まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第26番「一乗寺」~西国三十三ヶ所巡り・10(北条鉄道から西脇市)

2014年12月10日 | 西国三十三所
法華口駅に戻り、駅の扉を開けると暖かかった。ストーブが焚かれている。

法華口駅の「駅のパン屋」として知られる「モン・ファボリ」が開店中である。1912年に開業した法華口の駅舎は当時の木造の建物が残るが、赤字ローカル線としていつしか荒れ果て、以前は待合室のスペースも自転車置場と化していたそうだ。それが2012年に内装をリニューアルしてパン屋が開業。乗車券等の販売は行わないが、「ボランティア駅長」として地域活性化に一役買っている。帰宅後にかつての法華口駅の写真と見比べてみたが、まさに劇的ビフォー・アフターである。

こちらのパンは米粉を使っているのが売りで、種類も結構ある。昼食として買い求め、待合室でいただく。もちっとした感じがよろしい。待合室で食事するのも、どこかの家のリビングにお邪魔しているようにも感じる。駅舎がパン屋という話題性に加えて、パンそのものの味も評判ということで、クルマで駅に乗り付けて買いに来る客が次々にやって来る。取り置き依頼の電話もかかっていた。

駅舎だけでなくトイレもリニューアルされている。駅舎の壁にはリニューアルに協賛いただいたとして企業や個人名を記したレリーフがある。先ほど歩いてきた中で見覚えのある店の名前や、一乗寺の名前もある。今回は時間の関係で粟生~法華口の往復のみで全部を見ることはできないが、北条鉄道の駅ではこうした地元の人たちの協賛により駅舎やトイレのリニューアルが行われたり、ボランティア駅長もいる。終点の北条町には子ザルの駅長がいたり、法華口の隣の播磨下里は住職のボランティア駅長がいる。鉄道ファンが高じて駅舎を寺院として利用するようになり、月2回ほど読経や清掃活動、そしてやって来た人たちとの鉄道談義を含むフリートークや悩み相談会のイベントを開いている。寺としてご朱印も押すとか。開いている日は北条鉄道のブログで知らされるが、残念ながらこの日は該当していなかった。このように経営は厳しいながらも北条鉄道としては路線を守り、活性化させようという動きが盛んである。

粟生行の列車に乗る。通常は1両での運転だが、後ろにもう1両繋がれている。「サンタ列車」というもので、事前予約制で北条町から粟生までを往復するイベント車両である。一般車両との通り抜けもできないので中の様子はよくわからないが、サンタクロースの衣装を来たスタッフが子ども向けに何かやっている。駅舎のイルミネーションとともに、北条鉄道の冬の定番のようである。

粟生に到着。ここからは加古川線で一旦西脇市まで北上する。103系をトイレつき、ワンマン運転仕様にした車両である。加古川線の利便性が向上したためか、駅の周りには新しい住宅も目立つ。

西脇市に到着。ここからはかつて分岐していた鍛冶屋線の廃線跡を歩くことにする・・・・。
コメント