風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

野球を見よう

2004-11-02 | 風屋日記
「Customer's Satisfaction」ということばがある。
いわゆる企業活動における「CS」というヤツだが、
日本語では「顧客満足度」と訳される。
この厳しい経済情勢の中、これに欠ける企業は生き残れないらしい。
高度経済成長時代はメーカー主導だったと言われる。
顧客の意向に関わらず、
メーカーが新しく作るものはどんどん売れた良い時代と回顧される。
しかし「プロジェクトX」を見ても分かる通り、
当時のメーカーもちゃーんと市場のリサーチをしているのだ。
現代のようなシステマチックなリサーチ方法だったり、
お客さま相談窓口を設けて生の声を聞くというやり方ではないものの、
自分の家族や知人の声に耳を傾け、
試作品を試してもらったりすることもあったようだ。
つまり「CS」という概念は、
昔から経済活動にはなくてはならないものだったということだ。

日本政府に例えてみればどうだろう。
イラクという顧客は「復興支援」という商品を求めてはいるだろう。
だがそれは「自衛隊」というサービスだったのだろうか。
果たしてイラクという顧客の「CS」は満たされているのか。
どちらかというと顧客の声に耳を傾けるというよりも、
メーカー(アメリカ)主導のような気がする。
「メーカーのいう通りにしていればいい」という
商店のオヤジのような状態に、今の日本はなっているのではないか。

さて今日の本題は、
あちこちのblogで話題にされているであろう「ライ楽戦争」だ(笑)
もちろんこれはデキレース。
審査という方法を採り、1ヶ月以上もの検討時間を設けたのは
市場のコンセンサスを得るためにはちがいない。
自分達に尻尾を振ってくるものの頭を撫で、
挑戦状を叩き付けたものを戦う前に排除する。
それどころか、なにかと小煩い若造を排除するために、
古狸達が子飼の若手をわざわざ引っぱりだした・・・
という構造であるような気がしてならない。
そしてこの古狸達は、企業は社会的器であり、
野球は経済活動を超えた社会的活動になっているということを
全く理解できていないらしい。
ファンをどう開拓するかではなく、今いるファンをどう分けるか、
いかに仲間内で利益を分け合うかしか頭にはないようだ。
顧客が何を求めているかを読めず、私利と利権固持に走っている。
「CS」なんぞどこふく風。いつの時代に生きているのか。
このままでは日本のプロ野球の将来はない。
以前書いたと思うが、企業経営は「For Profit」ではいけない。
「Not For Profit」を基本にして、最も大切なのは哲学なのだ。

プロ野球から離れようかと考えているファンの方々へあえて言う。
野球を見よう。
古狸のチーム以外のチーム(選手会の話をちゃんと聞いたチーム)
が主催する試合を見に行こう。
そういうチーム主催の試合のTV中継を見よう。
少なくとも古狸達に、
プロ野球ファンが減った理由をストライキのせいにされないために。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする