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カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

酒が飲めなくなると獲得する能力があるかも

2021-08-08 | Science & nature

 日本人には、アルコールを分解することができない人が一定数いることが知られている。いわゆる下戸といわれている人だけをさして言っているわけではなく、アジア人には必ず一定数いる。アジアに一定数いるというのは、他の地域の人種ではそれがないからだ。特に人類のルーツであるアフリカ人は、もともと酒に強い。ヨーロッパ人やアメリカ人も、ほぼ100%酒を飲むことができる(アジアの移民でない限り)。あちらにも酒を飲まない人がいるが、それは飲めないからではなく、好まない人が勝手に飲んでないだけのことである。だから日本の下戸と同じではない。もちろん日本でも、飲めるけど飲まない人はいるだろうし、飲めないけど無理に飲んでいる人もいる。アル中の中には、飲めないのに無理して飲んで、なんとかアル中を維持している変な人もいるらしい。もともと飲めなくても、少しくらいは鍛えて飲めるようになる人がいるらしく、まあ、人それぞれなんだろう。
 元々人類は酒が飲める方がデフォルトである可能性の方が高い。理由はよく分かっていないが、アフリカの人種には、食事として酒しか飲まない人々がいるらしい。普通の食事はとらず、発行させた酒だけを飲んで栄養を摂っている。そういうことから考えると、発酵食品と関係があるらしいことも考えられるし、多様な栄養素を吸収するために酒を分解する能力が備わっているのが人類である、という考え方もあるらしい。
 しかしながらそうであるなら、なぜアジアの一部では酒が飲めなくなる進化の道を歩んでいるのだろう。
 それはそれでミステリなのだが、一つの仮説としては、水耕でコメを食べる文化の人々の間に、酒が飲めなくなった原因があるのかもしれないとされている。そうしてその理由として有力視されているのは、ウイルスとの関係かもしれない。
 水に近い生活をしていると、それだけ感染症やウイルスと近い状態にならざるを得ない。なぜなら空気感染よりはるかに、水からの感染の方が多いからだ。多くの感染症にかかりながら生きながらえるうちに、そのウイルスと対抗する抗体を持つ個体になる代わりに、酒を分解する酵素が消えていった人がいたのかもしれないというのだ。それらの関係が、何故そうなったのかというのは分からないのだが、そのように獲得するものと消えるものが、たまたまそういう組み合わせだった可能性があるのだという。何故なら同じアジア系でも、水耕をまったくしない人種の子孫には、アルコールが飲めない(分解できない)性質がないからである。
 コロナ禍においても、どういう訳か欧米人と比較して、東アジアの死亡率は格段に低い(数十分の一であり、この差が何故かは衛生状態などの環境面からでは説明が付きにくいのである)。単なる偶然である可能性もまだぬぐえないらしいが、しかしながら原因が分からないだけで、その差を埋めるには確率としての開きがあまりにも大きい。何かが違うことは明らかそうで、それは人種と関係ありそうだ。もともと共通というか相互に作用する何かの抗体を持っている可能性があるし、それは酒に弱いことと関連もあるかもしれない。
 もっとも酒が飲める日本人であっても、同じように致死率が低いのかもしれないが。そうであるから、今のところ酒が飲めないというだけで、安心とは言えない。だが、少しくらいは関係がありそうなことが言われていて、これはこれで何か期待できることがあるのではないだろうか。
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追い払われるアンコウ

2021-07-02 | Science & nature

 いつものように録画している動物自然番組をぼんやり眺めていると、今回は深海の魚たちが数多く出ている。静岡県沖の駿河湾は、そんなに沖に出なくてもすぐに深海に達する変わった地形をしていることで知られる。沿岸で漁業をしている船にも、時折深海の魚が混ざって取れることがあるそうだ。深海の魚たちも、季節などの何かの都合があって、比較的浅い海まで上がってくるようなのだ。
 そういうところでダイバーが潜ると、実際に光の当たる浅瀬にあっても、数多くの深海魚を見ることができる。大げさな探査船なしに、生きて動いている深海魚を観察することができる、貴重な場所のようである。いろいろ変なのが出てきて面白いのだが、やっぱり顔つきが変でグロテスクでありながら、なんとなくユーモラスなアンコウが面白いのである。
 アンコウは半ば体を砂に埋もらせるようにして身を地面に同化させ、一時存在を消して獲物を待っている。それを知らずに口元によって来る魚がいると、豪快に丸呑みしてしまう。何が来るかはほとんどお構いなしで、自分の体に合わせて、口に入るなら何でも飲み込んでしまう戦法をとっている。アンコウにもいろんなのがいるが、いわゆる提灯の光でおびき出す必要もないし、しかし口元から疑似餌のようなものをビローンと出して、誘い出す戦法をとるものもいる。大きなアンコウ(キアンコウといっていたかも)は、何かの事情で(例えばサメなどとの闘い)疑似餌に当たる体の部分を無くして苦戦している個体のようだった。とにかく砂地の砂を多めに体にかけたりなんかして、それなりに一所懸命工夫して狩りを行っている様子だった。
 そんな風に苦労して狩りをしているアンコウの周りに、少し大型の肉食の魚たちが集まりだした。そうして周りを取り囲んでしまうと、アンコウが狩りをするための小型中型の魚が集まりようがなくなる。しばらく対峙していたが、アンコウの方が諦めて移動することになった。アンコウは魚の癖に泳ぐのは得意でないようで、大型の魚たちの群れに追われて深い場所へゆっくり漂うように移動するのだった。
 こういう行動をモビングというらしく、よく鳥などが集団で威嚇して猛禽を追い払ったりするのと同じようだ。魚も具体的につつきだして追い払うような猛者の小魚もいるらしい。得体のしれない強い相手であっても、集団で嫌がらせして追い払う。なわばりのようなものがあるのかもしれない。アンコウは元々深海魚だから、上がってきてもお前らの居場所なんかないぞ、ということなのかもしれない。
 海は広いな大きいな、ということで、自由の象徴のようなイメージなんだが、なんだかそれなりに住みにくい社会環境もあるらしい。誰でも自由にどうぞ、ってところは、誰もが何も近づかないようなところであるのかもしれませんね。
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我々は孤独である、が。

