西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇 -9- (追跡者)

2008年05月02日 | 西部劇映画
追跡者(LAWMAN 1970=昭和45年) 監督 マイケル・ウィナー
マカロニ ウェスタンにすっかりお株を奪われて精彩のなかった本場アメリカの西部劇の中にもキラリと光る作品もあったのですね。これはイギリスの映画監督マイケル・ウィナーが作った西部劇です。僕自身は映画館では見逃していた(というより地方での公開がなかったと思う・・・?)作品で・・・・後年ビデオで見てびっくりして、なかなかの秀作だと思って 大きな画面で見ることの出来なかったことを非常に残念に思った作品です・・・・

<ストーリー> 異常なまでに法に忠実で,非情とまでいえる法執行官(USマーシャル)ジュレド・マドックス(バート・ランカスター)。 牧場主ブロンソン(リー・J・コッブ)率いるカウボーイ達が牛追いの帰りに立ち寄ったニューメキシコ州バノックの町で酒を飲み はめをはずして発砲し、一人の老人が流れ弾にあたって死ぬという事件があった。町の保安官マドックスは下手人を捕らえて裁くために隣町サバスまで追跡を始める・・・・牧場主は「あれは偶然の事故だった」と部下の非を認めて穏便に済まそうと買収を図るが、サバスの保安官コットン・ライアン(ロバート・ライアン)に「買収の効かない手強い相手だ」・・・・と忠告されるのだった。血の気の多い牧童頭のハーブはマドックスに決闘を挑み射たれて死ぬ。町の人達からは「後家作り」と嫌われ、カウボーイ達からは命を狙われるが、腕も度胸も人一倍で妥協を許さぬマドックスの正義感の前に何人もの男が法の名の下にマドックスの手にかかって死んでゆく。

ある日、下手人のひとりのカウボーイの妻となっていたかつての恋人ローラ(シェリー・ノース)がマドックスを訪ねてきて「夫を見逃して欲しい」と懇願するのだった。ローラの優しさにさしものマドックスの心は揺れる、それに かつては名うての腕利き保安官だったが今では争い事を好まない保安官ライアンの人間味のある忠告にも心動かされ、全てを許して立ち去ろうと決心するマドックスだった。・・・・・しかし遅かった・・・・牧場主ブロンソンが息子、手下を連れてマドックスを倒しに町に現れたのだ・・・・もう引くことはできない。マドックスの「追求をやめる」という説得にもかかわらず従わない2人のカウボーイを射ち そしてブロンソンの息子の挑戦も受けて射ち殺してしまうのだった・・・・息子を失ったブロンソンは絶望して拳銃を自らの喉にあて引き金を引く・・・・・USマーシャル ジュレド・マドックスは馬にまたがり町の人達の冷たい視線を背に受けながら感情を押し殺して悠然として町を去ってゆく・・・・・・・・・・何ともやりきれなさだけが残る、救われない気分の余韻が残るラストなんですが、逆にこうした厳しさに徹した保安官のストイックさがこの西部劇を引き締めているんだと思います、まさに秀作。
マイケル・ウィナーはイギリス人ながらよほどの西部劇通なんでしょうか、西部劇のツボをよく捉えていて、十分に研究(当時のカウボーイの気風など) していないと出来ない作品だと思います。
保安官としては厳格だが時には横笛(フルート)を嗜むという意外な面も覘かせるマドックス役のバート・ランカスター、今では平和な暮らしを望んでいる初老の保安官役のロバート・ライアン、厳しい西部を生き抜いてきたことを随所に思わせる人格者の牧場主役のリー・J・コッブともども陰影のある渋い演技で光っているし、若き日のロバート・デュバル(最近の西部劇「ワイルド レンジ」で初老のカウボーイ役で出ていた) もカウボーイのひとりとして顔を見せています。紅一点のシェリー・ノースもOLD WEST時代のややくたびれた女性の雰囲気をよく出していました。   現在DVDが出ていてます・・・写真はビデオのジャケットを使いました

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