8月6日・・・72回目の広島原爆の日である。年々、被爆者の高齢化、あるいは亡くなる方も年々いるということで、どのように語り継いで行くかがこれからの大きな課題の一つである。
そうした思いを持ちながらも、当日の私はといえば、青春18きっぷを手に東海道線から湖西線に乗り継いでいた。夏休みの最中ということもあり、早朝関西から北陸に向かおうという客で賑わっている。
この日はえちぜん鉄道の終点の三国で行われるBCリーグの福井ミラクルエレファンツ対滋賀ユナイテッド戦を観に行こうと予定していた。台風の進路は気になるが、関西、北陸方面には接近するとしてもまだ時間がある。台風よりも熱中症対策だ。もっとも、夕方まで三国で観戦となると、時間的に帰りは特急になるなと、あらかじめ特急の指定席を押さえる。青春18きっぷの効力を半減させることになるが、残りの枚数で吸収できるかと思う。三国の球場は以前に一度行ったことがあるが、外野席の後方に満開の桜景色が広がっていたのを覚えている。
・・・ということで福井、三国に向かう予定にしていたのだが、前日にリーグの情報を見て急に気が変わった。
三国から北、石川県に入った小松で、石川ミリオンスターズ対武蔵ヒートベアーズ戦がある。石川の試合もそうしょっちゅう観るわけではないし、おまけに対戦相手である東地区の武蔵にいたってはまだ観たことがないチームである。地区またぎの対戦が限られること、また小松での試合そのものも年に一度しかない。これは希少価値がある。時刻表を見ると鈍行でも福井から1時間足らずのところで、駅から球場も徒歩で15分。これだと、福井から三国に行くのとそれほど違いはない。
・・・ということで、福井、滋賀の両球団には申し訳ないが、福井まで行った後はそのまま金沢行きで小松まで行くことにする。気まぐれもいいところだ。
近江今津8時13分の福井行きに乗り継ぐ。わずかに2両ということもあり車内は立ち客も多く出る。敦賀では多少乗客が入れ替わるが、多くは福井まで行く。さらに金沢まで行く客も多いだろうか(金沢から先の第3セクターぶつ切り区間では青春18きっぷは使えない)。
北陸トンネルを越えて越前の国に入ると旅に出た気分が高まる。先般丹南での観戦に訪れた武生や、めがねで有名な鯖江を過ぎて9時46分に福井に到着。福井といえば前日内閣改造を前に防衛大臣を辞職した稲田朋美氏の選挙区やのうと、この独立リーグ艦船紀行とは関係ないことを思い出す。どこかに出かけた時、街角に貼られている政治家のポスターを見て、それがニュースなどで見る大臣や議員だったら、「この人はここが選挙区なんや・・・」と感心するのも面白い。
小松に向かう次の金沢行きは10時15分発。朝食が早かったので、ホームにある今庄そばのスタンドに入る。駅そばの中でも全国的に人気が高い店の一つで、そばの素朴な味わいがよい。
改めて行き先を三国から小松に変更ということで、金沢行きに乗り込む。は4両ということもあり、乗客も先ほどよりはゆったりである。少しずつ新幹線の建設が進む福井を出て、九頭竜川を渡り、コシヒカリの本場の水田地帯を抜ける。今は猛暑の盛りだが、これがあと2ヶ月もすれば稲穂も熟し、新米が出てくる。そう思えば暑さももうしばらくの辛抱である(その「もうしばらく」が長いのだが・・・)。
芦原温泉を過ぎ、県境を越えて加賀の国に入る。粟津駅前のコマツでは工場解放のイベントをやっているようで、多くの人で賑わう様子がうかがえる。その次が目的地の小松である。11時09分に到着。
小松の駅に降り立つのは初めてである。これまでは列車やクルマで通過したとか、空港から金沢まで移動したくらいである。石川県第2の町ということもあるし、コマツの本拠地ともあって開けた感じである。
さて駅前にはこのような小さな像がある。ご存じ歌舞伎の「勧進帳」の弁慶と富樫(義経の姿は見えない)。この話の舞台とされるのが、ここから海に突き当たる安宅の関。以前にドライブでその関所跡とされる場所に行ったことがある。今回はそこまでの時間はないが、小松としては観光資源である。「歌舞伎のまち」というのをPRしたり、なぜか駅前の居酒屋の看板には「勧進帳」の錦絵がデザインされている。小松泊であれば、夜はこの店に入るのも面白いかも(「勧進帳」にちなんだサービスやイベントがあれば)。
・・・すっかり前置きが長くなったが、駅内のコンビニで飲食物を仕入れてこれから向かうのは「弁慶スタジアム」である。小松運動公園の末広野球場というのが正式名称だが、そこは愛称である。駅からも歩けるので、シャッター商店街のアーケードを抜ける。そこには「猫の御坊」という商店街の看板。何だろうか。
すぐのところに浄土真宗の正雲寺というのがあり、塀のところには石造りの招き猫が祀られている。御坊というのは浄土真宗の寺を指すのでわかるが、猫というのは、直接猫にまつわる伝説があるわけでもないようだ。「紀州の根来(ねごろ)」から猫になったとか、「神子(みこ)」から猫になったとか、果ては「住職が猫好きだった」とか・・。
