まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

旧津山扇形機関庫を見学

2011年05月07日 | 旅行記F・中国

話を今月の初めに戻す。GW中の出来事ということで。

29日は徳島、30日は日中は会社に出てその後で大学時代の友人たちとの飲み会。それを明けての5月1日。この日は西から雨の予報であるが、そんな中を中国自動車道を西へ走る。

Dscn8066 9時半に津山駅に到着。鉄道ではなくクルマでやってきたのは、津山駅の横に保存されている鉄道遺産「旧津山扇形機関庫」の見学のため。何せ午前10時までに到着しておかなければ受付できないとあっては、大阪からだと早朝にクルマで出発するか、前日に津山に泊まるしかない。

津山というところは美作の中心部として栄えるところで、現在も姫新線、津山線、因美線が乗り入れる鉄道の要衝である。1936年に建てられた扇形機関庫は文字通り扇形に広がったもので、転車台により出入りするという構造。

津山駅のホームに立つとこの機関庫も遠くに見えるのだが、土日祝日を中心に公開日を決めて内部の見学会を行っている。事前の予約が必要で、しかも午前10時集合ということもありなかなか訪れる機会がなかったのだが、思い切ってこのタイミングで訪れることにした。天気が心配だったが何とか持ちそうだ。

津山駅から数分歩いて機関庫の横に来る。「その筋」の人を中心に30人ほどが集まっての公開ということになった。私も結構楽しみである。

Dscn812410時になり開門。全部で17線あるそうだが現在その中に9両の車両が収まっている。それにしても「昭和」「国鉄」を感じさせる車両群に、今回は乗り鉄の旅行ではないのだが、やはり鉄道の車両を見て安心するというのか、旅情を掻き立てられる思いだ。博物館の中の展示もいいが、こういう「現場」での展示というのがなおよろしい。

Dscn8076 その中の車両を回ってみる。まずはDE50 1号機。国内で唯一製造された、国内最強のエンジンを搭載した機関車として登場したが、電化の推進により機関車の出番が減ったこともあり結局量産は中止。最初にして最後の1台となった。どのようなパワーがあったのか見てみたい気がしたが・・・。

Dscn8079 その横にあるのがDD51。こちらは客車列車に貨物列車と、非電化区間には欠かせない機関車で、その独特の形状が私も好むところである。山陰線でDD51に牽引された客車列車に乗ったのも随分昔のことで、懐かしく思う。

Dscn8083 そしてこんなところにやってきていたのがキハ52。大糸線で活躍していた車両で、あの線を通った時に実際に乗車したことのある車両だ。大糸線の方向幕も当時を彷彿とさせるもので、もう一度乗ってみたいと思わせるものだった。

Dscn8118 そしてこちらの2台。キハ58にキハ28である。急行型車両とはいいつつもローカル線での運用で乗った形式である。一昔前までは当たり前のように走っていたものが急にその数を減らし、そして昨年11月の「ありがとうキハ58・28号」で引退ということになった。

Dscn8109 その最終運転には私もネットオークションで指定券を買い求めて乗車した。いわゆる「さよなら運転」というものに乗車したのは初めての体験であったが、まあ車内では「その筋」がいろんな過ごし方をしており、それを見ているだけでも退屈しないほどだった(かくいう私も昔の汽車旅を思い出しながら座席でワンカップを飲んでましたが)。うーん、こうやって修復されて保存されるのも悪くはないが、やはりまだまだ走ってほしかったなとも思う。現在私の部屋に津山のローカル鉄道観光実行委員会の手によるキハ58・キハ28のカレンダーが飾られているのだが、日本の田園風景によく合っていた車両だと思う。

Dscn8098 そして、この3月に新顔として加えられたのがキハ181。特急「はまかぜ」で活躍した車両であるが、こちらも昨年冬での引退後、津山での保存ということになった。JR西日本のカラーではなく国鉄型の塗装に戻されてというのは、元々の雄姿を後世に残していこうという意思の表れである。現役時代には津山駅に現れることは果たしてあったのかどうかわからないが、扇形機関庫もこうして見るとだんだんコレクションが増えて賑やかになってきたということか。全部で17台の枠があるということはこの先「津山入り」が取りざたされる車両が出てくるのだろうか。次はキハ40系あたり?

Dscn8072 転車台を1周させてみたり、子ども向けには制服を着て記念写真が撮れるなどのちょっとしたサービスもあり、現役の頃を知らない世代にも「古き良き鉄道」の雰囲気が伝わっただろうか。私も実際に乗ったり見たりした車両がこうやって保存されているのにうなるばかりで、やっとこさ来ることができたよという満足感を得ることができた。

Dscn8114 さて構内には「懐かしの鉄道展示室」として、腕木式信号機の脇の詰所の建物で津山線をはじめとした鉄道資料が展示されており、ボランティアの方が説明を行っていた。当時の用具やら乗車券類なども数多くあり見応えある。

Dscn8108 やはりその中にあって見入るのは昭和59年当時の国鉄の路線図。東北・上越新幹線も開業する一方で、赤字ローカル線が相次いで廃止される直前の姿ということで、鉄道路線網が最も広がっていた時期ではないだろうか。特に北海道と筑豊あたりを見てみると路線が密集しているのがよくわかる。私もJR全線乗りつぶしたといっても、やはりこの当時に比べれば「短い」距離だったのかなと思うこともあり、その意味ではもう少し早く生まれたかったなという思いが今でもある。

Dscn8103 もう一度外に出ると現在の津山の車庫がすぐ目の前にある。キハ47、キハ120という現在の津山駅の足となる車両が待機している。やはりこういうのを見ると心が落ち着くようで弾むような感じがするから、やはり好きなんだなと思う。ただ今日は乗ることができない。またの機会を楽しみにする。

1時間ほどの見学を終え、早めの昼食ということにする。吉井川を渡り市内の中心部のほうへ歩く。津山の名物といえば最近ではB級グルメの「ホルモンうどん」ということで、駅に比較的近いところで見つけたのが「こまつ」という店。中から「どうぞ」という声がするのでそのまま入る。メインはお好み焼き屋さんのようだ。

Dscn8125 そのホルモンうどん。コリコリした感じのホルモンによくしみたソースの味がよく合う。思わずビールが欲しくなるが今日はドライブということで・・・・。うどんも2玉入っており結構腹持ちがしそうだ。絶品かと尋ねられればどうかと思うが、悪くない味だ。

さて、午後からはどうしようか。せっかくなので鉄道の旅ではなかなか訪れることができないところに行ってみることにしようか。美作三湯という言葉もあるくらいだから温泉に行くというのもいいかな・・・・。

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