ウィル・ペニー (WILL PENNY 1968年=昭和43 監督 トム・グリース ) カウボーイとしてしか生きるすべを知らない初老の男の悲しみが切々と伝わってきて思わず切なくなってしまう西部劇。でもこの作品は1960年代西部劇の代表作の一つでしょう。アメリカでないと作れない西部劇だと思います(映画評論家の方も言っておられました)。 <ストーリー>無学文盲だが (給料を受け取る時自分の名前が書けなくて隠すように x とサインする場面があります)、カウボーイとしての腕は一流の孤独な50男ウィル・ペニー(チャールトン・ヘストン)。仲間には”もう引退の年だ、いつまで牛追いをするんだ” と馬鹿にされるが帰るべきところはない。牛追いの仕事が終わり、厳しいモンタナの冬を越すためにウィルはその腕を見込まれてある牧場(牧場主は名優ベン・ジョンソン)の放牧牛の監視の仕事にありつく。 あるいさかいから狂気のならず者クイント親子と争い、仲間のカウボーイを助けるためにクイントの息子の1人を射ち殺してしまったことから執拗に狙われるようになった。後に射たれて重傷を負いやっとのことで小屋までたどりつくと、監視小屋にはカリフォルニアへ行く途中だというキャサリン母子(ジョーン・ハケットとジョン・フランシス)が入り込んでいた。キャサリンの手厚い看護を受けて回復したウィル。小屋で冬を越すため一緒に生活することになった3人、ウィルと母親との間に愛情が芽生え、少年にもなつかれる・・・ウィルが知った初めての家庭的な味だった。ウィルは結婚して落ち着きたい・・・・と思うのだった。ウィルは悩む・・・・50男の自分に、カウボーイしか出来ない自分に家庭を持つ資格があるのだろうか・・と。 クリスマスの夜、小屋に執拗なクイント一家の手が忍び寄り3人は窮地に陥るが苦心の末やっと倒すことが出来た。 母子の無事を見とどけ、そして自分の心を抑えて母子の元を去っていくウィル・・・・ウィルの悲しみが伝わってくるようなラストシーン・・・・。 特に劇的な撃ち合いがあるでもなく西部劇としては退屈な方に入るんでしょうが、画面からカウボーイの生活がどんなに厳しいものであるかが伝わってくるし、この後ウィルはどうなるのだろう・・・と思わせる余韻を持った作品です。 見る人の年齢によって面白いか、つまらないかが分かれるんでしょうねこの映画。僕は大好きな西部劇です。監督のトム・グリースは当時のカウボーイ風俗、言葉の言い回し、銃器などの時代考証を入念に映画に反映させたんだそうです。母親役のジョーン・ハケットは不思議な魅力をもった女優さんだ。写真はビデオのものですがDVDも出ていて、これには映像特典「思い出の”ウィル・ペニー”/ ”ウィル・ペニー”の名優達」が入っています。
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