風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「雨」

2012-02-14 | 生活の風景
雨は土をうるおしてゆく
雨というもののそばにしゃがんで
雨のすることをみていたい
         (八木重吉)
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バルコニー

2012-02-13 | 散歩
駒込の
旧古河庭園にある洋館。
こういう古い建物が大好きなので
意図して見に行ったりもするのだが、
ここの造り、殊にも玄関先のバルコニーの形状が
高校1年の時に1年間だけ通った
古い校舎に似ていて懐かしい思いすら抱いた。
昔の建物は現代建築と比べると無駄が多いかも知れないが
趣があり、思い出の中でも生きている。
こんな造りの校舎で学んだ
古の人達もみなそうだったんだろうな。

「盛岡の
 中学校のバルコンの手摺りに
 も一度我を寄らしめ」
         石川啄木
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紅梅

2012-02-12 | 散歩
東京は
そろそろ春の気配。
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高校2年の頃のこと

2012-02-09 | 風屋日記
特筆すべきことは何もしなかった1年間。
憧れの先輩のためにひと肌脱ぎ、
人数を集めて再興した声楽部も、
元々やりたかったことではなかったので
大人数で方向性が決まり軌道に乗ると同時に醒め
先輩の卒業と同時に顔を出さなくなった。
夏休みまでの前期は
前年後期に続いて生徒会執行部も務めたが
自分達が中心となるべき後期は選挙にも出なかった。
応援団幹部選挙は天邪鬼を起こし直前で出るのを止めた。
とは言え、当然ながら勉強に精を出すわけでもなく、
大学生活への憧れは持ちながらも
受験勉強に対しては斜に構えていた。
皆が部活や生徒会や応援団活動に青春を賭けていた頃
ワタシは毎日学校帰りにいつもの本屋へ寄り
200~300円だった文庫本を買っては
これまたいつものJAZZ喫茶で250円の珈琲を啜りながら
本を読み、マスターからJAZZの講義を受けていた。

あの頃一番ハマっていたのは
ちょっとクールでアンニュイな哲学ながら
どこか切ない雰囲気のアルベール・カミュだったが、
その他ドーデ、サルトルなどの仏文ものをよく読んでいた。
トマス・マンやヘッセなどのドイツものも読んだし、
日本のものでは堀辰雄や立原道造、中原中也など
詩歌に近いものが多かったが
いずれ19世紀末から20世紀前半のものが多かったと思う。
ニーチェやカントなど、あえて哲学書のページを、
わけが分からないながら繰っていたのもこの頃のこと。

JAZZ喫茶「エル・グレコ」のマスターに教わったのは
バド・パウエルやキース・ジャレット、チック・コリアなど
あの頃メジャーだったピアノものが多かったけれど
スタッフやクルセダーズ、ラリー・カールトン・・・
これまた当時流行の
クロスオーバー界をリードした人達のこともよく聞いた。
(クロスオーバー→その後フュージョンと言われた)
夜23時15分からのNHK-FM「クロスオーバー11」を
毎晩聴いては予習・復習を怠らなかった(笑)
マスターからは珈琲のこともいろいろ教わったな。

あまり友人達とつるむこともなく
夕方になると家に帰って夕飯後にはまた本を開く毎日。
夜中、FMから流れてくるクールな音楽を聴きながら
イヤホンをしていないもう片方の耳には
東京行き夜行出発を知らせる花巻駅のアナウンスが
夜気に乗って遠くかすかに聞こえ、
これからの自分の将来への期待と不安の中、
やたらセンチメンタルな気持ちを抱いていた日々だった。

特筆すべきことが何もなかった1年だけれど
様々インプットすることができ、
その後の自己形成のため必要な1年だったのかもしれないと
今になって思ったりもしている。
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2012-02-08 | 生活の風景
花巻の隣町
北上市で痛ましい事故が起きた。
屋根から落ちる雪は怖い。
我が家でも玄関を出る時は気を使う。
景色で見るだけなら雪はきれいなんだけど。

写真は2月6日の朝。
我が家の前にて。
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印刷物

2012-02-07 | 生活の風景
ちょっと必要があって、自宅の書棚の奥から
高校時代の生徒会誌(文集)を引っ張り出した。
その隣に見つけた大学1年次の学生名簿も。

手にすると、つい見入ってしまう。
書き手の今も知っているけれど、
署名を見て思い浮かぶのはヤツらの高校時代の姿。
約35年前の10代の生き生きした姿がそこにはあった。
同じことの繰り返しに飽き飽きし、
違う世界を求めて手当たり次第本を読んでいた頃だが
今振り返ると、なんと輝いていた日々よ。

