風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

都知事選結果を見て

2014-02-10 | 世界・平和
「原発立地可否をめぐって行われる住民投票は駄々っ子の甘えだ」
                    (1996年雑誌に寄稿)
「核のゴミはシベリアの人の住めないところで管理すればいい」
             (昨年12月ラジオのトーク番組にて)
「私も脱原発を言い続けています」 (立候補時の記者会見より)
「脱原発とは原発依存を無くすということ」(立候補後の記者会見より)
「原発依存体質を少しずつ減らすのは重要だが、国との調整も必要」
                    (当選後の舛添さんの発言)

以上は舛添さんによる原発に関してのこれまでの発言。
要は
「原発は国の施策だから国民は黙って従え」
     ↓
「自分も実は無い方がいいと思ってる」
     ↓
「でも原発をどうするかは国が決めることだから知~らない」
ってことね。・・・無責任。

ところで都知事選の結果について自民党からは
「ワンイシューポリティカルの手法はもう古い」
という声が出てるけど、選挙結果をよく見て欲しい。
確かに当選したのはは舛添さんだが、
「ワンイシュー」を唱えた細川さんはじめ、
「脱原発候補」は3人合わせて1,951,341票を獲得している。
これはほとんど住民投票に近いのではないだろうか。
つまり舛添さんを支持し、当選させた人たちとほぼ同じ人数が
「脱原発という施策」を支持したことになる。
「舛添さんが評価された」と言うのなら
「脱原発」も評価されたと認識すべきだと思う。

  舛添要一  2,112,979
  宇都宮健治  982,594
  細川護煕   956,063
  鈴木達夫    12,684

それでも安倍内閣の
「私たちには、低廉で安定的なエネルギーを供給していく責任がある。
 原子力規制委員会が基準に合うと判断したところについては、
 地元の皆様の同意を得る努力をしながら、再稼働をしていきたい」
                        (安倍首相発言)
という方針は変わらないんだろうな。
なぜなら、輸出産業としての原子力技術が重要と考えているだろうし
これまでかけてきた膨大な予算がムダにもなるから。
それどころか↓こんな恐ろしいことが実はホンネだったりするんだろう。
「原発をなくしてはいけない。
 なぜならどの国も原子力政策と核政策はセット。
 日本は核を持つべきだとは思ってはいないが、
 核を作ろうと思えば作れるというメッセージは周辺国への抑止力になる」
               (報道ステーションでの石破幹事長発言)


ところで、選挙結果を見ながらふと嫌な予感を感じた。
もしかしたら細川さんの突然の立候補は自民党が黒幕なのではあるまいか。
「脱原発ムーブメント」で宇都宮さんが勝ってしまったら厄介だ。
細川さんなら、もし勝ったとしてもバックは自民党員の小泉さん。
多少スポイルされたとしても自民党が勝つことに変わりは無い。
しかも「脱原発」票はうまいこと割れてくれるだろうという計算も成り立つ。
それどころか、舛添さんが勝ったことにより
小泉さんの求心力は一気に無くなり安倍ちゃんの足元がより強固になる。
小泉さんが身を呈して安倍ちゃん、ひいては自民党の足場を固めた
確信犯だったのかどうかまではわからないけれど
少なくとも細川出馬の後がに舛添さんが勝ったことは
今の自民党におおいに有利に働いたことは確かなことだろう。
そう考えると、小泉さん自身が出ずに細川さんを担ぎ出したって理由も
自ずと理解できるというものだ。

本当にそうだったのかどうか、想像の範囲内でしか無いけれど
(でも流れを見るとそう思わざるを得ない)
でも事実だったとしたら・・・
イデオロギーもイシューもあったもんじゃない。
選挙は政策ではなく戦略で行われていることになる。
有権者は徹底的になめられてる。
コメント
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