メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

マスターズ水泳

2015-06-29 21:51:26 | スポーツ
東急系のスポーツクラブ内で開催しているマスターズ水泳、昨年暮れは施設と気候などの理由で不参加だったが、今回は参加。年齢も考え無理はしないことにし、このところ続いて出ている100m個人メドレーではなく、比較的気楽な50m平泳ぎにエントリーした。
 
久しぶりだったのでタイムはどうなるかと思ったが、それほど悪くなかったので一安心。スタートとターンがいまいちだったのをなんとかすれば、というかもう少しえげつなくやれば1秒は縮められたと思う。
 
水泳を初級から始める前、平泳ぎだけは泳げたこともあり、その後も疲れた時はこれという感じだった。この複雑な泳ぎのいくつかのポイントはほぼ全部わかっていて、普段の練習でもチェックポイントにしており、改良すべくやってはいるのだが、それでもタイムはほとんど伸びない、というのが難しいというか面白いところである、

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ヘレン・シャルフベック展

2015-06-24 13:29:22 | 美術
ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし
東京藝術大学美術館 2015年6月2日(火)- 7月26日(日)
 「
ヘレン・シャルフベック(1862-1946)はフィンランドを代表する画家のひとりだそうだが、この展覧会までは名前も知らなかった。彼女は3歳の時にけがで足を負傷、生涯杖を必要とし、男性ともうまくいかないことが続いた。それでも画家としては、パリで印象派の画家たちに影響をうけ、画風としてはホイッスラーの影響が強いと言われている。若いころの代表作「恢復期」(1889)は、これだけできわめてすぐれた画家であることを納得させるもの。
 
画業の中盤までは女性をモデルにしたものが多く、特に視線のとらえ方が見事で、気持ちよく見ることができた。人生の終盤には、自画像が多くなり、見ていて痛々しいものもあるけれど、その一方で画家としその粋をこらしたものもあって、見ていて気持ちが沈む一方ではない。技法としても、やりたいことを存分に出したともいえる。技術、表現意欲、そしてプライド、これらがそろった人だったと思われる。
 
北欧の画家の回顧展はそんなにない。ノルウェーのムンクは別として、2008年にデンマークのハンマースホイ展があったくらいか。今回フィンランドの画家をこうしてみることができたのは幸いだった。


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アデル、ブルーは熱い色

2015-06-17 20:39:45 | 映画
アデル、ブルーは熱い色(2013仏、179分、LA VIE D'ADELE/BLUE IS THE WARMEST COLOR)
監督:アブデラティ・ケシシュ 原作:ジュりー・マロ「ブルーは熱い色」
アデル・エグザルコプロス(アデル)、レア・セドゥ(エマ)
 
高校生のアデルと美大生エマが出会い、愛するようになって、おそらく数年間、小学校の教師、画家として巣立っていく間、その愛の崩壊とその受容、再出発が描かれる。
 
原作はあるようだが、、台本に沿った演技、撮影というよりは、シチュエーションごとにおそらく自由な会話もさせそれを編集して作ったのだろう、だからこんなに長いのかもしれないが、退屈するというほどではない。
 
フランス映画ではよくこういう楽しみ(?)があって、クラブ、パーティ、家庭の会話、小学校の教室、などは見ていて興味がつきない。特に教室での授業は、「大人は判ってくれない」でもあったように、年齢のわりに高度で、ちょっとうらやましい。今回はおそらく小学校1年生。
 
女性同士の愛を中心に置いたのは、一般向け(?)の映画としては特殊なんだろうが、男女のそれよりは詳細に丁寧に描けることがあるかもしれない。ここまでの性描写が必要かという議論はあるだろうが、見る側の理解はこのほうが確かになるだろう。
 
カンヌ映画祭パルムドールにふさわしいのかどうかはわからない。ただこの作品が抜きんでているとすれば、それは主人公アデル役のアデル・エグザルコプロスだろう。おそらくかなり長期にわたって撮影されたのだろうが、何気ないシーンが続く長いカット、しかもほとんどがアップ、そこでの彼女の顔、表情がいい。「映画」でこの要素は大きい。

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鴨居玲展(没後30年)

