銚子・角巳之・三代目

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川施餓鬼

2020年04月18日 | 日記・エッセイ・コラム

銚子第三魚市場へ向かう道中...、千人塚に立て看板...。見てみると施餓鬼の準備をしておりました。
看板には、川せがき、海上山・妙福寺...と。千人塚とは、まさに水死者千人(多数)の慰霊塔。そこで
行われる慰霊祭。妙福寺とは銚子駅近くにある日蓮宗の名刹であります...。

地元の生き字引に聞くと...、1910年(明治43年)3月、銚子~鹿島沖に出漁していた地元船100隻
以上が、折からの暴風で遭難...。一度に1,000名近くの水死者が出てしまった...。その壮絶な経験から
銚子川口てんでんしのぎ...という言葉が生まれたんですよ...と。

てんでんしのぎ...。てんでん(各々で)・しのぐ(凌ぐ)。私の知っている銚子方言の中で、この言葉ほど、
従来と今の解釈が変わった言葉はありません。今まではその場凌ぎとか、行き当たりバッタリとか...。
それで今、修羅場をくぐり抜けてきた者にしかわからない凄みのある言葉として...。

一気に何千人もの人が海に投げ出され、そこで救助を待つなんて悠長なこと言っていられない。とにかく
自分自身で何とか生き延びろ...。川施餓鬼...、突然命を奪われ、彼の地に行っても成仏できず、さまよい
続けている精霊への鎮魂...。海の街の伝統行事ながら、今に繋がるもの(コト)...感じております。