風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

都会

2011-01-17 | 生活の風景

かつて泳ぎはうまかったはずだ

山の中の小川が出自にも関わらず

都会の雑踏という大河の水面を

さして周囲に気も止めること無く

川の流れをものともせずに

「我が川」とばかりすいすい泳いでいた

 

あれからずいぶん時間が経った

最近ではゆったりした流れに身を任せながら

時折川底に沈んで行く「何か」が気になり

そのたびに潜って確認したりしてみるけれど

「それ」はすぐに川底の泥に埋まってしまって

何かが見つかったためしはない

 

そんな私をひとり残し

川は変わらずただ流れて行く

 

コメント
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