2015-06-09 22:00:56 | 美術
鴨居玲 展 踊り候え 没後30年 北陸新幹線開業記念
2015年月30日(土)~7月20日(月) 東京ステーションギャラリー
 
鴨居玲(1928-1985)の名前は5年ほど前までまったく知らなかった。石川県立美術館を取材で訪問した際、ここで県にゆかりのある作家の作品を意識して収蔵しており、またその画像をデジタルアーカイブとして館のサイトで、まだ著作権がある時期にレイ公開することを遺族におねがいしているとのことであった。その中で鴨居玲は若い人たちに人気があるとうかがった。(特に大作「私」)。
 
今回こうしてその全貌を見ることができるのはうれしい。自分の眼とそれで見たものの表出について、確かなものをつかんだ画家だということが理解できる。自身を含め、人が生きていくことの苦しみ、胸の中を吹いていく風、それは時間だろうか、そういうものを、暗い色、教会の絵などで特徴的なグリーン、朱に近い赤などで、独特なタッチで見せる。
未完で今回初公開の「私の話をきいてくれ」、なんともいえない、、、
 
濃い表現が多いが、何か重量がないというか、ふっと浮いたような感じがいい。酔っ払いの絵も多いけれど、それはそこで際立つ。
その浮いているような感覚はどこかグレコに通じると思っていたら、ある時期スペイン、ポルトガルなどで描いていたようだ。
57年の生涯は長くないが、描き切ったといえないことはない。
 
さて東京ステーションギャラリーは新装なってから3回くらい行ったけれど、新しい駅の中という制約のせいか、動線がうまくなくて、ちょっと疲れる。しょうがないといえばそうだが。
 
このギャラリー、今回は北陸新幹線開業記念、石川県出身の画家を取り上げたが、これまでもJR東日本からつながりがいい地域出身の河野通勢(群馬・長野)(1998年)、佐藤哲三(新潟)(2004年)などなかなかいい企画があった。日本の画家の回顧展を今後もこのようにやってくれるといい。

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ルービンシュタイン「ショパン:夜想曲集」

2015-06-02 21:42:55 | 音楽一般
ショパン:夜想曲集 アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
これもコーガンの「アンコール集」と同じく名盤コレクション1000(ソニー)で最近出たもの。1965/1967年の録音、もちろんRCA原盤だがソニーからの発売。
 
若いころ、ルービンシュタインはとりわけショパンで名声が高かったのだが、まともなショパン、まずはこれを聴いてという感じだったから、生意気ざかりだと、もっとテクニックも表現も突き抜けたというか、いい意味でのケレンの方に行ってしまい、ルービンシュタインのいい聴き手ではなかった。もっともあの映画「カーネギーホール」では「英雄ポロネーズ」、ファリャの「火祭りの踊り」など、どちらかというとこれ見よがしのうまさの印象もあり、どっちもあんまり、、、だった。
 
ところが、15年くらい前だったか、フィリップスから原盤所属の垣根を越えた「20世紀の偉大なピアニスト」という選集で、このルービンシュタイン2枚組二つのうち一つがショパンのソロ・アンソロジー、これを聴いていて、まいった。
 
ヴィルトゥオーゾらしいピアニズムではありながら、とげがなく、ショパンの書いた台本が自然にこちらに入ってくる。ショパンで一番好きな「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」でもそれはそう。
 
さてこの夜想曲集のうちいくつかは前記CDにもあるから、期待通りの出来で、こういう一枚を場合によってはBGMとして聴くのもよい。
この1枚はおそらく2枚組の全集から作ったもので、第7番から第19番(遺作)までが並んでいる。本当は番号順でなくて、誰かがうまく並べてくれてもよかったのだが、発売する会社としてはそうもいかないのだろう。それと買ってしまってから気がつくと、いろいろなところで使われていて有名な第1番、第2番が抜けていて、さらに映画「戦場のピアニスト」で効果的に使われた第20番(遺作)もない。もっともこの遺作は全集にもないのだが。それはともかく、昨今はショパンでも、カテゴリー別に全曲で出したがるのに付き合うのも辟易だから、これはしょうがない。上記の曲は、それぞれ単独に他のピアニストで聴いてもいいので。
 
でもくどいけれど、ショパンを続けてかけて聴くのは、これからは、ルービンシュタインがいい、とあらためて思う。

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