風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

欲しいけど・・・買わない

2014-10-18 | 文化
もう時効だと思うから書いちゃおーかなー(笑)

先月の上京時、bikkiさんに浅草の骨董屋を教えてもらった。
人通りが多い通りから入る薄暗い路地・・・というより、
建物と建物の隙間って感じの角を曲がると
一番奥にぼんやりとオレンジ色の灯りが揺れる怪しい店構え。



薄暗く、中世の城の地下の物置みたいな中は狭っ苦しいが、意外に奥深い。
曲がりくねり、階段で上へ下へと店は広がっている。
時計やラジオ、アクセサリー、婦人服、懐かしい生活用品の数々を
かき分けかき分けどんどん奥に入って行くと
一番奥に男物の服などが下がっているコーナーがあった。
上質なフェルトで作られたソフト帽やツイードの背広。
(これはあくまで「背広」であってスーツなどという軽いものではない)
どちらにも気持ちは動いたものの(特にサイズが合ったツイードジャケット)
懐が心細かったことと、
「こんなもの買ってる立場や場合じゃないだろう」と心の声がして
とりあえず思いとどまったのだが、本当の衝撃はそのあと来た。
服の脇にきれいに畳んであった男物着物を何気なくめくって見ていると

・・・宮古上布の長着!!

広げてみると、ほころびや虫食いはもちろんのこと
シミらしいシミも見当たらない上物。
サイズは・・・着丈も裄もなんとぴったり!!
(昔の人は小さかったので古着のサイズが合うことはめったにない)
「でもねぇ、これだけの宮古上布の着物なら
 へたすると3桁、安くたって50万以上はするよねぇ」
と値段を確認すると・・・98,000円!!
マジか(@@)

というところで現実に戻った。
いかに格安でも、そんな金どこにもないじゃん(笑)
と、ためつすがめつ、撫でたり広げたり畳んだりしたあと
後ろ髪引かれる思いで店を後にしたのだった。

え?最初に書いた、何が時効だって?

自分で買うのは諦めたけど
その後すぐここに書くと、欲しい人が飛びつくじゃん。
自分のものにはできないけど、他人のものにあるのもヤダ(笑)
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