メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

グレイテスト・ショーマン

2018-12-06 14:18:37 | 映画
グレイテスト・ショーマン (The Greatest Showman、2017米、104分)
監督:マイケル・グレイシー、脚本:ジェニー・ビックス、ビル・コンドン、音楽:ジョン・デブニー、ジョセフ・トラバニーズ、楽曲:ベンジ・バセック、ジャスティン・ポール
ヒュー・ジャックマン(P.T.バーナム)、ザック・エフロン(カーライル)、ミシェル・ウィリアムズ(チャリティ・バーナム)、レベッカ・ファーガソン(ジェニー・リンド)
 
実在した興業師P.T.バーナム(1810-1891)の半生を題材にしたミュージカルで、楽曲は「ラ・ラ・ランド」と同じ二人、ただミュージカル映画全体としての出来と楽しさは今回の映画の方が上であった。
 
上流階級の幼なじみとなんとか結婚したバーナム、仕事は山師の傾向があったのだが、あるきっかけでかわった癖のある連中を集めてサーカスショーをはじめ、かなり成功する。途中でいい家出身のカーライルと組み、欧州で評判の歌姫ジェニーをニューヨークに呼び寄せ大成功、上流階級にも入っていく。しかしこのあたりから、団員、家族と溝ができ、再びできた社会との衝突、施設の火災などから、どん底に落ちるが、そこで価値を見直し、周囲とも和解、再起して、、、という、ミュージカルにぴたりの筋立てである。
 
物語の立ち上がり(起の部分)のテンポがよく、音楽もきびきびしていて、あっという間に見ているものをこの世界に引き込む。全体的に耳に残るメロディが特にあるわけではないが、リズムが演奏も含めてよく、それにダンスや見栄えする動きがあいまって、画面を楽しく追うことができた。
 
中盤で人間同士のちょっと難しい葛藤が続いた後、最後(結の部分)はこれもジェットコースターのように快調に見事に進んでいく。
歌唱はいまどきのミュージカルのうまい人を集めた感じで、破綻はないが、いろんなレベルがそろいすぎていて、もう少し個性というか凹凸がほしいところではある。
 
ヒュー・ジャックマンは、こういう起伏の多い人生、ドラマを生きていく主人公として、通常の演技派とはちがうそんなに見せ方を変えない、変わらない演技であるが、これがむしろいい。極端にへこんだり、舞い上がったりという見せ方はミュージカルには向かないと思うのだが、本人もそれはよくわかっているみたいで、あのカッコよさが最後ま続く。
 
好きなシーンとしては、主人公がはじめてカーライルと会い手を組む交渉のやりとりで、大きなバー・カウンターを背景に、二人とバーテンダー、いくつものショット・グラスが音楽と一緒に小気味よく動くところ。




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桑原あい ザ・プロジェクト... | トップ | 沢木耕太郎 「銀河を渡る」 »

映画」カテゴリの最新記事