ひとしきり生徒会誌を眺めたあとは大学の名簿。
現代では個人情報保護法の関係でこんなものはないのだろうが
クラス毎に名前と実家の住所、電話番号、出身校もある。
当時のワタシは知人や同郷者に印をつけていた。
今も付き合いのある人達ももちろんいるが、
名前だけうろ覚えの人達や
全く名前すら覚えていないのに印がついている人達もいる。
同郷者も結構いたんだな。
ひとり故郷をあとにして
知らない世界に飛び込んだ当時を思い出し
なんか無性にセンチメンタルな気持ちになった。

これらの感情が湧いてきたは紙の印刷物があったからこそ。
電子メディアじゃこうはいかない。
第一35年後も見ることのできる電子メディアなんてないだろう。
印刷メディアの大切さを改めて感じる。

ちょっと端が茶色く日に焼けたページを繰りながら
書いてある文字が映し出す鮮やかなシーンのひとつひとつを
噛み締めるように眺めた。
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マルカンデパート大食堂

2012-02-06 | 食べ物・お店

名物ナポリカツ。
このボリュームを見よ!
これで550円。
花巻にて。
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ALWAYS 三丁目の夕日 '64

2012-02-05 | 映画・芝居・TV
舞台は昭和39年。
高度経済成長が始まった頃のこと。
「豊かさだけが幸せではないと思う」というセリフは
現代にもそのまま通じる。
というより現代社会の価値観への重い投げかけ。
でも更なる上昇を指向している時にはなかなか気づけない。
「佐久間先生」の
「今みんな上を目指していますが・・・」
というセリフは多分その時には出てこない言葉だと思う。

本作は親子の絆がテーマだけど、
本当の親子も擬似親子も気持ちは変わらない。
要は親子というより人と人との絆。

シリーズ3作目
映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」は
今までの中で一番良かった。
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ハート

2012-02-04 | 生活の風景
盛岡駅前のかまくら
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「さよなら渓谷」

2012-02-03 | 読書
この著者の作品は
初めて読んだ芥川賞受賞作「パークライフ」以来
「東京湾景」「初恋温泉」と読んできた。
どれもちょっとクールでちょっと切ない物語。
特に「パークライフ」と「東京湾景」は
都会的な雰囲気が全体に流れている。

最近またこの作者の本を読み始めた。
「パレード」「悪人」そしてこの「さよなら渓谷」。
これまで抱いてきたこの作者の作風の印象が変わり、
それによってドミノ倒しのように
過去読んだ本のイメージまでもがガラリと変わった。

最近読んだ3作は日常の中に潜む犯罪を描く。
人の心のキズ、寂しさ、後悔、罪悪感、
そして世間の目と押し付けられたレッテル・・・。
特にこの作品において
現在進行中の犯罪は単なる物語の引き出しであり
だんだん明らかになっていく中心人物2名の
これまでの人生の軌跡が苦しく、切なく迫ってくる。

話題となった「悪人」から2年後に書かれた本作。
まったくシチュエーションも登場人物も違うけれど
「悪人」に続く物語のように見えて仕方ない。

「さよなら渓谷」吉田修一:著 新潮文庫
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「悪人」

2012-02-02 | 読書
誰が悪人?
どこにも本当の意味での悪人は出て来ない。
いや、本当の悪人なんてきっとどこにもいない。
それでも世間は「きっとこうだろう」と
勝手な想像の元でレッテルを貼りたがる。
ネットのニュースのほんの短い情報だけしか読まず
そのひとつひとつに対して
「こんなやつは・・・」「いらない人間」などと
簡単に切り捨て、レッテルを貼っていく人達は
この本(または映画)をどう思うのだろう。

「あんた、大切な人はおるね?
 その人の幸せな様子を思うだけで、
 自分までうれしくなってくるような人は。
 今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎる。
 自分には失うものがないち思い込んで、
 それで強くなった気になっとう。
 だけんやろ、自分が余裕のある人間て思いくさって、
 失ったり、欲しがったりする人間を、
 馬鹿にした目で眺めとう。
 そうじゃないとよ。
 それじゃ人間は駄目とよ。」
登場人物のこの言葉を読み
「自分の大切な人は?」と自問自答した。
皆さんは?

「悪人(上・下)」吉田修一:著 朝日文庫
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黄金 かもめの玉子

2012-02-01 | 食べ物・お店
大船渡にある
製造・販売元の斉藤製菓もまた
復興途上で苦労されている。
「かもめの玉子」は今年発売60周年とのこと。
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