2021-06-14 | Science & nature

 人類は(ってほとんど米国なんだけど)火星探査を何度も行っており、今のところ火星には生命の痕跡があったという話にはなっている。ずいぶん前から、火星には火星人が住んでいると考えられてきたわけだが、望遠鏡で見る限りは、本当に住んでいるのかというのは、ちゃんとわかっていなかった。無人の探査機を近づけてみて観察してみると、水の痕跡はよく分からないし、どうも人工物もありそうにない。火星人の暮らしぶりがよっぽど変わってない限り、不毛の大地が火星の表面を覆っているように見えた。火星まで探査機を飛ばした功績は大きいが、そうして実際かなりの確率で火星人(いわゆる知能の高い生命体として)はいないだろうとは思っていたけれど、それが証明されてしまうと、それなりに皆がっかりしたのではなかろうか。
 しかしながらがっかりしたとはいえ、知的とは言えないまでも、生命の存在が完全否定されたとは言えない。地球上の生命を考えた時、非常に過酷な環境下においても生命の存在がある。極地であったとしても生命が生きていける可能性があるのだから、火星においても何らかの方法をつかんで生きている存在があるかもしれない。だいたい生命が存在しうる可能性の高い太陽からの距離から言って、火星はいわゆるファビタブル・ゾーンの中にあるのではないかとも考えられている。これは火星の地表に降りてみて、探査するよりないではないか。
 ということで探査機が実際に火星上に降りてみて観察をしてみると、やっぱり荒涼たる台地であることが、見て取れた。それはそれでもすごいことだが、カメラで見る限り、やっぱり生命はいないのだった。そうして土を掘ってみたりなど、観察を続け、探査機は様々な地点を移動し続けた。岩がごつごつして行けないところはあるにせよ、行ける範囲内で見る限り、火星の歴史上、水が流れた痕跡があるらしいことも分かってきた。丸い石などがあることから、それは転がって削れたはずである。地表でそうならないとも限らないが、角が丸くなった石というのは、水中で長期間転がり続けた痕跡である可能性の方が高い(河原の石がそうであるように)。かつて火星には、水が地表にたまっていたり、川が流れていたのではないか。
 そういうところまでわかってきて、そうして微生物らしい形をしたものを発見することになる。これは間違いなく生物の痕跡だと色めき立つ研究者も多かった。
 ところがNASAは、なかなかその痕跡を生命のものだと結論付けはしなかった。それ以外の証拠を探し続け、生命の証拠はぬか喜びに終わるのではないかとさえ言われていた。考えてみると、生命が誕生する必要条件として液体状の環境が必要だとは考えられているとはいえ、いくら地球上であっても、人間がそのような環境を作ったとしても、なんの生命も誕生させることができていない。そうなるはずだという研究は積み上がっていても、いくら単純な生命であっても、例えば細胞の一つであったとしても、人工で生命は作ることすらできていない。しかし地球には生命があふれており、宇宙の広さから考えて、ほかの星でも当然生命が存在することは、間違いないとされている。されているが、それがどうしても人類にはわかりえないのだ。
 ということであるのかどうか……。ともかく、探査は続けられ、議論は尽くされ、これだけの証拠らしい痕跡から勘案することで、少なくとも火星の過去には、生命が存在したということは言える、という苦しい証明がなされることになった。
 さらにだが、どうも火星には、地底になお水の存在があるらしいことも分かってきた。地下にはそれに伴って、生きている生命がいるのではないか、ということになったのである。
 今なお、地球に住む我々は、それ以外の星の生命の確認は、事実上まだである。火星の探査の結果も待ち遠しいが、木星の衛星にも氷の隙間から噴出する水蒸気やその下に流れる水の存在が確認されており、そこにも何らかの生命が見つかりそうだとも言われている。他の遠い惑星でも、地球のような環境にあるらしい星も次々に見つかっている。しかしながら物理的距離からいって、現物の確認は、そう簡単ではないだろう。
 たとえそれがバクテリアのような存在だったとしても、地球以外の生物の確認はできていない。我々は宇宙の中ではいまだに孤独な存在であるようには感じられる。しかしながら、地球自体は、生命にあふれた星である。たとえ隣人がなかなか見つからないとしても、この星の生命くらいは大切に付き合うべきなのではなかろうか。
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やんばるのトゲネズミの運命

