メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

歌劇「今日から明日まで」(シェーンベルク)

2012-04-16 10:17:48 | 音楽一般
作曲:アーノルト・シェーンベルク
指揮・エリアフ・インバル、演出:アンドレアス・ホモキ
ゲオルク・ニール(夫)、ブリギッテ・ゲラー(妻)、マティアス・シュルツ(歌手)
2008年8月18日、20日 ヴェネツィア・フェニーチェ歌劇場  2012年3月NHK BS 放送録画
 
シェーンベルク(1874-1951)が1928-1929年に作ったといわれているこの1時間近くの短いオペラ、名前をかろうじて覚えていた程度で、聴くのも見るのも初めてである。
それも「モーゼとアロン」みたいな重いテーマのものと違い、パーティから帰ってきた夫婦がそれぞれ楽しい相手、妻の友達とオペラ歌手との話をするうちに、お互いの悪いところの言い合いになり、決裂寸前にその相手二人が現れて、、、という、夫婦もののコメディとしてはよくあるパターンのプロット。
 
これにシェーンベルクの無調音楽(十二音技法)が、かなりめりはりのきいた響きでついてくる。しかし、話がドタバタだからか、この取り合わせはうまくフィットしているように聴ける。
後のベルクのオペラにおけるような悲劇的な効果とは反対だ。
 
舞台装置はレトロ・モダンというのか、白と黒の内装、夫婦の衣裳も白と黒、だが、途中で妻が夫を刺激し始めるあたりからカラフルなドレスが出てくる。
 
指揮のインバル、若手マーラー指揮者という私の印象から随分時間がたち、鋭いが手堅い。
 
この作品もこうして見ることが出来たのはありがたい。
いくつかの劇場で案外これからレパートリーになるかも知れない。
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