まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

雪国へ慌しく往復

2007年03月21日 | 旅行記C・関東甲信越

東京では観測史上3番目に早いとかいう桜の開花宣言も出たが、暖冬暖冬といいつつ、3月に入って冬型の気候になることが多かった日本列島。そのために日本海側では本格的な積雪が見られたという。だからというわけではないが、彼岸の中日、青春18きっぷ片手に上越線の旅に出る。

P3211389先週、常磐線から引退した415系のことを書き、国鉄型車両の置き換えに少し淋しさを感じたものだが、高崎より北ではまだまだ115系が頑張っている。しかもオレンジと緑の「湘南カラー」の車両が健在だ(水上から北は新潟カラー)。東海地区から115系が引退した中、ほかにこの色が走っている地域があるだろうか。いずれは新車に置き換えられるのだろうが、山越えに強い設計、最小限2両単位での運行が可能で使い勝手がいいというところがあって、まだまだ重宝しているのだろう。以前に誰の書いたものだったか「115系は万能選手。打ってよし、走ってよし、守ってよしの広島野球を連想させる」という表現があり、言いえて妙と感心したことがあるのだが・・・。

高崎からの水上行き、そして水上から乗り継ぎとなる長岡行きともにスキー客、あるいは春山登山の客が多く、それらの道具が座席やら網棚に置かれ、実際の人数以上に混雑した感じがする。そろそろ冬の季節も終わりに近づき、この冬最後の雪遊びといったところだろうか。

P3211414_1「国境の長いトンネル」を抜ける。すると、青空の下で雪がこんもりと積もっている。水上駅近くでも雪はあったのだが、本格的に積もっているのは国境を越えてから。例年はこんなものではないのだろうが、それでも本格的な雪景色だ。その車窓を楽しみながら、越後湯沢着。ここで大勢のスキー客とともに下車する。

駅前のバス乗り場には大勢のスキー客。私はそれを眺めつつ、駅からすぐの旅館の駐車場に設けられている無料の足湯へ。越後湯沢といえばスキーより温泉ではないかというのが私の勝手なイメージだ。日本海側とは思えぬ快晴の下、熱めの湯でしばしリフレッシュ。

さて、今日は青春18の客であるが、券売機で240円の切符を買って新幹線のホームに上がる。ここから、ガーラ湯沢駅を目指すのである。JR全線の乗車を目指している私だが、ここに来て立ちふさがっていたのが越後湯沢からガーラ湯沢までの区間。冬期限定営業ではあるが、逆に言えば冬期は頑として路線としてあるわけで、やはりこちらにも乗らないと全線乗車とは見なされないのではないのだろうか。しかしここで難点があるのが、スキー専用の駅であるということ。スキーをしない私にとっては行きたくない駅であるが、でも行かねばならないだろう。

P3211407ということで、越後湯沢からMAXの2階席に座ったかと思うと、すぐに側線に入り、すぐに「間もなく終点・ガーラ湯沢です」のアナウンス。乗車券140円、特急券100円を使っての乗りつぶしはあっけなく終了。そして、ガーラ湯沢駅。改札機を出るとそこはスキー場のフロントである。そこらにスキーの道具やら、スキー客の姿がウロウロ。いかにも女の子ゲット目的で来ている野郎のグループもいる。正直、この雰囲気、アウェー。

P3211398思い出したのが、これも乗りつぶしで成田から成田空港に行ったときのこと。列車を降り、改札口を出ると警備員のいるブースに出て、「パスポートか航空券を持っているか」と訊かれた。どちらもないというと「免許証など、身分証明できるものはないか」と訊かれ、そこで免許証を出してゲートを通してもらったこともある。その時は、「飛行機の見物で・・・」とか曖昧な来訪目的(確かに離着陸する飛行機は見物したし、食事もした)を告げて通してもらったのだが。あるいは、駅に着いたが関係者以外改札口から外に出られない海芝浦駅。

P3211399ただ、このガーラ湯沢駅の私にとってのアウェーな雰囲気は耐え難かった。何か「何しに来てんだよこのオッサン?」という視線を、スキー客とか、フロントの女性たちから感じた。ようやく折り返しの時間になって、新幹線車両に乗った時にはほっとしたものだ。少しでもなじもう、雪をもっと見ようとゴンドラで上のゲレンデに手ぶらで行くという手もあるが、まあ、これで乗りつぶしは完了。

P3211410越後湯沢に戻り、構内の「ぽんしゅ館」へ。やはり私にとってはこちらがホームのようなもの。ようやく人心地ついて、定番の利き酒コーナーへ。各地の塩をなめながら、越後の地酒を味わう。銘柄も定期的に変わっているようで、だから何度来ても楽しめる。その中で「千の風」という銘柄を見つける。昨年からはやっている「千の風になって」が、日本酒の世界にも広がったのだ。あの詞を訳した新井満氏が新潟の出身ということで、訳詞の誕生も含めてのエピソードがこちらにある。ちょいと涙酒。

P3211401このまま長岡や直江津方面に遠征してもいいのだが、日のあるうちに東京に戻る必要があり、越後湯沢から慌しく水上方面の列車に乗る。ちょうど、上下線が離れたところを走る上越線の上り列車に乗るのも初めてなので。快晴の下、白い雪を蹴散らして走る風情が何ともいえない。

P3211419_1結局水上に出た後、新前橋へ。往復に変化をつける意味でここで両毛線に乗り換え、さらに伊勢崎から東武伊勢崎線へ。太田から特急「りょうもう」で都内に戻る。東武特急といえば「スペーシア」が有名だが、こちら「りょうもう」は観光目的よりは、沿線住民と都内を快適に結ぶ普段着の姿がある。

JR発足20周年を記念したこの春の青春18。すでに8000円の元金は回収した形になっているので、残りの日々で気楽に楽しむつもり。今回は常磐線、房総半島、そして今日の上越線で使ったから、残りは中央線、東海道線と西から南へかけての日帰りで使おうか・・・。また時刻表いじりが楽しみだ。

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