2021-03-02 | Science & nature

 沖縄のやんばるの森では、ヤンバルクイナなど、希少な動物たちが住んでいることで知られている。島特有の環境や歴史から、ひっそりと暮らしている動物たちがいるのであろうと思われる。
 そうした中、30年前に絶滅としたと思われていたトゲネズミというものが、また発見されたらしい。マングースや野生化した家ネコなどから食べられて、絶滅したのではないかと言われていた。ところがヤンバルクイナなどの調査のために設置したカメラに偶然写っていて、現在もまだいるというか生息していることが分かった。それがトゲネズミであることは確認されたが、そもそもの生態は謎に満ちていた。せっかくだから、改めてその姿を追うドキュメンタリーが撮られたという訳だ。
 新たに設置されたカメラなどにおさめられたトゲネズミを観察すると、ぴょんぴょん跳ねて移動したりする姿が、なかなかユーモラスでかわいらしい。また椎の実を、両手で支えて抱えるようにして食べる。そうしてハブなどから襲われると、ぴょんと跳ねて逃げる。背中のトゲをのような毛を少し持ち上げて、何やってるかわからないが、空気をそうやって毛の中に入れると言うか、謎の行動もしている。その意味のようなものは結局分からないようだったが、その為に背中の毛を針のようにしているのかもしれない。まあ、何と言ってもトゲネズミなんだし。また、 木などを背後にして、警戒しながら椎の実を食べる。決して椎の実を拾ったその場で食べはしない。何度も何度も椎の実を取って来ては、安全な場所に移動して実を食べる。忙しいのだが、同時に可愛いのである。
 しかしながらクマネズミというのが、おそらく貨物船などの荷台に隠れて島に流れ着き、移り住んでくるようになった。クマネズミは繁殖力も強く、何て言ったかモンスターマウスだったっけ、ともかくトゲネズミよりは強い存在のようだ。映像でもトゲネズミを追い掛け回していた。せっかくの住みよい場所は、クマネズミに乗っ取られつつあるのかもしれない。
 沖縄では家猫が逃げ出して野生化したネコが、それなりの数でもって森に棲んでいるのだという。野良とは違って、ほぼ山猫といっていいほど、かなり野生化したもののようだ。そのような野生化した猫の糞の中に、トゲネズミが確認されている。マングースだけじゃなく、やはりそのような脅威があって、なかなか増えにくいのかもしれない。
 さらにやんばるの森のある北部地区の開発もあって、環境が激変している。沖縄の水問題もあるけれども、将来的には貴重な生息域がダムの下に沈むということにもなっている。とりあえずトゲネズミが住む場所が、さらにどんどん減っていくのである。そうして道路が新たに通り、森を寸断する。せっかく30年ぶりに見つかったトゲネズミであるが、前途は多難なのである。 結局また、絶滅の道を歩むだけのことなのであろうか……。
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更に極端なバカに呆れる

2020-12-24 | Science & nature

 男と女でどちらの方が優秀か、というようなことを言うような人がいて、管理職の割合で不平等があるのではないかという話がある。しかしながらこれは、男女に自分のことを肯定することに違いがあるらしいことが分かってきており、男の方が自分の能力を過大に評価する傾向がみられる為に、積極的に役職を引き受ける結果がある、ということらしい。男性の攻撃性のようなものが関連しているのかもしれない。
 また、会社組織などの社会においては、まだまだ男女比率がいびつなところもあろうし、そういう組織社会というのが、そもそも男性上位的な文化が残っていて、容易に女性が出世しづらいシステムがあるとも考えられている。女性で管理職に向くような人の推薦があったとしても、本人が頑なに拒否する場合も多いという。そういう環境下にあって、自分の能力が十分に発揮できないという懸念が、そうさせるのかもしれない。
 また、政治家などを見ていても分かると思うが、女性が極端に進出していない分野において活躍している女性は、見た目としての女性性は強調する傾向にあるものの、中身や発言などを総合して勘案すると、ほとんど男性的な傾向の強い女性が多いように見える。女性の代表というより、男性化した女性が進出しているだけのことなのではないか。
 男女の頭の良さの違いというのは、優位な差が出ていないにもかかわらず、相変わらず脳の違いで差があるようなことを言う人がいる。女性の方が理系が苦手であるようなことを言うが、厳密にはそのような差がはっきりしている訳ではない。苦手意識を表明していい分野であるだけのことかもしれないし、しかしほとんどの学問の現在ということを考えると、それほど明確に文系理系と分けることが困難になりつつある方が自然である。学問の科学的アプローチが進むということの方が現状なのだから、男女の差で向き不向きが明確にはならない。また、医学部で女性の方が高得点でない限り受からなかったという事件もあったように、選考する側の方に偏見が残っていて、女性側に不利な条件を課している場合も多いのかもしれない。
 これまで男と女の優秀さを比較する研究というのはそれなりにあるわけだが、不都合な事実が出てくるというよりも、むしろそういうバイアスがかかってきた文化的な側面の方が明らかにされていくようである。
 実際に僕の感覚としてこれまで生きてきた中で思うのは、間違いなくバカの多いのは男性側の方である。賢くない女性もいなかったわけではないが、極端にバカすぎる性格というのは、男の方が圧倒している気もする。女のバカというのは可愛らしさの演出である場合もあるから、一概に信用できない。そういうものを測る研究が待たれるところである。
 しかしながら、そうであっても女の方が男よりバカなのではないか、という話を聞いた。何故かというと、それほどのバカと一緒になるようなバカな女がいるからなのだそうだ。なるほど、それなら確かにたくさんいるような気がする。女たちよ目覚めよ、である。
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イノシシの自然を取り戻そう

