カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

悪徳は退場して欲しい/正直不動産2

2024-04-04 | ドラマ
正直不動産2

 何らかの呪いで嘘のつけなくなった不動産営業マン永瀬が、嘘が常態化していると思われる業界にありながら、正直に問題点を話すにもかかわらず営業成績を上げる(?)物語の第二シリーズ。このドラマが何故NHKなのかと多少疑問にも感じていたが、要するにスポンサーのある民放では、業界批判の本当の話が混ざっているこのドラマの脚本が、通らないためかもしれない。もちろんドラマなので内容はデフォルメしてある訳だが、訳アリ住宅が何故建てられ、そうして流通しているのかということが、それなりに勉強になる。もちろん勉強のために観ているわけではなく、それらはギャグとして楽しめるのであるが、だいたいは大都会の事情とはいえ、なるほどな、と思うことが毎回情報として入っている。第二シリーズなので、どうも客側の問題点も結構混じってて、営業としてはさらに最悪だが、なんだか心を打つところもある。人生にも踏み込んでいるのである。
 とはいえ営業の競争においては、あくどい不動産の方が有利に描かれていて、騙された客の多い方が生き残る構図というのもあるのかもな、とは考えてしまう。モノの値段としても特に高いのが不動産なので、一生のうちに一度の買い物の人が多数である人生を思うと、いまさらながらに身につまされる思いがする。そんなのに当たる可能性があるからこそ、やっぱり慎重さが必要なのである。
 そういう訳で、物語の背景になっている不動産事情がいろいろと絡んでいて、契約とはいえ情報の非対称のある商品である不動産には、うまい話にはほとんど罠があると考えて差し支えないようなことであった。誰にでもよい条件であるというものは誰かが手放すはずが無く、それなりに事情があるから安かったりするし、お手頃と言っても単に投資のためであるとか、その後の資産運用であるのならば、素人では歯が立たない。当たり前と言えば当たり前のことなのだが、その当たり前を改めて考えずに売買がなされている現状が、実にたくさんあることなのだろう。業者だけが悪いともいえないような妙な客もいることだし、その思惑に巻き込まれる人も当然いるのである。だから信用できる不動産屋がいることで、実際の多くの問題はクリアできるはずなのである。しかしその正直さというものを、客は容易に判断できない。これは極めてむつかしい問題なのである。
 これに緩いながら恋愛のような人間模様もあって、今回はちょっとはぐらかされたようなハッピーエンドである。物語としては、多少悪い人間がちゃんと成敗されないと、不完全試合のような気分にもなる。社会的にも是非、そういう事になって欲しいものである。
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