようだ。

さらに豆といえばこういう一品もマックスバリュで買った。数の子豆(豆入り数の子)という。正月用のお節料理や惣菜のコーナーに普通に並べられていたのだが、青豆と数の子を和えたものである。これも福島から山形にかけての郷土料理だという。芋煮や玉こんにゃくに比べれば知名度は低いと思うが、私としてはこの日に買い集めた食材の中で一番のヒットで、酒も進んだ。これは山形の居酒屋メニューにあるのかな?

食事については、米沢の有名駅弁である「牛肉どまんなか」。年越しそばはどん兵衛で済ませることにする。土産物コーナーの一品、スーパーの食材、駅弁という酒宴は、温泉旅館の豪華夕食と比べたら貧相かもしれないが、なかなかに面白いものだった。

その中でのテレビだが、大晦日の紅白、ダウンタウン、格闘技・・・別に観たいと思わない。適当にBSなどチャンネルを変えながら流していたのだが、番組表で目に止まったのが、「吉田類の酒場放浪記」の年越しスペシャル。

大晦日のうちは酒場放浪記のスペシャル版で、年跨ぎの瞬間は乾杯の映像が流れるというのだが、今回の放浪記のテーマが、何と西国三十三所という。札所を回り、その後でその地の居酒屋を楽しむ・・・私もそれなりにやっているアレやん。ただ、吉田類さんが回るとサマになってしまうのが、さすがプロの酒飲みである。

札所がいくつか紹介されるのだが、その中でびっくりしたのが、私の地元・藤井寺に来ているのである。

駅前での一言に始まり、西国第5番の葛井寺にお参りする。その後に入ったのが駅前の「谷酒店」。線路に面した表通りでは酒屋だが、筋を入ったところでは立ち飲み店を営んでいる。

この店での飲み比べや一品料理を味わい、店主家族とのやり取りがあり、最後は一句詠んで藤井寺を後にする一連の流れにうなった。

最後に詠んだ一句は、「幽か(かすか)なる 秘仏の光 葛枯れて」。いつ収録されたのかわからないが、これだけで年の最後にいい番組を観させてもらったと、一人盛り上がる・・・。

・・・2019年、明けましておめでとうございます。

年越しは吉田類さんの乾杯で・・とか言っていたにも関わらず、寝落ちではなくしっかりと布団に入って寝ていた。その分早起きして初詣に出かけようかとも思っていた。そして実際早く起きたのはいいとしても、いざ朝になると、朝食の後でもいいのではとズルズルした感じである。年明けのお屠蘇とか何とか言って昨夜開けなかった地酒の封を切ったりする。まあ、こうした年明けもいいのではないか。

6時半から朝食ということで1階レストランに向かう。入口で「明けましておめでとうございます」と係の人からお神酒をいただき、バイキング形式の朝食である。芋煮汁も玉こんにゃくも温かい状態で提供されるし、正月料理もあった(数の子豆はなかったが)。また卵料理は注文を受けて調理するとあり、オムレツ、目玉焼き、スクランブルエッグなどの別注文が相次いでいた。私は目玉焼きをいただき、山形米「つや姫」とのコラボを楽しむことができた。そろそろ外も明るくなってきた。

元日に山形から新潟に向かう経路は、奥羽線~陸羽西線~羽越線~白新線である。まず奥羽線で新庄に向かうのだが、当初よりもゆっくり出ることにして、まずは山形で初詣をしよう・・・。
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