2020-12-20 | Science & nature

 イノシシの問題を扱うテレビ番組を見た。今年はうちの田んぼでも大きな被害を出している。収穫前にやられたのでダメージが大きかった。結局それ以上のことを考えて、稲刈り時期を少しだけ繰り上げて対応してもらった。コメの質自体はまずまずだったので、担当者は返す返す残念がっていた。
 そういう経緯もあるからさらに興味深く見たわけだが、まずイノシシというのは多産である。5・6っ匹ウリ坊をつれているなんてことは珍しくないことで、まあ、ぞろぞろ連れて歩いているものである。当然それには訳があって、子供のころに天敵に襲われることや、事故などで亡くなることも多いために、ふつうは成人化する率は半分くらいといわれている。要するに減るのを条件に多産になっているのではないかと考えられている。
 イノシシは身体能力も高く、足も速くて小回りもきく、ジャンプ力も持っている。雑食性で何でも食べて、農作物の被害で悩まされている。さらに学習能力も高く、つまり頭がいい。ふつうの豚でも飼い犬よりは頭がいいとされているので、野生のイノシシなら、さらにそれより頭がいいのかもしれない。
 さて、そういうわけで、各地でイノシシは大量に駆除されている野生動物だ。それなりに大きな個体が駆除もされており、一定の効果が見込まれるはずだった。ところが駆除されたイノシシの骨格や歯を見てみると、実はまだ成人していない子供の個体ばかりだったという(それでもそれなりに大きい)。子供は経験も少なく、まだ人間の罠などにかかりやすい。そうして駆除された子供の状態を近くで大人イノシシが見て、もう二度と罠などにはかからない賢い個体が増えている可能性があるのだという。大人なのでこれまで通り変わらず子を産んで増え続けるので、駆除の効果があまりないのではないかということだった。
 では打つ手が無いのかというとそうではなく、これまで通り電気柵をちゃんとイノシシの鼻先の当たる高さにしっかり設置させ、その周辺の草はきれいに刈り取るということを地道にやっておく。イノシシの毛に電気が来てもたいして感じないけれど、鼻先は常時湿っており、電気の線にふれることがあれば、ちゃんと効果がある。さらにもともと隠れる場所が無ければ近寄ることもしないそうで(本来は臆病だから)、しっかり対策をしている地域は、被害もゼロなのだという。
 また、本来の野生のイノシシは、ふつうは木の根やミミズなどを主食としており、そのような粗食であっても、十分に栄養を取って生き延びることができるのだという。むしろに人間の食べるような農作物は、栄養価が高すぎて野生生物には不必要に栄養過多になりすぎるのだという。そういう食事を常時食べられることで、早く巨大化しさらに食べるようになる。そうして山に帰らず運動もせずに寝てばかりいて巨大化したイノシシは、また別の病気にかかるなど、野生とは別の受難があるのだという。要するに人間に近すぎる生活をする動物は、自然が失われてしまうのだろう。
 良くは知らないが、そのような餌付けに向く個体を買い続けることで、イノシシの子孫の一部は豚になったのではなかったか。ブタ化の初期状態が今なのかもしれず、人間界とイノシシ界の境界を分けない限り、今の問題は解決などしないのではなかろうか。
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腸内改善ミトコンドリア褐色細胞

