メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

007/カジノ・ロワイヤル

2022-09-09 09:02:14 | 映画
007/カジノ・ロワイヤル ( Casino Royale、2006英米、144分)
監督:マーティン・キャンベル
ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)、エヴァ・グリーン(ヴェスパー)、マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)、ジュデイ・デンチ(M)、ジャン・カルロ・ジャンニーニ(マティス)、ジェフリー・ライト(フィリックス)
 
007シリーズはショーン・コネリーのころから見ているが、まめではなく数は多くない。これはダニエル・クレイグがボンド役に起用された第一作。
 
テロ組織を資金面で支えているル・シッフル一味を打倒すべく起用されたボンド、ギャンブルも得意とあって、シッフルとカジノで対決する。駆け引きについてはよくわからないが、ゲームはポーカーなので、なんとかついていける。ここのところが時間も使い、いろいろ事件の要素もからめてこの映画の見どころといえるだろう。
 
その反面、幕開けのアフリカのよどんだ地域と建設重機が立ち並んだ場面での乱闘、終盤のヴェネツィアでの古い;建物を壊すまでの戦闘は、ショーン・コネリー時代のシリーズには無かったもので、ロケ技術、CGなど技術でここまで出来るのだろうが、現実味ということは別としても、どうなっているのかわからない。なにしろ先にも書いたようにもっと以前の西部劇でも銀行泥棒の集団襲撃とその防衛の様がよくはわからないわけだから、もうただ眺めているだけである。
英財務省から派遣された女性ヴェスパーは初め存在感がないけれど、最後あっといわせる。
 
ダニエル・クレイグは風貌、体躯、動きなどぴったりだが、コネリーがたまに見せた弱みもすこしあるといいのだが。ヴェスパーのグリーンは冷たい魅力といった感じ、もう少し色気があったほうがよりフィットするのでは。
 
シッフル役のミケルセンはシリーズにぴったりのクール、冷酷、ジャンニーニはイタリア映画でいくつか見たような気がするが、よくわからないポジションをうまく演じている。
 
そしてなんといってもここで英情報部のⅯとしてジュデイ・デンチが出てきたのがうれしかった。最初のシリーズでもロッテ・レーニャという大女優が出てくるし、ボンドシリーズはなかなか魅力があるのだろう。
 
このシリーズ、イアン・フレミングの原作はまったく読んでいない。もっと前の時代を背景に味があるのではないかとも思う。そういえば先日NHKのドキュメンタリー番組で、第2次世界大戦時、ある女性の二重スパイがジブラルタルで活動していて、その後彼女を尋問したのが当時英情報部にいたイアン・フレミングだったということである。やはりイギリスのこの種のものには広く深い背景があるわけだ。
 
ところでカジノ・ロワイヤルが最初に映画化されたのは1967年で、たしかウッディ・アレンが全体をプロデュース、もう列挙できないくらい数の大スターたちが(レジェンドクラスも)でていて、しかもつくりはおふざけ一杯のパロディー的なもの、「オースティン・パワーズ」シリーズの元になったとも言われている。でもこれ原作者側の許可は得ているらしい。
 
また観てなんといっても残るのは音楽で、ハル・デヴィッド作詞、バート・バカラック作曲、「恋の面影」などヒット曲、名曲ぞろいである。
レンタルでVHSは観たことがあるが、その後DVDは廃盤になってしまった。また観る機会がないかなと思っている。サウンド・トラック盤CDは持っているからまだしもだが。



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