カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

サンクコストで失敗した   ザ・トライブ

2017-01-26 | 映画

ザ・トライブ/ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督

 ある青年が、恐らく聾学校の高等部のようなところに入学後、その宿舎か何かの場所で不良集団の仲間にさせられ、売春を手伝うようになる。そのうちに売春をしている一人の女性と性関係を結び、ちょっと組織や学校に対しても反抗心がわいてきて、ひとりで癇癪を起こすのだが…。
 字幕が無いだけでなく、全編にわたって手話のみの会話で、その手話も外国語なので(日本語でも無理だが)まったく何を言っているのかさっぱりわからない。画面を追っていると意味が分かるということもほとんどなく、退屈だ。やたらに不良たちばかりが出てきて、暴力をふるったり、汚いことをしたり、物を壊したり、セックスしたり、堕胎したりする。それがショッキングということはあるが、だからなんだろう、という感じもする。ぼこぼこ殴り合ったり、かくかく動いて体を交えたりするが、何かとてもシュールである。そんなに簡単なものかな、という感じ。人もあんがい簡単に死んでいるように見える。それとも聾唖の人は、特に力が強いのだろうか。
 芸術的なのは分からないではないが、そもそも内容があんまり無いのと、さらによく分からないのでたいした意味も無いのと同じである。ありがたがる人向きの映画である。ちゃんと事前にそのことを理解した上でないと、時間がもったいないと思う。まあ、話題性としては成功しているようだけれど。
 結局観てしまったが、僕は正直なので素直に何にもわからなかった。そもそもあれは死んだのか死んだ後なのか、そうして実際は復讐で殺せたのか、夢なのか。まあ、今となってはどうでもいいけれど…。そういう芸術があるというのはそうだろうけど、付き合わされるのは迷惑ではあるまいか。マゾッけのある人向きの作品なんだろう。
コメント
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