風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

もうひとつの卒業式

2005-03-13 | 風屋日記
昨日の次男の卒業式。
校長が定年退職で最後の卒業式だったせいもあり
厳粛な中にもハートウォームな卒業式だった。
呼名では息子をはじめ、野球部の1人ひとりの力強い返事にうなづき
言葉をつまらせる校長の式辞に、こちらまで目頭が熱くなり、
これまで、あまり良くないことで話題になりがちだった生徒が
きちんと背筋を伸ばし、胸をはって座っている姿に感動し、
みんなの成長がうれしい時間だった。
ほんの3年前には、ぶかぶかの制服姿だった筈なのに・・・。

ところで、一番涙が出たのは卒業式が終わってからだった。
PTA役員として校長室でお茶をいただいていたら
「2名の生徒の卒業証書授与を行いますので、立ち会って下さい」とのこと。
しばらく学校へ来ることができず、
頑張って卒業式にはきたものの、体育館の隅で見ていた子たちだった。
3年会の先生方と彼女達のご両親が立ち会い、
校長から「よく頑張って今日来たね」と証書を手渡された2人は
ちょっと恥ずかしげで、でもうれしそうで、
見ていた私は、もう涙を押さえられなかった。
「高校も受験して、この一週間は本当によく頑張った」
「ゆっくりでいいから、自分の道を歩き始めよう」
校長の言葉が、その場にいたみんなの胸に沁みていった。
もちろんご両親は号泣。
先生方の目や鼻も赤かった。

暖かい、とても小さな、もうひとつの卒業式。
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>bertさん (風屋)
2005-03-14 12:06:08
そうでしたか。

そういう経験がお有りなら、よくご存じだと思います。

どんな形にせよ、卒業した彼ら、彼女らを祝福したいと思います。

これからの幸福を心から願います。
返信する
歩き始め (bert)
2005-03-14 09:28:50
~卒業式~臨時教師時代の保健室登校の子を思い出しました。

日常生活を面白く「科学する」技術科の私の授業にだけは顔を出してくれていました。

息子さんの同級生達とは少し異なり、既にきっかけをつかみ始めていたようで、卒業式に出席し、呼名への「はい」の返事を聞いて教職員一同涙を流したのを思い出しました。

焦らずとも、同級生達が「歩き始め」てくれるのが楽しみですね。
返信する
おはようございます (風屋)
2005-03-14 07:20:11
>みなさん

そういう子達は、他の子達より繊細で感受性が強い子だと思います。

一律のモノサシで子ども達の能力や進路を計るのではなく

様々なモノサシがあっていいと思うのですが、

この世の中はなかなかそれを許してくれません。

自分をしっかり持てば持つ程生きにくい世の中です。

高度経済成長前までは色んな生き方に許容巾が広い

懐の深い世の中だったような印象があるのですが・・・。



自分の前に敷かれたレールに何の疑問も持たないよりは

疑問を持って立ち止まってしまう子達の方が

正しいような気がするのは私だけ?

家の子ども達にも「立ち止まってもいいから常に考えろ」

とは言っているのですが・・・。
返信する
Unknown ()
2005-03-13 23:06:04
「ゆっくりでもいいから自分の道を歩き始めよう」という言葉がいいですね。

不登校の子で悩んでいる人がいる。

定時制に変えようとしている。

その子に言ってあげたい言葉です。

本当にいい子なんですよ。

本当は負けない強い子に育って欲しいけど。

今外に出ることができなくなっている。





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Unknown (Mcat)
2005-03-13 20:43:37
風屋さんの文書を読んで、

卒業されたみなさんに心から

「御卒業おめでとうございます」と言いたい気持ちです。

やぱり、卒業式っていいな~。
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ステキな卒業式 (はなまる)
2005-03-13 19:33:30
本当に文章を読んでいるだけで涙が溢れてしまいました。

校長室でのもうひとつの卒業式は感動的です、とてもいいお話ですね。

その時の感動を忘れずにいたいですね。
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