2020-09-05 | Science & nature

 世の中にダイエット関連の方法というのがどれくらいあるものか分からないが、ものすごくたくさんある事だけは明らかで、その多くはすでに一般的に流布されていて、知らない人などいないはずなのに、しかしまた新しくどんどんそれらの方法が生み出されていく。そういうことだから、半ばバカにしながら相手にしてはいけないというのが、これも一般的な作法のようなことにはなっている。ダイエットするのであれば、王道はただ食わないだけでいいのであるし、それ以上に正しいことはこの世に存在しないのだけれど、それでは面白くもくそも無いし、そうしてそれは大変につらく厳しい道で、そうして体にもダメージが大きくて、要するに体に悪いのだからダイエットでさえないという否定の声さえ聞こえる。正しいダイエット道においては、一番やってはならないあやまちであるようにも語られ、食べていないのは逆に効率が悪いとさえ言うような風潮もある。我慢して食べていないことを告白しようものなら、激しい叱責を受けることが確定的で、更にその悪行を諭されるということにもなりかねない。そんなにしてまでやせることに成功するようなことがあれば、それは人類にとっても敵なのである。
 といいながら、結局痩せないので、いつまでも延々とダイエットをやっているはずの人生を何年も歩むことになる。先日聞いた話では、実に様々なダイエットを繰り返し実施している人がいて、それはもうその人の生き方そのものであって、人生の半分以上がダイエット期間になっているということであった。何か感心してよいのかどうか戸惑う気持ちがあるものの、実は僕でさえ似たようなことになっていると反省もしたのであった。
 そういう中にあって、理屈的に科学的に正しそうな話になると、やはり聞く耳が大きくなって興味がそそられるのは確かだ。そういえば何度も聞いていたはずではあるのだが、そうする方法によっても少なからぬバリエーションがあるのだから、やはり効率よくその方法を知りたくなるのだろう。
 そういう中の代表的なものは、腸内環境を改善する、というものかもしれない。いわゆる善玉菌といわれるものを増やして、腸内環境を整えることで、自然に痩せやすい体質に改善が可能だというのだ。善玉菌であるとか悪玉菌であるという区別をしすぎてあれこれやることは、そもそも体に良くないという話もあるのだが、しかし明らかに食生活の延長として、体に良いか悪いかというのはありそうな話である。そうして腸内環境に影響するのは食物繊維の存在であることも知られていて、仮に野菜を食べない生活をしている人の健康を害する確率というのがあるらしくて、それは喫煙にも匹敵するものであるらしい。煙草を吸って野菜を食べないような人は、それは事実上自殺を演じているようなものなのだそうだ。
 まあ、野菜を取るよう心掛けることは悪いことではないだろうが、その上でヨーグルトを食べたり納豆を食べたりするようなことでも、腸内環境は改善していくらしい。なかには健康的な腸内環境を有する人の便を移植して改善する(そういう病気の人もいるらしい)という方法もあるというが、それはなんだか恐ろしげであるのであるが、そうまでして改善することに意義があるということでもあるようで、やはり素晴らしい腸内環境を育てていくようなことは、ダイエットのみならず美容や健康寿命にも良いことであるらしい。
 また僕らの体の中には、ミトコンドリアを宿しているということも知られている。そうしてこのミトコンドリアが活性化するというのがあるらしく、そうすると代謝がよくなるとされている。腹八分目に食べるだけでも活性化するらしく、またバランスの良い食事を心がけても増えたり活性化したりするという。それじゃあいい食事をとるだけで副産物的にいいのであれば、どんどんどんどん痩せていきそうだけど、なんだかそうはなっていないような気がしないではない。これは運動でも強くなったりもするらしく、しかもそれが激しいものでなくてもいいのだそうだ。逆に激しくやりすぎるとダメージを受けることもあるらしく、その激しさに一定期間なれるように努力を積んだものであれば、また回復はするという。なかなか難しい存在だが、やはりダイエットには一定の運動は不可欠であるということにはなるのだろう。
 さらに最近なんだか聞く頻度が増えた気がするのが、褐色脂肪というやつかもしれない。これは寒冷刺激で増えるとされ、その代表的なものが水泳だという。水泳をするとテキメンに痩せるのかどうかはよく知らないが、もともと水泳というのはそれなりにハードな運動だし、それに太っていては、そもそも水着を着てプールに行きたい気分にさえならないのではないか。結果的に比較的そういうハードルの低いちょっとだけ太目タイプの人で、運動にもそれなりにやる気のある人向けなのではないか。そう思っていたら水泳以外でもいいそうで、アイスベルトを首に巻いているだけでも寒冷刺激になって褐色細胞が増えるのだという。それなら簡単だし夏なら過ごしやすそうだしなかなかよさそうだが、しかし冬のことを考えると、勝負の期間が限られているようにも感じる。しかし冬なら自然に寒いのだから、外に出るだけで寒冷刺激になるはずで、だから冬場はダイエットに向いているのかということになると、いささか疑問に感じなくもない。さらに滝に打たれるとか、寒中水泳なんかも、それであればいいことに数えられそうだが、なんだか奇行めいた行動ともとられかねなくて、ちょっと引いてしまう。まあ、あれをダイエット目的でやる人なんて、あまり聞いたことは無い。
 ということを話していたら、いや、食事をとにかくゆーっくりとるだけでも、けっこういいよ、という人がいた。どういうことかと聞いたら、ひとよりゆっくり食べていると、皆が食べ終わっても自分のものがまだ残っていて、そのまま残して帰るといいのだそうだ。何かキツネにつままれたような気分にさせられる話なのだが、まあ結局あまり食べない方法には違いなくて、ちょっとなるほどと思いました。まあ僕の場合はだらだら飲んで長ーい時間食事に費やして、そうしてトータルで大量に食べているということは間違いなくて、目の前に食べ物があってなおかつ我慢して食べないでいられるはずが無いのである。ま、昼飯が外食なら、これは可能性はあるのかもしれないが……。
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捨てるべきは、何を?

2020-07-07 | Science & nature

 そもそもレジ袋の材料であるポリエチレンは、石油を精製する際にできるナフサを原料にしている。ポリエチレンを作ること自体は、だからリサイクルのような側面がある。余って使えないようなら捨てるだけだからだ。
 今回の有料化による最大の目的は、レジ袋を減らすインセンティブのために料金を課すということらしい。実は海などに漂着しているプラスチックごみの中に占めるレジ袋の割合は、0.3%といわれている。ペットボトルは12.7%だということなので、ペットボトルの100分の2程度ということだ。ふつうに考えて、このような政策の実施がプラスチックごみの削減に対して、何の意味があるのかさえ不明であるレベルといっていい。聞くところによると、ポリ袋を作っている会社のほとんどが地場の中小企業で、単にスケープゴートにされていじめられているだけであるという。レジ袋の有料化というのは、地元に根差したまじめな企業を、社会的にいじめて遊ぶ行為に等しいということだ。彼らにだって家族はいる訳で、いったい誰が責任を取るというのだろう。
 さらに可燃物ゴミには一定量のプラスチックごみが無ければ、うまく燃えないのだという。燃えない場合は重油などを混ぜて燃やさなくてはならない。そもそも東京などは、すでにプラスチックごみなどの分別さえやめている。分けるからゴミとして問題が出るが、一緒に燃やせば何の問題も起きないからだ。
 勘違いしている人も多いことだと思うが、このようなプラスチックごみのリサイクルには、大きなコストがかかり、その分ふつうにプラスチック製品を作るより大きなカロリーを必要とする。リサイクルすることは、環境により大きな負荷をかけるということなのだ。
 ただし、僕自身はマナーや生活様式の上で、プラスチック製品にばかり頼らないという考え方には賛成する部分はある。たった一つ物を買うのにポリ袋をもらうようなことをする必要は無いし、ゴミ箱以外に捨てられたポリ袋がそこらに舞っている状態は見苦しい。買い物客の資質として、レジの店員とはちゃんとコミュニケーションをとって意思表示を明確にすべきだと思うし、ゴミはちゃんとごみ箱に捨てるという最低のマナーは守るべきだ。その上で、自分が好ましいと思うのなら、自分の買い物袋を携帯するなりの生活スタイルを貫けばいい。人の好みなどに介入するような、さもしい心こそ捨てるべきなのだ。
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犬・殺されるのについていけるか?

