風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

日本人の生活

2018-01-24 | 世界・平和
私が子どもだった頃、NHKテレビといえば
戦後すぐからの超長寿番組「NHKのど自慢」のほか、
「新日本紀行」「明るい農村」「ふるさとの歌まつり」あたりが
まず真っ先に思い浮かべる番組だった。
「新日本紀行」の冨田勲作曲のテーマ曲や
「ふるさとの歌まつり」の宮田輝司会者の笑顔が印象的だ。
これらはすべてローカル主体の番組。
これはおそらくNHKに限ったことではなく
民放においてもそういう路線の番組が多かったと思う。
なぜなら、当時の日本の生活はローカルが中心だったから。
一般の視聴者がローカルに住んでいることを前提として
その人たち向けに番組は作られていた。
まだそういう人たちが「民衆」「大衆」と呼ばれていた時代だ。

確かに当時から見れば、都会に住む人の割合は増えたろう。
しかし、その割合が逆転するほど違うだろうか。
いま都会に住む若い人たちのテレビ離れが当たり前になっている。
テレビを持たないひとり暮らしの人たちも珍しくないのだとか。
ローカルは高齢化している。
高年齢の人たちにとって一番のメディアはテレビだから
そう考えると、視聴者の割合は、
ヘタすりゃ昔以上にローカル視聴率の割合が高いのではあるまいか。
にも関わらず、今日もテレビに映るのは
あるいはテレビで話題になるのは首都圏を中心とする都市のネタ。
テレビ番組の作り手が本当に視聴率を考えるなら
ターゲットを考え直すべきときに来ているのではないか?

テレビ番組をひとつの例として挙げたが
どうも情報そのものの立ち位置というか視点というかが
「日本全国」あるいは「民衆」「大衆」ベースになっていない気がする。
どこかクールな他人事で、何に対しても批評や揚げ足取りばかり。
お笑いをはじめとするバラエティーもその通りだ。
地に足をつけ、何気ない日常にフォーカスするものが少ない。
ささやかで恙無い日常の小さな幸せをすくい取ることなく
単なる刺激ばかりが大手を振っている。

日本人はどこにいる?
8割以上の日本人たちは首都圏以外のところで
自分たちの生活を大切にしながら日々の暮らしを営んでいる。
いまそこにこそスポットを当てるべきじゃなかろうか。
コメント
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