西武ライオンズのスカウトによる裏金問題に端を発したドラフト制度問題。アマチュア側がドラフト「希望枠」の即時撤廃を求めていたのにプロ側が応える形で、この秋のドラフト会議からは「希望枠」は撤廃されるようだ。
まあ、これはこれで、公平な形で選手を獲得しようという動きではあるが・・・。
確かにプロ側が金で好選手を釣ることはよろしくない。しかし、せっかくドラフトで指名されても、例えばナガノだかチョウノだか知らないが、「巨人以外には行きたくありません(いまだにこういう人がいるんですね)」などといって拒否をして、何年か後に「希望枠」だか「自由獲得枠」だか「逆指名」だか知らないが、そんな制度で自分の希望球団に半ばゴリ押しで入団する選手がいるのも確かだ。「密約」などという言葉があるが、「約束」というからには、アマチュア選手自身や監督、両親、中には地元の有力代議士などがその一方の当事者である。まあ、中には本当にプロ入りの意思がないのに指名され、入団してもやっていけないと判断して拒否する選手もいるのだが、逆にアマチュア側はこのことをどう見ているのかはっきりしない。
だからこうすればどうだろうか。
今、高校生は「プロ志望届」を提出している。昨年のドラフトで、田中将大投手は志望届を提出し、斎藤佑樹投手は提出しなかったというやつだ。これを大学・社会人にまで広げ、プロ入りの意思の有無を明確にする。ただしその条件として、「指名されればその球団に必ず入団すること」とすればどうだろうか。その代わり、FA宣言の期間を短縮し、なおかつポスティング・システムによる移籍を禁止する・・・。
数少ない指名枠なのに、選手の側にだけ拒否権があるというのはいただけない。そのために入団選手が一人減ることは、戦力均衡とはいえないのではないか。「日本プロ野球機構」という企業に就職するようなもので、「球団」という配属先は必ずしも自分の希望通りには行かない。サラリーマンとて同じことだ。
今回の問題ではすっかりプロ側が悪者になっているが、アマチュアの一部にも問題点はなかったか。そのことまで突っ込まないと、今回の問題も小手先の改善で終わってしまいそうな気がする・・・・。