メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

バルセロナ ヨーロッパ・チャンピオン

2009-05-28 16:54:29 | サッカー
ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ 決勝 (2009年5月27日(水)、ローマ)
FCバルセロナが2-0でマンチェスター・ユナイテッドを降した。
 
前半10分、イニエスタから出たボールをエトーが切れ込みゴール、後半には、一度跳ね返されたあとによく似た形で再度攻め上がり、メッシにシャビが絶妙のタイミングでクロスを入れ、それを背の低いメッシが懸命というか献身的というか、体を斜めにして飛びつき追加点。
  
TVの解説で再三強調されたように、イニエスタ、シャビ、メッシ、この3人を中心にしたパス回し、特に相手が一番もらいたい位置(数センチ以内?)、パスをもらって次に何をするかそれをすでに決めている最適なトラップ、これらは基本と言えば基本だけれど、これだけ続けてミスなくやられると、相手はどうしようもなくなる、そういうことがこんなによくわかるゲームはないだろう。
  
それにしてもマンUはこういうタイプを経験していないのだろうか。最初の数分、クリスチャーノ・ロナウドが何本かいいシュートを打ったのがむしろ裏目になったこともあるだろう。そのあと力が入りすぎていたし、ルーニーが活きる場面もほとんどなかった。
 
イニエスタとシャビ、スペインといってもハプスブルグにもつながるスペインというより、似てはいないがそれぞれイベリア半島オリジナル、という風貌がいい。
 
そしてエトー(カメルーン)、ゴール近くに向かうボールにピンポイントで飛んでいく姿は世界一早く美しく、まるでピューマのよう。

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ブログ 3年 300回

2009-05-26 21:27:23 | 雑・一般
昨日書いた「水泳(東急マスターズ)」が300回目の原稿になったはずである。
 
2006年5月5日、このブログを始めたとき、ある程度の量は書こう、1年100本のペースで3年は続けようとひそかに思った。
 
回数ではほぼそのとおりになった。だいたい1年、100回ごとに少しスランプというか、義務で書いているような時期がある。理由はわからない。
 
内容については、名前がわかるようにしているということもあり、身辺雑記のようなものは書かず、まとまったものを見たり、聴いたり、読んだりした後に、それについてしっかり言い切れることを書こうと考えた。
 
それは、なんとか続けられたようだ。そうやって見ると、硬いから少し崩そうかと思っても、頭も手も言うことをきかない。そんなに次元の高い話ではないけれども、これが文体というものかもしれない。
 
とはいえ、これから少しずつ柔らかくしていこう、とは思っている。

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片岡球子 展

2009-05-25 18:18:50 | 美術
「追悼103歳 天に献げる地上の花 片岡球子 展
(日本橋高島屋8階ホール、5月20日~6月1日)
 
片岡球子(1905-2008)の絵をこれだけまとめてみるのは始めてである。これまで大抵は一つか二つ、確かポーラ美術館で十くらいだったか、そのくらいだ。
 
人物、富士山を中心とした山岳、面構(つらがまえ)シリーズ、晩年の裸婦、と50点あまり、規模は大きい。
 
今回気づいたのは人物の眼で、多くは何かを特にうったえてはいない、その暗闇に引き込まれそうな、ちょっと不気味な眼である。子どもの眼でも、いや特に子どもの眼なんかが。
 
これも徹底的な観察の結果なんだろう。西洋古代彫刻に眼がないのと同じ理由かどうか、それはわからない。
 
富士山は、「富士に献花(1990)」という有名なものが展示されているが、もう少し山に集中した、それも抽象化の度合いが結果として高いものの展示が欲しかった。欲を言えばである。
 
面構で一つ選ぶとすれば、広重だろうか。

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水泳 (東急マスターズ)

2009-05-25 17:56:29 | 雑・一般
東急マスターズ水泳競技大会に、昨年5月から3回続けて出ている。
昨日5月24日(日)はその第30回であった。
 
今回は前回(10月)に続き、25m背泳、25m平泳、50m平泳の3つ、前の二つが午前、もう一つが午後。結果は背泳が1秒早く、平泳は25mが横這い、50mは3秒近く落ちた。
 
背泳はまだ昨年多少苦手にもかかわらずエントリーが少ないのを狙ったということもあり、その後の伸びしろがあったということだろう。1秒更新は入江君の刺激ということにしておこう。
 
50mについては、スタートを含めて特に失敗はなかったはずだが、原因があるとすれば、3本目、午後ということから、疲労、コンディション作りの影響など、この年齢からすれば、あるのかもしれない。
それと、ふだんスクールの練習で、25mは競技を意識した泳ぎ方を時々するけれど、50mというのはどちらかといえば持久力練習になっている。時々は最初から飛ばして最後はどう落ちるか、ということをやってみてレース感を作る必要があるだろう。そうでないと力を余して終わることがあるかもしれない(えらそうな?)。
 
こういうものは、出てみるまでどういうレベルの人たちがどういう雰囲気で、ということがわからないから、なかなか出場に踏み切れない。そして出てみると自分の位置の低さにさて次はどうしようかと、いろいろ出る理由を考えるものである。それが面白い、と自分を対象化できればなのであるが、まだあと一息というところ。
種目は今後どうなるかわからないが、ともかく続けようと思っている。

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国宝 阿修羅展

2009-05-23 18:29:15 | 美術
国宝 阿修羅展」(東京国立博物館平成館、3月31日~6月7日)
 
興福寺の阿修羅像、一度奈良で見たようにも思うのだが、定かではない。写真などでは全体に赤い色調で、そういうイメージがついていたが、やはり実際に見てみるものである。
全体は想像したより比較的小さい。八部衆の一つという知識がなかったのだが、そうであればこのくらいだろうか。また色はそんなに赤くない。
 
こうして360度、すべての角度からゆっくり眺められるというのは、やはり価値がある。正面のなんとも言いがたい顔はもちろんだが、左側の下唇をかんだ顔ももう少し後ろに回ると、またそういう激しさとは別の面が見えてくる。
右側の顔も真後ろに回って見るとなんとも美しい女性の顔だが、正面に回ってくるにつれてきりっとした男性の顔も見て取れる。
 
彫刻や能面など、角度によって同じようなことはあるから阿修羅だけのことではないが、この展示はありがたい。
 
極端にスマートなプロポーション、不思議な6本の手、衣、靴、734年の作である。これを浮かび立たせる照明も、この数年この館の熟練の成果だろうか。ここまで思い切った見せ方は、自信がないとなかなか出来ないだろう。
 
中金堂鎮壇具という数々の展示物、金、水晶、瑪瑙などの美しいものが多い。並べ方にもセンスがあった。
 
順路の最後の一室で、凸版印刷がつくった中金堂(再建中)と阿修羅像のヴァーチャル・リアリティ技術を使ったデジタルアーカイブ映像抜粋が上映されている。SONYのいわゆる4K(横4000縦2000)プロジェクターによるものだが、このような中小映画館規模の画面になると、画質はあと一息に見えた。

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