まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

こういう形での復興支援『ここから始まる』

2011年05月30日 | ブログ

東日本大震災の発生が3月11日。まだ最近のことにも思えるが、一方でもう結構前の出来事かなと思ったりもする。ただ「結構前の出来事」と思っていること自体、自分には当事者意識というものがないのかと、これは自戒しなければならないな。

東北新幹線も開通して、東北への道は元に戻ったかのように見える。ただしかし、津波で被害を受けた路線はまだ復旧の目処すら立っておらず、まだ体力のあるJR東日本はともかく、三陸鉄道やひたちなか海浜鉄道は、果たしてこの後で元通りに列車が走ることがあるのか、正直難しいところではないかと思う。

私もこれらの鉄道に乗車したことがあり、三陸の風光明媚な海岸線、宮古や那珂湊の海の幸、阿字ヶ浦の温泉、気動車の匂い・・・など思い出されることがある。残念ながら今はそこに行くすべもないし、被災地のために何か活動をしているわけではない。一時は「東北復興のために」とまめに募金などしたり、東北料理の店に行くなどして東北を意識していたこともあったが、いつしかその気持ちも薄くなってきたなと。

そんな中、そのような気持ちに喝を入れるかのように一冊の写真集が出版されるのを目にとめた。

『ここから始まる』(広田泉著、有限会社ホームキュービック)

Bookhyoushis_3 広田泉さんは鉄道写真家。この人の名前はとくとみさんのブログで知り、昨年東京に旅行した際にはこの人や「七鉄の会」のメンバーたちの作品を集めた写真展を見たこともあるが、鉄道の車両そのものというよりは、鉄道とともに生きる人たち、景色の中に溶け込んだ鉄道という作品が印象に残っている。

その広田さんが「自分たちにできること」ということで、震災の前後で揺れ動いた「写真」というものへの思いをブログに残している。

写真家としての葛藤もつづられたその一文はこちら。http://tetsudoshashin01.blog17.fc2.com/blog-entry-630.html

うーん、こういう「何のために」という目的がはっきりしているのって賛同しやすい。ましてや鉄道ということになれば。ほぼ自費出版ということで5000部限定で、一般の書店には並ばないというので早速ネットで予約した。こういう形で復興支援の一助になれば、私の気持ちも少しは落ち着くのかなと思う(決して自己満足という意味ではなく)。

タイトルは「ここから始まる」。その思いがどのような形で表現されているか、今から期待したいものである。

コメント