そんな中、弁慶スタジアムに到着である。すでに開門しており、また一つ初めての球場に足を踏み入れる・・・。
そうした思いを持ちながらも、当日の私はといえば、青春18きっぷを手に東海道線から湖西線に乗り継いでいた。夏休みの最中ということもあり、早朝関西から北陸に向かおうという客で賑わっている。
この日はえちぜん鉄道の終点の三国で行われるBCリーグの福井ミラクルエレファンツ対滋賀ユナイテッド戦を観に行こうと予定していた。台風の進路は気になるが、関西、北陸方面には接近するとしてもまだ時間がある。台風よりも熱中症対策だ。もっとも、夕方まで三国で観戦となると、時間的に帰りは特急になるなと、あらかじめ特急の指定席を押さえる。青春18きっぷの効力を半減させることになるが、残りの枚数で吸収できるかと思う。三国の球場は以前に一度行ったことがあるが、外野席の後方に満開の桜景色が広がっていたのを覚えている。
・・・ということで福井、三国に向かう予定にしていたのだが、前日にリーグの情報を見て急に気が変わった。
三国から北、石川県に入った小松で、石川ミリオンスターズ対武蔵ヒートベアーズ戦がある。石川の試合もそうしょっちゅう観るわけではないし、おまけに対戦相手である東地区の武蔵にいたってはまだ観たことがないチームである。地区またぎの対戦が限られること、また小松での試合そのものも年に一度しかない。これは希少価値がある。時刻表を見ると鈍行でも福井から1時間足らずのところで、駅から球場も徒歩で15分。これだと、福井から三国に行くのとそれほど違いはない。
・・・ということで、福井、滋賀の両球団には申し訳ないが、福井まで行った後はそのまま金沢行きで小松まで行くことにする。気まぐれもいいところだ。
近江今津8時13分の福井行きに乗り継ぐ。わずかに2両ということもあり車内は立ち客も多く出る。敦賀では多少乗客が入れ替わるが、多くは福井まで行く。さらに金沢まで行く客も多いだろうか(金沢から先の第3セクターぶつ切り区間では青春18きっぷは使えない)。
北陸トンネルを越えて越前の国に入ると旅に出た気分が高まる。先般丹南での観戦に訪れた武生や、めがねで有名な鯖江を過ぎて9時46分に福井に到着。福井といえば前日内閣改造を前に防衛大臣を辞職した稲田朋美氏の選挙区やのうと、この独立リーグ艦船紀行とは関係ないことを思い出す。どこかに出かけた時、街角に貼られている政治家のポスターを見て、それがニュースなどで見る大臣や議員だったら、「この人はここが選挙区なんや・・・」と感心するのも面白い。
小松に向かう次の金沢行きは10時15分発。朝食が早かったので、ホームにある今庄そばのスタンドに入る。駅そばの中でも全国的に人気が高い店の一つで、そばの素朴な味わいがよい。
改めて行き先を三国から小松に変更ということで、金沢行きに乗り込む。は4両ということもあり、乗客も先ほどよりはゆったりである。少しずつ新幹線の建設が進む福井を出て、九頭竜川を渡り、コシヒカリの本場の水田地帯を抜ける。今は猛暑の盛りだが、これがあと2ヶ月もすれば稲穂も熟し、新米が出てくる。そう思えば暑さももうしばらくの辛抱である(その「もうしばらく」が長いのだが・・・)。
芦原温泉を過ぎ、県境を越えて加賀の国に入る。粟津駅前のコマツでは工場解放のイベントをやっているようで、多くの人で賑わう様子がうかがえる。その次が目的地の小松である。11時09分に到着。
小松の駅に降り立つのは初めてである。これまでは列車やクルマで通過したとか、空港から金沢まで移動したくらいである。石川県第2の町ということもあるし、コマツの本拠地ともあって開けた感じである。
さて駅前にはこのような小さな像がある。ご存じ歌舞伎の「勧進帳」の弁慶と富樫(義経の姿は見えない)。この話の舞台とされるのが、ここから海に突き当たる安宅の関。以前にドライブでその関所跡とされる場所に行ったことがある。今回はそこまでの時間はないが、小松としては観光資源である。「歌舞伎のまち」というのをPRしたり、なぜか駅前の居酒屋の看板には「勧進帳」の錦絵がデザインされている。小松泊であれば、夜はこの店に入るのも面白いかも(「勧進帳」にちなんだサービスやイベントがあれば)。
・・・すっかり前置きが長くなったが、駅内のコンビニで飲食物を仕入れてこれから向かうのは「弁慶スタジアム」である。小松運動公園の末広野球場というのが正式名称だが、そこは愛称である。駅からも歩けるので、シャッター商店街のアーケードを抜ける。そこには「猫の御坊」という商店街の看板。何だろうか。
すぐのところに浄土真宗の正雲寺というのがあり、塀のところには石造りの招き猫が祀られている。御坊というのは浄土真宗の寺を指すのでわかるが、猫というのは、直接猫にまつわる伝説があるわけでもないようだ。「紀州の根来(ねごろ)」から猫になったとか、「神子(みこ)」から猫になったとか、果ては「住職が猫好きだった」とか・・。
そんな中、弁慶スタジアムに到着である。すでに開門しており、また一つ初めての球場に足を踏み入れる・・・。