風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

中森明菜

2024-01-05 | 音楽

1月2日に見た2つのTV番組が心に残っている。
チャンネルは違えど続けての放送だった。

はじめに見たのはBS-TBSの中森明菜さんの番組。
久しぶりに、最近録音の歌や本人メッセージが
映像とともに聴けるというので注目。
昔のような声のハリや強い視線がなかったものの
震える内面を垣間見せるような繊細な声。
メッセージの声はどこかあどけなさも感じられて
少し痛々しさを感じたのは思い込みすぎか?

次の番組はNHK-BSのドラマ。
阿久悠をモデルにしたアイドル誕生物語だった。
作詞家というのはある意味プロデューサーだということは
松本隆さんの本を読んでわかっていたつもりだったが
すでに活躍中のアーティストのみならず
デビュー時からキャラクターづくりも含めて
作り上げていくものだとは知らなかった。
それは所属事務所とレコード会社の仕事だと思っていた。

ところでこの2つの番組を見て思ったこと。
アイドルとは商品であり、他者によって作り上げられるもの。
アーティストとは自分を持っていて、自ら表現する存在なのだろう。
そう考えると、中森明菜さんは間違いなくアーティストだ。
セルフプロデュース力は抜きん出ていたと思う。
それを周囲の大人たちが寄ってたかって作り上げようとした。
悪くいうと食い物にした。
その結果が現在の彼女の形なのではなかろうか。
その結果が絞り出すように歌ったあに「北ウイング」だとしたら
あまりにも不憫すぎる。
金の亡者たちは卓越した表現力を持つ稀代のアーティストを
ひとり殺したようなものだ。
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