西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇 -21- (シェーン)

2009年12月07日 | 西部劇映画

シェーン ( Shane ) 
監督:ジョージ・スティーブンス 1953(昭和28)年 パラマウント映画製作 同年 日本公開


西部劇映画のベストテンに必ず入るほどの古典的名作で、昔から数え切れないほどの人達にその素晴らしさが語り継がれてきている・・・・・今年最後の連休の日曜日(11/22)は雨模様の寒い一日で久し振りにDVDで「シェーン」を見た。本当に何度見てもその都度感動を覚える作品だ。 語り尽くされている作品なので簡単なあらすじの後 一西部劇ファンとして僕自身の 「見どころ-発見-驚いたこと-疑問に思うところ」 などを述べてみます・・・・・ジョージ・スティーブンス (1904~1975年 カリフォルニア州出身)という監督は西部劇専門の人ではないのに 「シェーン」 には古き良き西部劇のエッセンスが溢れています。  まず写真のDVD解説を元にストーリーを・・・・・・・

<物語> フロンティア時代末期のワイオミング。入植者のジョー・スターレット(ヴァン・へフリン)一家にシェーン(アラン・ラッド)と名乗る流れ者が通りかかる。ここでは開拓農業を行なう入植者たちに対し、放牧用地の独占を狙う牧畜業者ライカー兄弟一党の嫌がらせが続いていた。仲間が入植地を追われる中、ジョーはシェーンに滞在を勧める。ジョーの息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)はシェーンを凄腕のガンマンと思い込み、強く慕うようになっていた。そして ジョーの妻マリアン(ジーン・アーサー)とシェーンはいつしか心通わせる思いを感じはじめていた。
シェーンの出現と開拓農民達の抵抗に業を煮やしたライカーは殺し屋ウィルソン(ジャック・パランス)を雇い 銃による解決を選ぶのだった。シャイアンからやって来た不気味な殺し屋ウィルソンは入植者のトーリー(イライシャ・クック・ジュニア)をけしかけて対決に持ち込み 虫けらのように撃ち殺す・・・・・。やがてライカーの魔手は、ジョーにも向けられる。その時シェーンは、一度は捨てた銃を自らとった! そして・・・・・・(以上解説)。

と続くわけですが、全編をジョーイ少年の目線を通じて見るという特異な形式をとっているために新鮮な感じを受けるのだ・・・・・と物の本にありましたが まさにそんな感じを受けます。
さてここからは私自身の思っていること・・・・・・

(1)時代はいつ頃?・・・・・原作者ジャック・シェーファーの小説では1889(明治22)年となっているそうですが、映画の中では明確な時代を表すところは出てきません。ワイオミングは1890(明治23)年に44番目の州に昇格しているので物語はそれ以前のワイオミング準州時代ということになります。

(2)当時の状況は?・・・・・ワイオミング州には「ジョンソン郡の戦い」という入植農民 対 牧畜業者が対立して一大戦争が起こったという暗い歴史があって この映画「シェーン」はその縮図を元にしている・・・・・といっていいかも知れません。 映画の冒頭数分間で  ” シェーンとスターレット一家の出会い ”  の場面での会話とその最中に訪れてくる牧場主ライカー一党との緊迫したやりとりを見るだけで  ” 当時の状況 ” を読み取ることが出来る・・・・・ところなどはスティーブンス監督の手腕かなーと感じます。

(3)音楽について・・・・・テーマ音楽「遙かなる山の呼び声」は冒頭シェーンが馬に乗って山を下りてゆくところから聴かれるゆったりとした佳曲。
シェーンが立ち寄ったスターレット家の窓際で妻マリアンが ” I was seen nearly home~” と口ずさんでいるのはある映画音楽の本によると「 Aunt Dinah's Quilting Party ( ダイナ伯母さんのパーティー)」という歌で アメリカ南部で親しまれた歌ということで・・・・・こんなところからスターレット一家が南部からの移住者だろうと予想されます。尚この曲は Country Music 界では主にブルーグラス・ミュージック畑のグループで歌われることが多いものです。 

ある雨の夜 ライカー一党にどう対処するかを話し合う入植者達の寄り合いの場面でハーモニカ好きの北部出身の農民が吹く曲がフォスターの名曲「 Beautiful Dreamer」。 南北戦争で南軍に参加したという農民の一人トーレーは皆に ” ストンウォール ” と呼ばれていて彼がライカー一家と対決も辞さないと意気がるとハーモ二カ氏が勢いよく南軍軍歌「ディキシー」を吹き出して茶化すところが面白い( 実際映画の中でも皆が笑っている)。  

独立記念日のパーティーでシェーンとマリアンがペアで踊るシーンはその当時アメリカ中の開拓者たちに親しまれていたスクェアダンス曲「 Put Your Little Foot 」とそれに続く歌「 Goodbye Old Paint ( I'm Leaving Cheyenne ) 」はカウボーイソングとしても知られているようですが きっと当時一般的に歌われていたんだと思います ( paint というのはまだら馬のことで、 Cheyenne はワイオミング州の州都 )。
その日は同時にスターレット夫妻の結婚記念日でもあり皆に祝福されて歌われるのは賛美歌「Abide With Me」。  殺し屋ウィルソンに撃たれて死んだトーレーの埋葬シーンでも「Abide With Me」が歌われ、例のハーモニカ氏が南軍軍歌 「Dixie」をしんみりと吹く・・・・・という具合で 音楽的にも大変豊かな映画になっていることが判ります・・・・・こんなことがわかるようになったのもビデオやDVDで繰り返し見ることが出来るようになった恩恵です。
また古い Folk song や Country & Western 、 Cowboy song 等を知っているとよく理解できるところですし この映画が詩情豊かな- といわれる所以でもあると思います。

ところでこのDVDの大写しのシェーン(アラン・ラッド)の写真は映画の冒頭で馬上のシェーンがジョーイ少年に初めて会って話しかけているシーンで 印象的なところでした・・・・・・・・・つづく


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