最近はなんだか寝坊ぎみになっていて、朝起きることがなんとなくつらい。夜更かしをしすぎているわけでもないのだけれど、もう少し寝ていたい気分が強いのかもしれない。普段はつれあいが起こしてくれるのだけれど、一緒になって杏月ちゃんも期待を込めてウロウロしたりするのだが、最近の寒さの所為か、一緒に布団に入ったり、下のストーブのまわりをウロウロしたりしている様子である。ついまたウトウトの世界に戻ったりして、十分二十分と時間が過ぎていく。そうなるとさらに億劫さが増してきて、いっそのこと散歩などに行くものか、と言う気分になるのだけれど、階下に降りると一気に杏月ちゃんは興奮するし、仕方ないかと諦めて服を着る。
そのように寝坊したからといって、朝はまだそう簡単に明るくならなくなった。風の強い日が何日か続き、いよいよ冬になったと思っていたが、暗いうちはそんなに風は冷たくは感じない。すっかり明るくなって、さあいよいよ太陽がお目見えするぞ、という頃合いに、一気に気温が下がっていくのが分かる。リードをもつ手がかじかんで、痛くなるような感じさえする。ジャンパーのポケットに片手を突っ込んだりもするけれど、一度冷えた手を温めるために、ジーンズの後ろのポケットに手を突っ込んだりする。幾分体温が伝わるような気がするからで、上着のポケットより暖かいのだ。
そういう寒い朝だけれど、本当の冬の朝なのではない。本当に寒くなると、素手ではとても朝の空気の中をうろつくことはできなくなる。今はまだ素手で寒さを楽しむ朝という感じで、つらくもなくていい季節なのである。仕事がなければもう少し遠くまで歩きたいところだが、残念ながらコースを端折って帰らなければならない。やはりもう少し早く起きておくべきだったなあと、いまさらながら少しだけ反省するのだが、翌朝にそのことを覚えている日はないのであった。