最近、桜の記事が多かったのでそろそろ魚をと思ってましたら、急に“桜鯛”を思い出しました。昨日の水揚げに入ってたので早速掲載します。桜鯛と言っても春先(桜の季節)に揚がる真鯛のことですが、毎度、昔の方々の粋なネーミングには脱帽です。真鯛は王様、最高級魚などと言われておりましたが、最近は養殖も多く、手が届かない魚ではありません。首都圏などでは天然物よりも養殖のほうが美味いという方も多くなっているようです。一般に養殖物は天然に比べ脂が乗っており、価格も手頃です。天然・養殖の優劣は個人差があるでしょうが、私は銚子の蒲鉾屋。地元にいても写真のような(50㎝を越えてました)天然真鯛を食べる機会などそうそう有りませんが、この“天然物”とか桜鯛などという“名称”に少々こだわりを持ち続けたいと思っております。こういう天然の魚が揚がらなくなって、季節感を感じられなくなったら、日本人は日本人でいられなくなるのでは?と危惧しております。季節感は単なる情緒ではなく、色々考えてみると実は非常に合理的な意味があったり、生活の知恵が凝縮されていたりします。海外の格言に、“家畜の食べるものは人間が食べるもの”というものがあります。養殖の場合は管理されたエサのことですが、天然の場合は海の環境そのものであります。今の時期、天然真鯛はエビを好んで食べているようです。そう言えばエビで鯛を釣るなんてことわざもありました。余談が過ぎました。それにしても桜鯛。物凄く綺麗な魚体です。