2020-04-26 | Science & nature
 書こうと思っているのはチャウチャウのことだが、同時にコンラート・ローレンツのことも書かねばなるまい。というか彼の著書は持っているのだが、いつも読んでいて挫折する。翻訳のせいにすると気の毒かもしれないが、独特の言い回しがあって僕には読みにくい。ユーモアたっぷりに書かれているのだが、あまり笑えないというか。しかし頑張って飛び飛びくらいは読んでいる。少し文章が古いが、ああなるほど、そういうことね、というような内容がある。やはりこの筋の元祖なのである。動物行動学っていう分野は一時日本でも流行ったが、最近はなんだかちょっと聞かない。トレンドが変わったのだろうか。ローレンツはノーベル賞も取ったのだけど、今考えると、ちょっとのどかな感じもしないではない。
 さてそのローレンツ先生だが、実際は様々な犬を飼ってはいた。しかし特に愛した忠実な犬に、チャウチャウをあげている。チャウチャウ犬というのは中国原産として知られている。日本人が聞くと大阪弁の否定慣用句のようで滑稽だが、中国語ではチャウチャウとは言わない。どういうわけか外国語ではチャウチャウのようで、それをそのまま日本では発音で使っているのだろう。チャウチャウ犬の特徴としては、一般的に愛嬌のあるつぶれた丸っこい顔であるものと思われる。ところがローレンツ先生の時代のチャウチャウは、もっともオオカミに近い犬種とされていて、結構獰猛で荒い性格であったようだ。あの顔つきもつぶれた様子ではなく、尖ったマズル(鼻面)をしていたらしい。今のように愛嬌のある丸っこくつぶれたマズルになったのは、人間が観賞用に繁殖していった結果なのだ。
 さらにチャウチャウ犬は、実は食用犬としても用いられていた歴史もあるようだ。それで太りやすい体質のかけ合わせもなされたということらしい(さすが中国!)。しかし、恐らくなのだが、人間との付き合いの長い犬というのは、多かれ少なかれ人間の都合で食用にされていた歴史はある。使役的にお供として使われる(例えば犬ぞりの様に荷物を運ぶとか、狩りをするとか)うえに、人間の窮地になると食べられたということだろう。現代人の目からは残酷な印象を受けるだろうが、そのようにして人間は住むところを開拓したり、放浪したりしたのだろう。
 さて、ローレンツ先生の飼っていたチャウチャウには、実に歴代のものが何匹もいた。もともとローレンツ先生の飼っていたシェパードと、奥さんの飼っていたチャウチャウが結婚し、その混血を何代か飼っていたのだろう。
 その中で特に忠実だったと書いているのが雌のスタジで、ローレンツ先生以外にはまったくなつかなかった。その当時ローレンツ先生は、たびたび長期で家を空けることが多かった。従軍や捕虜になったりしたせいである。帰ってくると狂喜していい犬だったようだが、先生が家を空けると悲観に暮れ、他の人間には関心を示さず、それどころか、家出してよその家畜を襲ったりして野生化したらしい。あまりにひどくなった時には手に負えないと判断され、とうとう動物園に預けられてしまった。そうして残念なことに、空襲にあって亡くなった。その間6年だったというが、ローレンツ先生と暮らしたのは、正味3年くらいだったのではないかといわれている。
 犬というのは、飼い主には忠実だという性質がある。それが人間との強い絆を作るわけだ。もう今はほとんどの場合食いはしないけれど、たとえ食われる運命であっても、なついてくるのである。こういうのは、人間同士のつながりよりも、ひょっとすると強いものがあるんじゃなかろうか。
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長命なる昆虫の神秘

2020-02-26 | Science & nature

 問題です。:
  1. モンシロチョウ  2.カブトムシ  3.ミンミンゼミ 
 このうち一番長生きするのはどれでしょうか。

 これはあるテレビ番組でやっていた問題。さすがにほとんどの子供は正解したが、答えは3.のミンミンゼミ 約7年の寿命があると考えられている。1.モンシロチョウは数か月。カブトムシは一年程度だ。
 しかし疑問に思うだろうことは、主に僕らから上の世代かもしれない。こどものころにセミの寿命は一週間程度(実際は1月ほどらしいが)だから、むやみに殺生すると可哀そうだ、という理由で変な大人たちから叱られたりした。でもまあ僕ら子供でも、セミの成虫というのは特殊な時期で、餌も食わないで生殖のためだけに生きているほんの一時期を指すことくらい、後で図鑑などを調べて知っていたものである。そんなことも知らないバカな大人に叱られる不条理に耐えながら、それでもせっせとセミを捕まえては、ひもに結んだりしていじめた上に、無駄な殺生を繰り返して遊んだものである。罪深いのは確かで、僕らは決して極楽へは行けないことだろう。
 そういう意味で、昆虫の中でもたいへんに長命を誇るセミたちであるが(中には17年生きる奴などもいるらしい)、このセミたちより長く生きる昆虫もいるという。
 それがシロアリだそうで、何と50年生きるものがあるという。
 これも実は特殊なもので、白アリの巣には一匹だけ王がいるのだが、この王が50年ほど生きるらしい。女王もいるが、これは自分のクローンで何度でも再生することができるようだ。そうしてたくさんの子供たちも生む。
 ともかく、自分たちの王国のために社会性を作って生活しているシロアリが、結果的にしぶとく長生きをする(繁栄する)というのは、興味深いことである。
 しかしながら同時に、アリクイなどシロアリを専門に捕食する動物もそれなりにたくさんいる。たくさんいるから主食として捕食の対象になり、食われる対象であるからこそたくさん生まれてくる必要もあるのかもしれない。人間にとっては厄介な生き物かもしれないが、シロアリが支える社会というのは、自分たちだけでなく、何かシステムとして巨大なものなのではなかろうか。
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ウニの餌をクローバーに

