風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

思い出の家

2023-07-18 | 生活の風景

花巻温泉に花見に行った時の母方の祖父母と私。
別な写真で母がおぶった12月生まれの妹がまだ乳児だから
おそらくこれは昭和38年の春。
私は2歳と8ヶ月だったことになる。
現在92歳の母は当時31歳。
ともに明治生まれの祖父は56歳で祖母は55歳かな?
今の私よりも若い。

紫波町彦部に生まれ、小学校の先生だった祖父は
笹間や湯口、東和町小山田、石鳥谷町大瀬川などあちこち転勤。
家は当時の花巻町営住宅の払い下げを受けたのだそうだ。
大正時代〜昭和初期建築と思われるその家で
母の兄弟6人はみんな育ったという。
私も、両親2人とも教員だったので祖父母の家にお世話になった。
保育園や幼稚園から祖父母の家に帰り、
小学校時代も自宅が近かったのでしょっちゅう遊びに行っていた。
母の兄弟は盛岡や首都圏在住だったり、転勤族だったりで
花巻に住んでいたのは伯母の家と我が家だけだったし
その中で男の子は私だけだったので
特に祖父にはとても可愛がってもらった。
マルカンでごちそうになったり、ぶどう園までサイクリングしたり。
祖父母の家では、祖母の和裁用の裁断板を滑り台にしたり
畑の片隅で飼っていた鶏に餌を与えたりして遊んだ。

どちらも90代で祖父母が亡くなったあと
その家には母の姉である伯母がひとりで住んだ。
早くに伯父を亡くし、娘たちも家を離れてひとり暮らしだったが、
畑で作った野菜などを持ってよく我が家にやってきた。
その伯母が施設に入ってからは空き家になっていたこの家。
コロナ禍を経て、伯母の三回忌に合わせた納骨に
みんなが集まり、この家のこともさまざま手続きがあった由。
家の中の片付けも行い、
あの頃の祖父母が住んだ痕跡もたぶん無くなるだろう。



最後は集まったみんなで
「さくらんぼの木があった」「桑の実も食べたね」
「風呂は檜の風呂でおじいちゃんは熱い湯に入っていた」
「その前は五右衛門風呂で・・・」などなど
思い出話に花が咲き、それぞれ欲しいものを引き取った。
(私は貴重な本類をいただいた)

今のところこの家を壊すのか、維持するのか
売るのか、そのまま持っているのかはわからないけれど
ともあれ思い出の家とともに、
この家での祖父母との思い出とも一旦お別れ。
ありがとうございました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 寄り添ってくれる対応 | トップ | イーハトーブ音楽祭2023 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

生活の風景」カテゴリの最新記事