特別展 尾形光琳の燕子花図 -寿ぎの江戸絵画-
2019年4月13日(土)-5月12日(日)根津美術館
燕子花が見られるのはこの季節ひと月ほど、何回か行っているが、5年ぶりになる。
やっぱりいいなあという以外、特に付け加えるところはないけれど、細かいところで少し。
この屏風、六曲一双だが、一目でわかるように、右側の六曲はリズム感が強調されていて、ダイナミックである。それに対して左側はしっとりしていて、全体として落ち着きを与えている。
そう考えて思い出したのは、2月に熱海のMOA美術館でこれも期間限定で見た光琳の「紅白梅図屏風」(国宝)で、これは中央の水の流れに大変な存在感があるが、右の紅梅と左の白梅を比べると、やはり紅梅が力のこもったダイナミックな形を見せ、白梅は洗練され落ち着いた美しさがある。じっくり見るとここでは白梅に時間を奪われるのだが。この左右の対照は光琳に特有なのか、偶然なのか、この種の絵の定石なのかはわからない。
それと離れてみると、藍の色の鮮やかさが際立つ。藍銅鉱(らんどうこう)という岩絵の具らしい。おりしも美術館の庭の池に燕子花が咲いていたが、いい天気だったせいか、こちらはもう少し明るい紫という感じだった。
今年また行ってみようと思ったきっかけの一つに、紙幣のデザインがいずれ変わるというニュースがあった。なかでも今の五千円札は大変好きなもので、樋口一葉とこの燕子花の組み合わせはとてもセンスがいい。絵を見ながら、お札を取り出し確かめてみたら、右側六曲の左から三曲が使われていた。
2019年4月13日(土)-5月12日(日)根津美術館
燕子花が見られるのはこの季節ひと月ほど、何回か行っているが、5年ぶりになる。
やっぱりいいなあという以外、特に付け加えるところはないけれど、細かいところで少し。
この屏風、六曲一双だが、一目でわかるように、右側の六曲はリズム感が強調されていて、ダイナミックである。それに対して左側はしっとりしていて、全体として落ち着きを与えている。
そう考えて思い出したのは、2月に熱海のMOA美術館でこれも期間限定で見た光琳の「紅白梅図屏風」(国宝)で、これは中央の水の流れに大変な存在感があるが、右の紅梅と左の白梅を比べると、やはり紅梅が力のこもったダイナミックな形を見せ、白梅は洗練され落ち着いた美しさがある。じっくり見るとここでは白梅に時間を奪われるのだが。この左右の対照は光琳に特有なのか、偶然なのか、この種の絵の定石なのかはわからない。
それと離れてみると、藍の色の鮮やかさが際立つ。藍銅鉱(らんどうこう)という岩絵の具らしい。おりしも美術館の庭の池に燕子花が咲いていたが、いい天気だったせいか、こちらはもう少し明るい紫という感じだった。
今年また行ってみようと思ったきっかけの一つに、紙幣のデザインがいずれ変わるというニュースがあった。なかでも今の五千円札は大変好きなもので、樋口一葉とこの燕子花の組み合わせはとてもセンスがいい。絵を見ながら、お札を取り出し確かめてみたら、右側六曲の左から三曲が使われていた。