2019-11-24 | Science & nature

 僕らが呼吸する上で必要な酸素は、植物の光合成により生み出されている。アマゾンの森林破壊などで多くの酸素が失われているという報道も聞くが、実は地球上の酸素の3分の2は海から生み出されている。光合成に必要な太陽の光が届くのは、海面から70~80mといわれているが、その距離の範囲にいる植物性のプランクトンや、浅瀬の海藻などの生き物から、大量に酸素が作られている。
 近年問題視されているのは、いわゆる地球の温暖化によって、特に浅瀬に住む海藻の多くが死滅しているといわれる。比較的海水温の低いところを好む海藻が、いわゆる枯れてしまうということとともに、比較的温暖な水温を好むウニや海藻を食べる魚などの影響で、食べつくされるということもあるそうだ。いわゆる海焼けといわれる現象で、日本の海の藻場の3割の海藻は失われたとされる(6万5千ヘクタール)。
 そのために海藻などを食べる魚やウニを駆除する動きがあるが、抜本的な解決には至っていない。そういう中にあって、ウニを効率的に捕って養殖する方法も注目されている。ウニを食べる天敵は少ないが(ラッコなどは限られた場所にしか生息していない)、ウニを好んで食べるのは、他でもなく人間である。
 しかしながら、比較的南の海では、ウニの好む海藻がそもそも少ない。そこでウニを育てるために陸の草を与える実験が行われている。もともとウニは雑食性で、基本的には何でも食べてしまうらしい。そういう中で、キャベツやクローバーなどを与えて育てたウニが市場にも出回るようになっているという。それらを食べたウニの身は、いわゆる磯臭さが少なく甘みが強いのだという。特にクローバーなどはマメ科の植物で栄養のバランスも良く、年中取れて誰でも育てられコストも安いという利点だらけなのだ。
 将来的に養殖のウニが安価になって安定的に市場に出るようになると、消費者にとっても漁業関係者にとっても福音となるかもしれない。
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自己治癒するコンクリートとは

2019-11-18 | Science & nature

 自己治癒コンクリートというものが開発されているらしい。コンクリートは練り混ぜるときに、そもそもたくさんの水分を必要とする。この水分が蒸発するなどしてコンクリートが収縮する折に、収縮ひび割れを起こすことが実際上は避けられない問題であるらしい。コンクリートに限らず、木材なんかでも乾燥時にひび割れを起こすが、このような自然現象は避けられないものなのである。そうしてひび割れから水分などが染み込むなどすることと、経年などで劣化してしまうと、強度に対して深刻な問題を起こしていた。
 水分などが入り込むことで自ら膨張して修復のようなことがもたらされることはあるようだが、今回注目するのは、バクテリアを使った自己治癒技術のことである。乾燥時に休眠する性質のバクテリア胞子と栄養分(乳酸カルシウム)をカプセルに入れ、コンクリートに混ぜ込んでおく。コンクリートが乾燥収縮後にできたひび割れから雨水などが染み込んでいくと、バクテリアが胞子を破って活性化する。そうするとバクテリアが栄養分を摂取して石灰石を生み出す性質があるということで、これがひび割れ自体を修復するという仕組みらしい。このバクテリアは修復して乾燥したコンクリートの中で再び休眠し、約200年くらいは再生可能なくらい生きているらしい。また、このバクテリアは人体に対しても害のないものであるといい、まさに一石二鳥のありがたいものなのである。
 コンクリートのような無機質で硬く冷たいイメージのものが、自ら生き物のように修復するというのは、大変に面白いことである。面白いのだが、僕がこれを聞いて思い出したのは、他でもなくターミネーターという映画であった。SFだけれど、破壊されても破壊されても、何度も自ら修復して復活してくるターミネーターという未来のロボットが、何度も襲ってくるというホラー作品でもある。さらに思い出すのは、ジョン・カーペンター監督の「クリスティーン」である。ある種の付き物のある自動車が、壊れても壊れても何度も自己修復して襲ってくるというのもあった。これは、原作があのスティーブン・キングである。怖いけどなかなか面白い作品で、お勧めである。
 というわけで、どういうわけか映画紹介になってしまったが、自己治癒コンクリートには、大きな期待が持てるという話でありました。
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エジプトと宇宙人

