まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

BCリーグ観戦記・滋賀対富山@甲賀市民(滋賀に住みます芸人の応援もむなしく、2018年後期も大丈夫かいな・・)

2018年06月26日 | プロ野球(独立リーグほか)
西国三十三所の31番・長命寺で滋賀ユナイテッドの必勝を願い、近江八幡から八日市と近江鉄道を乗り継ぎ、水口城南から甲賀市民スタジアムに到着する。6月24日の試合が後期のホーム初戦となるが、前期の初めのほうに同スタジアムに来た時と比べると周りも静かだし、受付周辺も閑散とした感じである。やはり成績が成績だからだろうか。

スタンドに入る。階段を上がったすぐのところ、三塁側スタンドの外野寄りの一角は私設応援団「近江豪勝連合」の面々が1ブロックまるまるを使って陣取っている。私はそれよりホーム寄りに座るからいいのだが、あの一角は他を寄せ付けない雰囲気がある。後から来た人も常連さんらしい方ばかり。グラウンドでの練習を見つつ、飲み食いしながら時間が過ぎるのを待つが客足は悪い。そんな中でも対戦相手の富山GRNサンダーバーズのファンらしい人が滋賀の応援団と挨拶を交わしながら一塁側に向かう。お互い「常連さん」なのだろう。

たかが年に2回目の私は常連さんでも何でもなく、一般のおっさんとしてグラウンドの練習を見る。ちょうど富山の練習中。今季から富山を率いるのは、かつてはヤクルトでスライダーを武器に活躍した伊藤智仁。また、野手コーチでノックバットを振るのは、富山OBでもある大士(永森)。

そんな中で滋賀の選手たちもアップを開始する。一際大きな声を出しているのが、チームの4番であり野手コーチも兼ねるベネズエラ出身のジョニー。昨年までは富山に在籍していたこともあり、あちらのファンからの声援にも日本語できちんと応えている。

試合前のイベント。この日は、吉本興業が全国47都道府県で展開する「住みます芸人」の滋賀県担当ということで、ファミリーレストランというコンビが登場。初めて聞く名前だが、滋賀県を舞台に地道に活動しているそうで、毎週土曜日昼にFM滋賀で放送の「GO UNITED!」という滋賀ユナイテッドの応援番組も持っているそうだ。大阪府民なのでオンエアを聴く機会はないのだが、そういう応援はプラスだろう。試合前、そして試合中にユナイテッドの選手に登場してもらってインタビューなど行い、何とかスタンドを盛り上げようとしていた。なおこの日のイベント司会や、場内放送はFM滋賀のベテランの女性DJが務めるということで、こちらもなかなかキレがあってよかった。ただ悲しいのはスタンドの反応が今一つ、全体に観客が少なくて・・・。

滋賀のメンバー紹介が一人ずつ行われ、好々爺という感じの松本匡史監督も登場する。前期あれだけボロボロだったのに、サングラスの向こうの表情は穏やかに見える。なお、当初は不在だった投手コーチには前期途中から元ロッテの成本年秀氏が就いている。

始球式もファミリーレストランの2人が務める。それぞれがマウンドに立って何かボケようとするが、お互いに「時間あらへんで!」ということでそれも不発。何か投げて、本人たちが勝手にガッツポーズを決めているが、スタンドからの拍手はまばら。お仕事なのはわかるが、もう少し何とかならないものかなと思う。

さて試合。滋賀の先発は193cmと長身の鈴木。富山先頭の河本の当たりは三塁線へ。抜ければ長打コースだがこれが三塁塁審に当たり内野に戻る。結果はシングルヒット。しかし次の榎本のところで鈴木が一塁牽制球でアウトにする。まずは0点でしのぐ。

一方の滋賀の攻撃。富山の先発はラミレス。上半身の力で強い球を投げるタイプに見える。先頭の湯井がこちらは三塁線を破る二塁打で出塁。続く山川のバントはフライになって失敗したが、3番・杉本がヒットで一死一・三塁とする。続く4番・ジョニーのところで杉本が盗塁を決めて二・三塁とチャンスを広げると、ジョニーも期待に応えてライトへのタイムリー。2人が生還して2対0とする。ここまでいい形で、これは長命寺のご利益が出るかなと期待する。

しかし、次の前本の当たりを富山のセンター・マクシーがスライディングキャッチすると、完全にセーフと思って飛び出して二塁まで行っていたジョニーが一塁に戻れず併殺となる。ジョニーは「捕っていない」という感じでアピールし、審判団も一度は集まるが判定はそのまま。あのくらいなら、スタンドから見ていてもわかる。これがケチのつき始めの判断ミスだったように感じる。

