goo blog サービス終了のお知らせ 

因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

東京Ne+wS『嘘つきなひだりがわ』&『蛇がわの女』

2007-02-24 | 舞台
*ハナヲ作・演出 下北沢OFFOFFシアター 公式サイトはこちら 公演は28日まで  第17回下北沢演劇祭参加作品
 雪深い地方のペンションの1階ロビーの午後3時。東京からの客に加え、地元の青年や休暇で帰省中の警官、オーナーの奥さんのいとこなどがやってきている。オーナー夫婦のきさくな人柄もあって、人々が気楽に立ち寄れるペンションらしい。だが話が進むうち、奥さんのいとこがほんとうは赤の他人だったり、警官が実は仕事をやめていたり・・・と登場人物のほとんどが少しずつ嘘をついていることがわかってくる。ペンションの従業員の広(ひろむ)くんは、人の左側に立つとその人の言うことが嘘かそうでないかがわかるという不思議な能力がある。折しも町ではバラバラ死体の一部が発見され、ここにいる人たちの誰かが犯人ではないかという疑いが広がりはじめ、舞台は次第にサスペンスドラマ風に。

 内容が内容だけにネタばれの記事は書けないのだが、これは「プチ公演」と銘打たれた『蛇がわの女』と是非セットでご覧になられたし。本編約80分に対して30分ほどの小品なのだが、同じペンションの2階客室の同日午後3時15分が舞台なのである。ロビーでこういうことを言っていた人が、2階ではこんなことを言っている。え、この人さっきいなかったよなどなど。すべてが明らかになるわけではなく、逆に謎が深くなるところもあって混乱させられる。できればどちらもちゃんと起きて(ぜんたいの雰囲気が緩いので、ついつい眠気が)もう一度見直したい。しかし何度みても人の心のほんとうのところはわからないのかもしれないが。他人どころか自分の心だって。

 もしこれが本多劇場だったら、ひとつの舞台に1階と2階を作って同時進行の芝居にできるだろう。そうすればもっとわかりやすいだろうが、謎解きに心が奪われて平凡な芝居になったかもしれない。これが初見の劇団、今後も要注意である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 横濱リーディングコレクショ... | トップ | 庭劇団ペニノ『笑顔の砦』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台」カテゴリの最新記事