2019-08-24 | Science & nature

 エジプトのツタンカーメンのお墓に、一緒に埋められている装飾品の中に、いまだにほとんどさび付かない短剣がある。鉄には違いないが、当時どのような技術があってこのような加工ができるのか、分析にかけられた。ところが驚いたことに、この鉄を組成する物質は、地球上には存在しないものだった。恐らく隕石を加工して短剣にしたということかもしれないが、もちろん当時のエジプト人は、そのような優れた素材であることを知ったうえでそうしたはずである。この「証拠」から、エジプトと宇宙人との関係は、現実味のある話ではないかということが言われるようになっていく。
 確かにエジプトにあるピラミッドの多くには、それなりに謎があるという。現代の技術でもってもかなり困難な作業を、古代人は正確にやり遂げている。さらに実際にはピラミッドには砂岩などでコーキングが施されていたことが分かっているが、後の人たちがこれらをはがして、別の寺院の材料にしたといわれている。エジプト後期の人間が余分なことをしなければ、ピラミッドは、いまだにその姿を崩すことなく存在出来たかもしれない。要するにそれは、当初は人間以外の人知が混ざって建設されたものだったが、人間のみで何かをやろうとしたら、レベルが落ちたのではないかということらしい。
 また当時の風習もあるとはいえ、後頭部が突き出て長い頭をした骨も、たくさん見つかっている。子供のころから頭にひもなどをまいて頭部を変形させるという風習はあったようだが、そのようにして変形させた頭部は、容積自体が変わるわけではなく、当然脳が大きくなるわけではない。しかしながら古代エジプトで発見されたいくつかの頭蓋骨は、明らかに突き出した骨が、大きな脳を入れて巨大化したように見えるものがあるという。それはすでに人間のものであるかも怪しいという。
 まあ、他にもいくつかあったが、僕が子供のころから何回か聞いてきたオカルト話ではある。しかしながら謎が実際に解明されていないようなものもあるし、宇宙人が来たのは本当であるかもしれない。僕らの体には、宇宙人が書き込んだDNAの暗号が埋め込まれている可能性は否定できないし、そうであるから、今暮らしていけるのかもしれない。
  もちろんそうだとしても、目的は分からない。彼らが旅行がてら、飢えを満たす肉を調達させたいからかもしれない。地球の進化した文明と、改めて交わりたいからかもしれない。一応物理の法則があるから、現状そばに宇宙人と交わり得るほどの痕跡を見つけることはできないが、超非現実的な物理革命がおこるかもしれない。
 まあしかし、頭が大きくなったら、それなりに生活には影響がありそうだけどね。
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感謝していいのか木星

2019-08-20 | Science & nature

 空気に重さ、圧力があることは、普段は意識しない。しかし例えば数百から千mくらいの山の山頂でペットボトルを空にして蓋をする。下山して海抜数mくらいの場所でこのペットボトルと取り出してみると、いびつに変形しているはずである。山頂の圧力より平坦な地表では圧力が強くなっている。それは大気の厚みがそうさせているのだ。海の深いところには水圧がかかることは容易に想像できるが、大気の圧力はなかなか感じられないものかもしれない。
 大気は、地球の表面上に張り付くように、薄く張り巡らされている程度なのだという。それは地球の大きさに比べてそうだということであるが、人間のスケールだとそれなりに厚い。赤道付近と北極などは大気の厚みが違うらしいが、おおよそ十キロ程度の大気の厚みがあるという。地表の人間は、その重みの中で生活をしているわけだ。
 地球は岩石の惑星だが、星によってはガス惑星というのがある。土星や木星などがそうである。太陽系で最も大きな木星は、水素やヘリウムなどを中心としたガス惑星である。木星の大きさは地球の約十一倍という。地球が1400個分入るくらいの違いがある。中心には小さな核があるものとは考えられているが、岩石や氷など、その状態のままではいられないほどの圧力があるのだという。ちょっと想像しがたいが、いくらガス惑星といっても、その質量の大きさによる重力はすさまじく、星の中では大気によるものすごく強い圧力に押しつぶされてしまうのだそうだ。
 この大きな星である木星の強力な引力によって、軌道上ははじき飛ばされた岩石が地球に衝突したこともあったという。しかしながら恩恵もあって、地球より外側を周回している木星があるからこそ、太陽系外から飛んでくる彗星などが地球に衝突する確率をグッと下げてもいるのだという。僕らが生かされているのは、ひょっとすると木星のおかげなのかもしれない。
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結局だれかの経済問題なのか

2019-08-14 | Science & nature

 温暖化問題が叫ばれるようになって、もうずいぶん時間がたつ。炭酸ガス(二酸化炭素など)に温暖効果があるのは確かなようで、地球の歴史において全球凍結時代もあるが、炭酸ガスの増加によって温暖化され、現在のように生物がすめるような環境になったとされる。もっとも現代の問題は、人間が生活の中で排出するガスの影響で、気候変動を伴う温暖化が進んでいるという問題であるが。
 地球史の温暖と寒冷のサイクルによると、寒冷化しているという説もある。数年数十年くらいのサイクルの温暖寒冷というのはあんまり意味のあることではなく、もう少し長いスパンで考えると、徐々に冷えていく過程にあるともされている。炭酸ガスで温室効果があって、それを食い止めている可能性もあるのだろうか。
 地球は人間のサイズから考えると巨大なので、その影響力を単一の物差しで測るのは、難しいともされている。確かに人間が生活している実感としては、何か罪悪感も伴って、温暖化を支持している人が漠然と多い気がする。それ自体は科学でも何でもないが、実際に国際的な政治のパワーバランスで、科学を操作する議論に終始されている。そうであるから、もっとも重要な要因であるはずの米国(全排出量の約半分だし)が、参加していない議論になる。そうすると他国が議論しても、そもそもとして大した意味があるわけではない。さらにまじめに手を打ったとしても、もはや手遅れである可能性の方が高いともされている。
 今の生活上、様々な必要があって経済活動がなされた結果、温暖化ガスが排出されているのである。抑制されたら、多くの生活に影響が及ぼされ、最悪少なからぬ人命が失われることだろう。そのような多大な犠牲と非常に高いコストをかけて対策を実行して、関係する一部の人間の金もうけのためだけで終わるのかもしれない。それでもやらなければならないというが、焼け石に水をかけて、どこまで耐えられるのだろうか。
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