3回までは滋賀のほうが押す展開だった。鈴木が富山打線に対して2回、3回は三者凡退とする。滋賀の打線も2回は二死二塁、3回は二死満塁とチャンスを作るが、最後でそれぞれ次の打者が空振り三振に倒れる。ラミレスの投球がピンチに強いものだと言われればそれまでという感じである。

4回表、富山は2四球と1安打で一死満塁と逆転のチャンスを作る。迎えた5番・長尾のところでランナーが飛び出すが、滋賀の守備陣はこれに翻弄される。どこに投げてアウトにすればよいか判断ができず、結局オールセーフとなる。こんな守備をしていたのでは先がおぼつかない。そんな中で長尾に押し出しとなる死球を与え、2対1と詰め寄られる。ここは何とか後続を退けて追加点を許さなかったのがせめてもの救い。

続く5回表、富山は先頭の林崎のヒットを足掛かりとして、河本のタイムリーで1点挙げて2対2の同点とする。続く榎本もレフトへのタイムリーを放ち、3対2と逆転に成功する。

さらに6回表、富山は先頭の長尾が四球で出塁。この回から登板の高橋だが、続く金子のところでボークを取られ、その後2四球で二死満塁とされる。そこで先ほどと同じく河本のタイムリー、榎本のタイムリーで合計3点。6対2と引き離す。これで試合は完全に富山ペースになる。

滋賀の打線も何とか追いつこうとはするのだが、4回以降は富山の継投の前に早いカウントからあっさりと打ってしまうか、空振り三振ということでピタリと当たりが止まってしまう。一方で富山打線も7回以降も得点圏にランナーを進めるが得点できない。

そして9回裏、滋賀の応援団が必死で声援を送るも、富山の抑え・菅谷の前に無得点。結局6対2で富山の勝利。これで富山は後期開幕2連勝、一方の滋賀は後期開幕2連敗である。前期から通算すると滋賀の成績は5勝30敗1分で、その5勝にホームでの勝利はない。そんな有り様だが、試合後に観客を見送る滋賀の選手からそれほど悔しさのようなものが伝わってこないのはどういうことだろうか。どうせ勝たれへんさかい・・・という気持ちはないだろうか。

なおこの日の観客は192人(4月に観戦に来た時は361人だったから半減である)。日曜日の試合でこの入りでは、この先観客動員も大丈夫なのかと思う・・。

さて、列車の時間が合えば水口城南から貴生川まで近江鉄道に乗ろうかと思ったがタイミングが良くなく、そのまま貴生川駅まで歩く。やはり20分ほどかかった。こちらも草津線の草津行きが出たばかりで、次は17時06分発の京都行きとある。ただ、ホームで待つのも暑いし、乗り降り自由の「関西1DAYパス」を持っている。一旦柘植方面まで移動し、列車の中で涼んで行き違いとなるところで京都行きに乗り移ることにしよう。

ということで貴生川16時46分発の柘植行きに乗る。京都行きと行き違いになるのは甲賀駅だが、そこだと柘植行きの到着と同時に発車してしまうので、一つ前の寺庄で下車することにした。

ただここで待てよと。このまま柘植まで行って、関西線に乗り換えるとどうなるか。検索すると、17時05分に柘植に着いた後で、17時12分発の加茂行きに乗り換えることができる。後は加茂で大和路快速に乗り換えると19時すぎに天王寺に着く。貴生川から京都行きに乗り、途中で新快速に乗り換えて大阪を経由するのとそれほど時間が変わらない。ICカードだと柘植から加茂の区間に乗れないが、1DAYパスならではのルート。先ほど近江八幡から近江鉄道に乗ったのと合わせて、一筆書きのルートができ上がる。

これは面白いとしてそのまま柘植まで乗り続けた。ホームの「忍者、伊賀上野へは1番線へ」という乗り換え案内に忍者が登場する。やって来た気動車はキハ120の2両編成。いずれもオールロングシートで、それぞれの車両にポツポツと乗っている程度。混雑する新快速を避けてこうして移動するのも面白いものだ。山がちな区間だが、往年の幹線らしいゆったりした路線である。

伊賀上野を経由し、笠置では渓谷も見て加茂に到着。ここで18時07分発の大和路快速に乗り継ぐが、ホームの電光掲示板に「お知らせ」として、「芦屋駅での線路内人立ち入りのため、JR神戸線・京都線の列車に遅れや運休があります」との表示があった。もし貴生川から草津回りで帰路に着いていたら影響があったかどうか(このトラブルはそれほど大きな影響はなく、すぐに運転は再開された模様)。

さて、BCリーグ観戦だが夏に向けてどうするか。行ければせめて北陸方面にも行ってみたいところではあるが・・・。
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