アンナ・カレーニナ(Anna Karenina、2012英、130分)
監督:ジョー・ライト、脚本:トム・ストッパード、原作:レフ・トルストイ
キーラ・ナイトレイ(アンナ・カレーニナ)、ジュード・ロウ(アレクセイ・カレーニン)、アーロン・テイラーー=ジョンソン(アレクセイ・ヴロンスキー)、マシュー・マクファディン(スティーヴァ)、ドーナル・グリーソン(リョーヴィン)、アリシア・ヴィキャンデル(キティ)、オリヴィア・ウィリアムズ(ヴロンスカヤ公爵夫人)
最初にことわっておくと、トルストイの原作は読んでいないし、何度か映画化されているようだが映画を見たのもこれが初めてである。
なかなか凝った作りで、舞台劇のような始まり、その後も随所に舞台上の場面展開みたいな背景、動きが入り、それらとよりリアルな映像がスピード感をもって編集され映画として作られていく。最近のオペラでこれに近い選出を見るいことがあるけれど、映画では初めてである。
そう、このジョー・ライトの作り方はリアリズムではなくて、いきなり登場人物の頭の中が飛び出してくるという感じはある。ただ、筋の展開は原作とそう変わってはいないらしい。
アンナには男の子が一人いて、夫は人格者で地位もあるが、あるとき若く容姿も優れたヴロンスキーと出会ってしまい、互いにひかれあっていく。ただこれも表面的な恋といえばそうで、このあとの展開、顛末はトルストイのまたこの映画ではジョー・ライトの腕の見せ所なのだろう。入り込むという感じではないが、最後はかなり納得するとはいえる。
このふたりともう一組、ヴロンスキーに相手にされなかったキティと彼女に相手にされなかったがその後結びつくリョーヴィン、この二人の結末は、人民の、農村の中へというか、トルストイに対して持っているステレオ・タイプのイメージに合っているが、それはそれで話の結末としていい終わり方になっている。
キーラ・ナイトレイはジョー・ライトの「プライドと偏見」、「つぐない」で主演していて、特に後者はあっていたと思うが、本作だと最初の貞淑な妻から後の展開にいってしまうにはやはりふくよかさが足りないかなと思う。ソフィー・マルソー主演の映画があるようで、ファンなのに見ていないのは残念、いずれ見てみたい。
夫アレクセイのジュード・ロウ、ずいぶん違うイメージでびっくりした。ヴロンスキーのジョンソン、もう少し美形で身長があってもいいかと思う。
さて、これから原作を読むことがあるか。「戦争と平和」より少し短く、あのような叙事的な部分は長くないだろうが、さてどうか。こういう長編はやはり若い時に読んでおけばよかったと思う。
不自由ない家庭的環境にもかかわらず情念の火が燃えてしまう、それに対する人々の反応、シンプルな反対、体裁を守るとはいえ家庭を崩壊させない理性と忍耐、また失敗を乗り越えての恋の成就、貴族と人民、などなど、いろんな要素がからみあった大作ではあるようだ。
監督:ジョー・ライト、脚本:トム・ストッパード、原作:レフ・トルストイ
キーラ・ナイトレイ(アンナ・カレーニナ)、ジュード・ロウ(アレクセイ・カレーニン)、アーロン・テイラーー=ジョンソン(アレクセイ・ヴロンスキー)、マシュー・マクファディン(スティーヴァ)、ドーナル・グリーソン(リョーヴィン)、アリシア・ヴィキャンデル(キティ)、オリヴィア・ウィリアムズ(ヴロンスカヤ公爵夫人)
最初にことわっておくと、トルストイの原作は読んでいないし、何度か映画化されているようだが映画を見たのもこれが初めてである。
なかなか凝った作りで、舞台劇のような始まり、その後も随所に舞台上の場面展開みたいな背景、動きが入り、それらとよりリアルな映像がスピード感をもって編集され映画として作られていく。最近のオペラでこれに近い選出を見るいことがあるけれど、映画では初めてである。
そう、このジョー・ライトの作り方はリアリズムではなくて、いきなり登場人物の頭の中が飛び出してくるという感じはある。ただ、筋の展開は原作とそう変わってはいないらしい。
アンナには男の子が一人いて、夫は人格者で地位もあるが、あるとき若く容姿も優れたヴロンスキーと出会ってしまい、互いにひかれあっていく。ただこれも表面的な恋といえばそうで、このあとの展開、顛末はトルストイのまたこの映画ではジョー・ライトの腕の見せ所なのだろう。入り込むという感じではないが、最後はかなり納得するとはいえる。
このふたりともう一組、ヴロンスキーに相手にされなかったキティと彼女に相手にされなかったがその後結びつくリョーヴィン、この二人の結末は、人民の、農村の中へというか、トルストイに対して持っているステレオ・タイプのイメージに合っているが、それはそれで話の結末としていい終わり方になっている。
キーラ・ナイトレイはジョー・ライトの「プライドと偏見」、「つぐない」で主演していて、特に後者はあっていたと思うが、本作だと最初の貞淑な妻から後の展開にいってしまうにはやはりふくよかさが足りないかなと思う。ソフィー・マルソー主演の映画があるようで、ファンなのに見ていないのは残念、いずれ見てみたい。
夫アレクセイのジュード・ロウ、ずいぶん違うイメージでびっくりした。ヴロンスキーのジョンソン、もう少し美形で身長があってもいいかと思う。
さて、これから原作を読むことがあるか。「戦争と平和」より少し短く、あのような叙事的な部分は長くないだろうが、さてどうか。こういう長編はやはり若い時に読んでおけばよかったと思う。
不自由ない家庭的環境にもかかわらず情念の火が燃えてしまう、それに対する人々の反応、シンプルな反対、体裁を守るとはいえ家庭を崩壊させない理性と忍耐、また失敗を乗り越えての恋の成就、貴族と人民、などなど、いろんな要素がからみあった大作ではあるようだ。